【ラブレター】第1回:ミズノカイト
こんにちは、アンテナ編集長の堤です。「山本アキヒサ」なる人物にコラムを書いていただくことになりました。彼の肩書きは彫刻家、パフォーマー、アーティスト……と多く僕もまだ全貌は掴めていません。はじめて出会ったのは僕が一部主催を兼ねていた「チチカットフォーリーズの夜」というイベント。彼にはそこで空間演出をお願いしました。
山本さんにはこのアンテナWEB版で音楽と芸術を繋げて欲しいとお願いしています。山本さんの中からこれからどんな人やモノが飛び出してくるのか僕自身とても楽しみにしています。
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人と出会い、なにかをもらったなと思う事がある。そういうとき、なにか「食べたな」と言葉の表現を使うことがある。パーティー終演後、帰り道の独り言を書いてみようと思った。
まだまだ、なにものでもない人となにでもなく
2011年1人の長身の男の子と出会う。今、京都丸太町のetw現店長がやっていたパフォーマンス団体のVJとしてあったのが、初見だったと思う。どこにいても目立つスタイルに、ぴたりと着こなす服。口数が少ない割に、豊かな顔表情をもったひとミズノカイト。
グラフィックデザインとVJとしての仕事をよく見せているが、ずっとイラストも描いている。最近では、他のイラストレーターと組んでの作品展開もおこなっている。これが、非常に不思議な展開になっている。僕は、気持ちのよいひっかかりを感じさせてもらった。
神戸のギャラリー会場全体に並ぶドローイングやイラストを眺めながら、会場を歩き回ってると、壁中央辺りに映像があるのに目がいく。プロジェクターにて投影されたイラストは先ほどから、見ていた会場のどこかで見たもの。そしてクルクルと映像が回転を始める。まわりに数字の表記、なにかのタイミングを刻んでいる。途中でカイト得意のモノクロの線の動きが入ってくる。「投影された絵はどこに有ったかな」ともう一度、会場を見て回れる構成になっていた。
ざっと以下に映像の作品をひろってみる。
これは子供が仕込みなのか、気になる
花柄パンツとのからみ
route09さんとのライブ
地下の駐車場でのイベント。カイトがとても楽しんでいた
新年挨拶も映像で
映像の仕事でわかりやすい変化のようなものがあったのが「チチカットフォーリーズの夜vol2」で「Pop Pop Pigeon」のVJをしてたときかなと。それまで、モノクロの画面に色彩を感じさせるVJだったのが、この日のVJは極端なほど色が前面に使われていた気がする。自分がバタバタしていてあまり落ち着いて見れなかったのが残念。というか、いろんな事思って、そわそわ見てた記憶があるけど……。
ここで、なにか言葉が思い浮かんだ。なぜだか分からないが、カイトの白黒の映像には整った色彩をもっていた。反して色を用いた映像は、色彩なのかタイミングなのか。ずれてるというか外れる部分がある。それがなにかは、まだ分からないのだけれど、個体差をみせ、映像に変調を起こしてる気がする。
グラフィックデザインを行う時にも、なにかカイトらしさが香る仕上がり、僕はその、するりと窓の間を抜けてくる風の様なカイトのデザイン仕事の振る舞いや、所作が僕はすきなのだ。
そして、これは動かないのですが。カレンダー上の4人の作家の展示。作家の選考、全体のデザインディレクションまでを
見せてくれたのが、
http://blog.line-hair.com/info/4337.html
昨年の美容室での年末のノベルティとして配布されたもの。ディレクション全体のバランス感覚おもしろい。
最近で言えば、2014の京都造形大学の学祭で、ゼミの発表のロゴデザインと作品発表を行っていた。これでは、全体の中での個としての発表の仕方だったのだけれど、興味深く見てしまった。カイトの声と手が動いていた。それだけで美しいと思うのは、好きすぎるのかもいれない。そして、別の展示メンバーが、カイトの作った展覧会のロゴでop映像を作っていた。全体的に個を引き出しながら、うまくまとまったチームだと感じた。
出会ってから、数年になるのだけどその間に見たカイトの作品(学校の課題のようなものを含め)に決まりきった形で終わっているものを見た事がない。そうかといって、全部が誰も思いつかないことをやっているわけではない。時間がないという発言も聞いた事ない (期限が数時間とかでも) 。そのあたりから、作品にはなにかカイトの願いがはいっているのかもと思う。彼なりに、思考しデザインされたバランス感覚で、時間いっぱい楽しんでいる姿勢は見ていて気持ちいい。
客観的なのに、よく笑う仕草にもでているとおもう。
この間、ふと思いつきで質問してみた。
「これまで死ぬかもと思ったことは?」
「まったくない」
不思議な話しをする人だ。これから僕はカイトの何をみるだろう。
そのうち、またワインを一緒に飲みたい。最近公開していた、カイトのショーリール。
KAITO MIZUNO SHOWREEL 20141105 from Kaito Mizuno on Vimeo.
WRITER
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彫刻家、エモーショナルアーティスト 立体物を制作する工程を用い、場を変化させることにより感情操作を行う。 街にいる作家でありたい。枠内の記事本文
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