INTERVIEW

マリンビスト松本律子が採集する会話・民話・自然音-福島県川俣町でのアルバム制作に至る、彼女の生きる道

マリンバ奏者の松本律子が、2025年2月7日にアルバム『Dear KAWAMATA』を発表。福島県川俣町に通いつめ、自然の音や住まう人々との会話を録音し、自身の演奏と組み合わせて仕上げられた音楽作品である。独自の音楽性に至った40年以上に渡るマリンバのキャリアと、本作の背景を聴いた。また後半にはアルバム完成を記念して、川俣町で開催された模様をレポートとしてお届けする。

MUSIC 2025.03.11 Written By 峯 大貴

まずプロフィールに「マリンバ奏者」と「フィールドレコーディング作家」が並んでいる人を初めて見た。しかもそれぞれが独立した活動ではなく、その2軸を融合させることで作品を生み出しているというのだから、なおさら興味深い。

 

1976年福島県出身、神奈川県相模原市在住。マリンバ歴は40年以上に及び、地元の公民館、美術館、公園、学校などでの演奏会の開催や、オーケストラへの参加、音楽教室の運営などを行ってきた。

 

そんな彼女の新作アルバム『Dear KAWAMATA』は経済産業省が運営する福島県のアーティストインレジデンス事業『ハマカルアートプロジェクト2024』に採択され制作に着手。母方の実家があり、幼少期に多くの時を過ごした福島県伊達郡川俣町に2024年10月から2025年1月にかけて訪れ、住民から聴いた民話や日常会話、機織り、時報のチャイム、除夜の鐘といった音をフィールドレコーディングし、それらをマリンバや電子音、打楽器の演奏と組み合わせたコラージュ作品である。

 

町の音と人々の声をマリンバを媒介として音楽にする。そんな独自の活動を行っている松本とはどんな人だろう。その人生と本作の背景を聴くインタビューを実施した。「初取材なのでマリンバがある場所の方が落ち着く」とのことで、取材場所に指定されたのは打楽器専門の音楽スタジオ。贅沢にも15分ほど生演奏を堪能してから、話を始めた。時折、実例として鍵盤を叩きながら話す松本。まるでマリンバを弾くということは、会話をすることほど自然なことなのだと言わんばかりだ。

 

写真:三浦麻旅子
協力:永田純(有限会社スタマック)
場所協力:スタジオSHINKI


配信リンク:https://linkco.re/c6ncbNXn

マリンバを弾いて、生きると決めるまで

──

そもそもマリンバを始めたきっかけはなんだったんですか?

松本

出会ったのは5歳の時です。通っていた幼稚園に鼓笛隊があって、そこに指導にいらっしゃっていたのが鶴岡たみ子先生という東北ではマリンバの第一人者の方でした。その先生に「マリンバやってみない?」って誘われたのが嬉しくって。どんな楽器かもわからなかったけど、仙台にある先生のご自宅まで習いに行くようになりました。両親もせっかく始めるなら、家にもないと上達しないだろうって買ってくれたんです。レッスンに行けば先生はいろんなお話をしてくれたり、いつも上手って褒めてくれるから、喜んでずっと通っていました。

──

ご出身は福島県ですが、高校は東京藝術大学付属ということで、早々に上京されるんですね。

松本

それも鶴岡先生のご助言です。私が小6の時に「りっちゃん、音楽高校を受けてみない?」ってその付属高校を薦めてくれました。音楽の専門学校に行くことのイメージは全く沸いてなかったんですけど、東京で一人暮らしができることに心をつかまれて目指しました。ただ受験にはマリンバだけじゃなくて打楽器も必要だったから12歳から始めて、無事に受かるんです。マリンバが上手くなりたいとか、音楽で生きていきたいとかは一切考えていない不純な動機でした。

──

上京後の生活はどうだったんですか?

松本

もう、全国から音楽家を目指してやってくる同級生ばかり。私は上京という目的は達成しちゃっているから、温度差がありました。でも落ちこぼれちゃうのは嫌だったし、周りに流されるように必死に毎日練習、練習。

──

大学も流されるままに、同級生とともに進学することに?

松本

それが大学受験のタイミングで、全然弾けなくなっちゃったんです。15秒のエチュードはもちろん、課題曲だって何回練習して臨んでも、本番の実技試験になると全然ダメ。だから現役では不合格、一浪目、二浪目もダメだったので、唯一合格通知をいただいた昭和音楽大学に進みました。

──

その弾けなくなった原因って、なんだったんですか?

松本

大学に入ってからもずっと弾けない時期は続くんですが、やっぱり力んでいたのでしょうね。高校時代の恩師は私がどう演奏しても「全然違う、何もわかっていない!」と言われて、下向いたまま30分の沈黙の後に「もう1回!」と言うような先生で。何が違うのかわかんないんだよなと思いながら、ただがむしゃらにやっていたんですよね。萎縮していたんです。そこから年を経て、いろんな人と出会う中で、出来るだけ自然体で演奏する音が一番美しいとだんだん気づいていきました。本当に楽に弾けるようになったのはここ5年から10年くらいのことだと思います。

──

大学受験に失敗したり、スランプに陥っても辞めなかったんですね。

松本

そうですね……辞めるという選択肢が浮かんだこともなかったです。その点で言えば、大学4年生の時に卒論代わりの演奏会があって、初めて学年で1番になりました。ずっとうまく演奏できなかったのに、奇跡的にうまく弾けたことでまたモチベーションが上がったんです。要所でマリンバに引き留められるんですよね。

──

大学卒業後はどんな道に進んだんですか?

松本

中学校や支援学校の音楽教員として働いた時期もありましたが、その内やっぱりマリンバ奏者として生きていくことを決めました。

──

周りに流されながらやっていたのに、そこもマリンバの道を選んだんですね。

松本

不思議ですね……でもマリンバを弾いていたいんだとちゃんと自覚したのは、今も住んでいる相模原に移って、結婚して子どもが生まれたことがきっかけだと思います。しばらくは自分の時間が一切なくなって、子どもに捧げるじゃないですか。そんな時期を過ごしている時に「早くマリンバを練習したいな」って思って確信しましたね。でも仕事なんてないんですよ。

──

マリンバ奏者が活動される主な場としてはオーケストラに入るなどでしょうか?

松本

オーケストラに呼ばれることもありますが、マリンバ自体は新しい楽器ですから、そんなに出番が多くなくて、タンバリンや小太鼓など小物楽器のパートと同時に担うことが多いですね。でもやっぱり私はマリンバを演奏したいから、演奏会をさせてもらえる公民館や学校、イベントなどの場所を探して、企画して、そこで素敵な出会いがあって次の機会に繋がっていく。本当に自分の足で見つけてちょっとずつ活動を広げていきました。それは今も変わりません。

──

奏者としての活動の一方で『あしたばら音楽ラボ』という音楽教室の運営と講師をされていますね。

松本

これも始めて18年ほどになります。マリンバが上手になりたいという方だけじゃなくて、私と話をしながら演奏をするのが楽しいから来ているという方も多いですね。3歳から77歳まで、マリンバだけじゃなくて、ピアノやギター、オカリナを演奏される方もいらっしゃいます。1年に1回は発表会をしていて、そこで一度ご縁をくださった生徒さんにはもれなくお声掛けをしているので、ずっとお付き合いが続いていく場所です。

年に一度のラボの生徒たちによるコンサート『あしたばら音楽会』は今年も2月24日に開催された。
──

一般的なマリンバ教室とは少し違うんですね。そんな場所を作りたいと思ったのはなぜでしょう?

松本

浪人生の時に教えていただいた岡田眞理子先生のレッスンって、まず私の話を一時間ほど聞いてくださるんです。その後一通りレッスンして、終わるとまたお茶をしながらお話しする。当時はもっとビシビシ指導してほしいのに、なんでこんなにずっと話しているんだろうと思っていました。でも私も年を重ねていく中で、先生がどういう思いで生徒と接していたのかわかってきたんです。まずは人と人とが打ち解け合うのが大事。音楽はそのコミュニケーションの先にあるものなんだよという眞理子先生の教えを私も真似したいと思ったんです。スキルはコツさえつかめれば、ある程度はどなたでもうまくなります。

──

演奏面において影響を受けたマリンバ奏者の方はいますか?

松本

マーク・ボーズマンというアメリカのマリンバ奏者がいるのですが、彼のマレットさばきや、音の出し方はお手本にしています。演奏会前の最終チェックをするときも、まず彼の演奏動画を見て、立ち方やマレットを持つ角度や、ストロークの速さ、音色に近づけるように調整しているんです。

──

マークの演奏の素晴らしいポイントはどこですか?

松本

音の説得力ですね。もちろんスキルが高いんですけど、すごいものとして見せるんじゃなくてさらっと弾いてしまうところが素敵だなと思います。何度か来日していて、その時にはお会いして気さくにお話ししてもらったり、私がアメリカに行った時もアテンドしてくれたり交流は続いています。

マリンバ meets フィールドレコーディングに見出した活路

──

ここ10年ほどはフィールドレコーディングにも取り組んで作品も発表されています。きっかけはなんだったんですか?

松本

自分の演奏を聴いてもらうために、マリンバと他の打楽器を混ぜてみたり、みなさんが知っているような曲をレパートリーに加えてみたり試行錯誤していたんですが、その中で自分でも作曲をしてみようとしたんです。でもどうやればいいのかわからなくて、全然できなかった。どうしたもんかと考えていたのですが、家の外に出ると山奥なのでいっぱいいろんな音が聞こえてくる。鳥の鳴き声や、草木が揺れる音、その奥でガチャガチャと工事現場の音も。それが全然不快ではなくて、なんだか調和しているようにも聴こえる。これもハーモニーなんじゃないかって気づいたんです。そこから録音するようになりました。

 

そしてその音に合わせてマリンバを叩いてみたら、うまく混じる感覚があって。これは面白いと、いろいろな音を探して、いろいろなものを叩いて、そこにマリンバを組み合わせてみる。その内、録音した中からどこを取り入れるか編集したくなって、ソフトウェアのAbleton Liveも導入する。組み合わせるマリンバもいろんな音色が欲しくなってクラシックなアコースティックマリンバだけじゃなくて、malletKATという電子マリンバを買ったり。とにかくこの作業が楽しくなってきたんですよね。


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──

興味の赴くまま取り組んでいたら、あまり類の見ないスタイルの宅録アーティストになったわけですね。

松本

それまでデジタルの機材を使ったことがなかったので、最初はどうやって音を鳴らすのかもわからなくて。たまたま行ったライブのギタリストの方が出している音が気になって、教えてくださいって声かけたらボスのエフェクターのルーパーだと、親切に教えてくださいました。これを買ったらすぐに音が重ねられるのかなと思ったんですけど、うんともすんとも音が鳴らない。

──

シールドとアンプがいりますよね(笑)

松本

それも知らなかった(笑)。それでまたその方に質問して、おすすめのケーブルとスピーカーをセレクトしてもらって、何とか音を出して録音できる環境を作っていきました。それが今ではこんなアルバムができるほどに。

──

フィールドレコーディングの音源とマリンバの演奏を組み合わせるにあたって、どういうことを意識していますか?

松本

音を聴きながら、インスピレーションに任せて演奏するということでしかないんですが……自然の音って不規則なのが面白くて、そこにマリンバがきちんとしたフレーズを弾くとあんまりうまく混ざらない。どうやって定石からずらすか、でも不規則すぎると音楽として聴きづらいからバランスを考えて演奏するのが楽しくてしょうがないんです。あとは本を読んで刺激を得ることも多いですね。武満徹さんの文章で始まりと終わりがわからない音楽の良さについて書かれているものがあって、確かにそうだなって思ったり。

──

武満徹は日本を代表する現代音楽家であり音楽評論家ですが、お好きなんですか?

松本

たくさん著作がありますが、ほとんど家にあると思います。あとは高橋悠治さんや坂本龍一さんも大好き。何かあると本を取り出してふとページを開いたところを読むんです。そしたら言葉の端々からなんだか自分が必要としている考えが得られた気分になるので、すごくいい。今回のアルバムも立花隆さんが武満徹さんを取材した分厚い本(『武満徹・音楽創造への旅』2016年 / 文芸春秋)に、かなり助けられました。実際の音づくりで今回影響を受けたという意味ではレイ・ハラカミさんが一番大きいですが。

祖父母が暮らした川俣町の声と音で音楽を紡ぐ

──

新作『Dear KAWAMATA』は松本さんの祖父母が住んでいた福島県川俣町に赴いて、町の人とのお喋りや音を録音し、アルバムに仕上げています。このアイデアはどのように生まれたのでしょうか?

松本

これもきっかけは本です。小野和子さんという宮城県で民話を採集されている方の『あいたくて ききたくて 旅にでる』(2019年 / PUMPQUAKES)という民話・寄稿集と出会ったんですが、ほとんど東北弁で綴られているんです。本から音が出てくる感覚がして、するする読めて意味もちゃんとわかる。ここに音楽を重ねてみたらすごく面白いかもしれない。福島出身の私がやるなら、福島の人のお話にマリンバを重ねたらいいんじゃないかと考えていたタイミングで、『ハマカルアートプロジェクト』というものがあると知りました。

──

経済産業省が行っているこの取り組みは「福島県の浜通りを中心とした12市町村で、アーティストが一定期間滞在し、地域の方々と共に制作活動を行う滞在型のアートプロジェクト」とあります。

松本

私が見つけたときは公募締め切りの1週間前だったので急いで応募して、無事に参加させてもらうことになったんですが、実際に川俣町に行って何から始めればいいのかわからなくて。

──

現地との間に入ってくれる方などもいなかったんですか?

松本

補助金を出していただけるのですが、それ以降は私一人。意を決して、まずは町にある円照寺の前ご住職の奥さまのところに行ったんです。話を聴いてくださって、ここに住んでいるみなさんに昔から伝わる民話や日常のお話をうかがいたいと説明したら、公民館の館長さんをご紹介いただきました。今度はその館長さんが「あの人にも喋ってもらったら面白いよ」って電話をかけてもらって、今からお邪魔しますとまた次へ……。お話していただくだけじゃなくて、昔は町に昼時を告げるために鳴らしていた木の板があるよって、パンカパンカと呼ばれるその板の音を録らせてもらったり、お寺の除夜の鐘を特別に叩かせていただいたり。ご縁がご縁を呼んで、協力を仰ぐことには全く困らなかったです。

──

それはすごい。松本さんのお人柄や熱意が伝わったんですね。

松本

いえいえ。私のじいちゃんがかつてここで商店をやっていたので、「佐藤恒貞の孫です」と言うと、「ああ、そうかい。昔、随分お世話になってねぇ」とみなさん快くお話をしていただけました。だからこのアルバムが完成したのは町のみなさんとじいちゃんのおかげなんです。

──

古くから養蚕業・絹織物業が盛んなことから、さまざまな人が口にした「おかいこさん」という言葉をコラージュした“おかいこさん”や、平安時代からこの町に伝わる「小手姫伝説」の語りをサンプリングした“おてひめ”、毎日正午にミュージックチャイムとして町中に流れている古関裕而による楽曲をマリンバアレンジにした“川俣町民の歌”など川俣町独自の音を楽曲に仕上げた13曲が収録されています。素材に対してどのような視点でアレンジや編集をしていきましたか?

松本

私の感覚でしかないんですが、今回は特にお話の一部分を切り取ることになるので、それによって言葉の印象や意味合い、文脈が変わらないように細心の注意を払いました。音としてカッコいい部分もたくさんあったんですけど、せっかく協力してくださった方が嫌な思いをしたら本末転倒です。ちゃんと心を感じてもらえるようなところを見つけて、そこに音楽をつけていくような作業でした。例えば“死ぬまで生きる”に入っている、おじいちゃんの「死ぬまで生きるほかねぇだ」という部分もその前から続く実直な語りと訛りがあるから、過剰にシリアスにもならずスッと入ってきて温かい気持ちになれると思うんです。

──

“死ぬまで生きる”には、原発にまつわるお話も出てきます。川俣町は東日本大震災の福島第一原発事故の影響も受けた場所ですが、本作における社会的な意義についてどのように考えていましたか?

松本

私はそういう部分を無理に聴きだしたいんじゃなくて、普通にお話をしたいだけなんです。でもみなさんの中での大きな体験として必ずあるものであり、日常の会話として当たり前のように震災や先の戦争のことも出てくる。だから自然とその部分も使わせてもらったという感覚です。もちろん『ハマカルアートプロジェクト』の取り組みとしては川俣町の記録と現状の発信も目的にはありますが、あくまでこの町の素朴な日々の生活を音楽にすることを大事にしていました。

──

本作が完成した2025年1月31日~2月2日には〈福田公民館〉と〈Kawamata-BASE〉で「お礼のつどい」と称した試聴会、演奏会を開催されたそうですね。本作に協力した方々もたくさん集ったそうですが、聴いたみなさんの反応はいかがでしたか?

松本

完成した作品を聴いてもらう時が一番緊張しましたね。みなさんで試聴して、その曲に関わってくださった方にお言葉をいただいていったんですが、あるおじいちゃんにマイクを渡して一言目に仰った「感動した……」という言葉に胸がいっぱいになりました。あとこのつどいには両親も全ての回に来てくれたんです。今まで父から一度も褒められたことがないんですが、終わった後に「人として大変成長しましたね。自分の仕事をしっかり遂げてください」と連絡が来て。もう一生に一度の最高の言葉をもらいました。

人との出会い、つながりが、演奏を素晴らしいものにする

──

マリンバ奏者、フィールドレコーディング作家としてもエポックとなる作品ができたかと思いますが、今後について考えていることはありますか?

松本

まずはバッハの無伴奏チェロ組曲が6番まであるので、それを弾けるようになりたいのもあるし、このアルバムを作るきっかけにもなった『あいたくて ききたくて 旅にでる』にマリンバをつけることも本格的に着手したい。やりたいことはいろいろあります。

──

それらの取り組みを通して、音楽家として最終的に目指していることはありますか?

松本

そうですね……人として自然体でいられたらいいなと思います。自分が苦しくなく、相対する人も心地よくコミュニケーションをとりながら日々を過ごしたい。そしたらきっとマリンバもいい感じでずっと弾いていられるんじゃないかなと思っています。

──

つまり自分が納得してマリンバを演奏することができることに尽きる?

松本

そうそう。私は常にマリンバがもっと上手く弾けるようになりたくて、でも弾けなかったり、披露する場所がなかったり、それがどうやったら打開できるか考えてきました。マリンバを通してさまざまな人と出会ったり、今回のような経験をさせていただいたので、もはや私にとってのアイデンティティであり、コミュニケーションの手段なんですよね。

──

自身が指導を受けた鶴岡たみ子先生や岡田眞理子先生のレッスンに始まり、『あしたばら音楽ラボ』や今回の『Dear KAWAMATA』も、松本さんのキャリアは常に人と話しながらマリンバを演奏することに特化していますよね。その軸のブレなさにとても感心しました。

松本

自分では流されるままの人生だと思っていたんですが、改めて振り返るとそうですね。40年以上マリンバを続けてきて、今も年々楽しくなってくるのが不思議なんです。

Dear KAWAMATA

 

アーティスト名:松本律子
仕様:デジタル
リリース:2025年2月7日(金)
配信リンク:https://linkco.re/c6ncbNXn
特設サイト:https://dearkawamata.jp/

 

収録曲

1.みんなの手拍子
2.おかいこさん
3.福田の里
4.娘
5.川俣町民の歌
6.パンカパンカ
7.死ぬまで生きる
8.自然のめぐみ
9.ふるさとだから
10.おなかすいた
11.おてひめ
12.除夜の鐘
13.Dear KAWAMATA

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『Dear KAWAMATA』完成記念「お礼のつどい」レポート

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