INTERVIEW

もどかしくもシンプルを求めトガっていく。シャンモニカが語る『トゲトゲぽっぷ』

MUSIC 2021.04.22 Written By 峯 大貴

シャンモニカのライブを初めて観たのは2019年6月。吉祥寺シルバーエレファントで行われた、ANTENNAでもおなじみダイバーキリンの企画イベントだった。イルミネーションの電飾をマイクスタンドやステージ上に這わせた、一時期のHomecomingsも思わせるキラキラの演出。しかし登場した男女4人の演奏はどちらかと言えば仄暗さが漂っていた。特に“ナイトマーケット”の儚げで背筋をツーっとなぞられるような歌と、どことなく冷気を放っている三声のコーラス・ワークに、膝から崩れ落ちながら悶えていたことを今でも覚えている。そしてサヤカ(Vo / Gt)の時折不敵でシニカルな佇まいも、その歪な魅力を称えているようだった。

 

彼らのサウンドを歌謡曲、ニューミュージックや、ちょっぴりサイケでローファイなギターポップのリファレンスを通して言い当てることも出来るだろう。しかしそのすぐ後には「いや、とはいえやっぱ歌がたまらんのよ!」と正したくなるような、もどかしいメロディとサヤカのルーツにある民謡を感じる節回し、そして度々登場するコーラス・パートが琴線を撫でる、ポップ・ミュージックの醍醐味がぎゅっと詰まったバンドだと信じてきた。

 

そんな彼らが2作のEPを経て1stアルバム『トゲトゲぽっぷ』をリリースする。これまでの持ち味が発揮された集大成でもあるし、bearstape、豊田亮平(ユメリアソラ)、田中ヤコブ(家主)という仲間の力も借りて、確かなステップアップを図るカラフルな作品に仕上がった。その発言は実にひかえめな告白……、しかしシンプルにいい歌を追い求め、今もまだ変形の過渡期にあるような様子が伺えるシャンモニカのインタビューをお届けしよう。

わかりやすくてキャッチー、その中で遊び心がある音楽

──

この4人はどうやって集まったバンドなのでしょうか?

サヤカ(Vo / Gt)

私は大分出身で大学からは福岡でずっとバンドをやっていたんですけど、仕事の関係で東京に来て。こちらでもバンドをやりたかったので、メンバー募集の出会い系サイトみたいものを見ていたんです。まずはどこかのバンドに入って知り合いを増やそうとして、いくつか出会ったバンドの中に、すごくイケメンなドラムがいまして。

テツマル(Dr)

いやいやいや……(笑)。

サヤカ

それで声をかけて、テツマルさんがいいギターがいると連れてきた女の子が今日来れなかったメイさん(Gt)。3人でスタジオに入ったんですけど、あまりに何も進まずホワ~ンとしたまま1年くらい経って。ちゃんとベースを探そうとまたサイトで探して出会ったのが、このすごくしっかりされた方でした。

──

じゃあ繋がりではなく偶然集まったんですね。4人が揃ったのが結成としている2018年?

ノブ(Ba)

はい。最初のライブは2018年7月だったと思います。大宮の〈Sparkling Heart’s〉っていうバーみたいなところで。

サヤカ

人前に出るのがまだ恥ずかしくて、まずは知り合いのやっているお店から始めようと。

──

曲を作っているのは全てサヤカさんですが、どういう音楽をやりたかったのでしょうか?

サヤカ

メロディがしっかりしていて、わかりやすくキャッチー。でもその中で遊び心があるものというくらいでしょうか。

──

遊び心というのは具体的にどういうイメージでしょうか?

サヤカ

Aメロ→Bメロ→サビの構成に捕らわれないとか、歌がしっかりしているのは大前提だけど、そんなに歌が入っている必要もずっと私が歌う必要もないし。あとはギターを弾いてなくてもいいとかですね。

──

そういうバンドが目指すイメージは4人で示し合わせたんですか?

ノブ

いえ、ただ彼女の作った曲をやるというくらいでした。だから当初はサヤカさんの前のバンドや、弾き語りベースの曲をバンドでやってみて、1st EP(『ひかえめな告白』)に繋がっていきます。

テツマル

自分もThe CardigansとかHomecomings、ラッキーオールドサンのような歌がしっかりしている女性ボーカルのバンドが大好きで。サヤカさんのデモを聴かせてもらった時にそことも近しいと感じていたから、彼女が作った曲をやるってだけで自分は十分で。

──

サヤカさんの前のバンドというのは福岡でやっていたレナリトルですよね?

サヤカ

そうです。『ひかえめな告白』に入っている曲の半分くらいはレナリトル時代のアレンジですね。

──

なるほど。4人の音楽における共通言語みたいなものはありますか?

ノブ

ない……みんな本当にバラバラで。

サヤカ

だから練習とか曲作りの時に参考としてみんなに聴かせても、お互い全然ピンと来てなくて、活かされてないよね(笑)。

──

じゃあバックグラウンドは個別に伺いましょうか。

サヤカ

えぇ……すごく広く浅いんですよね。松任谷由実さんが好きなんですけど3曲くらいしか知らなくて。好きな1曲を見つけたらそればっかり聴いて、飽きたらまた別の曲を探すような聴き方しかしてこなかった。

ノブ

私は楽器を手にしたきっかけがエレキギターとスピッツの楽譜を買ったことなので、ベースには変わりましたけど、影響は受けていると思います。あ、あと峯さんが去年ANTENNAで書いていたのをチェックしてめちゃめちゃよかったんですよ、カルマセーキ。

──

え?本当ですか!もうずっと前に解散しているバンドですがうれしい!

サヤカ

だからか!ほんと一時期ずっとカルマセーキばっかり聴いていましたよね。

──

カルマセーキにはスピッツのプロデューサーの竹内修さんも関わっていたり、常にひとひねりある歌のバンドという意味ではシャンモニカともつながってきますね。メイさんはどういう音楽に影響を受けていますか?

サヤカ

一番はceroとかミツメですね。シティポップもよく聴いていたかと思います。

ハシモトサヤカwith……からシャンモニカへの変形

──

お話を伺っていると『ひかえめな告白』はそれぞれの共通認識が生まれる過程の作品だったという感じがします。私は収録曲“ナイトマーケット”や“セレネイド”の複雑なコーラスワークにやられたんですが、現在はもうちょっと抑制されていますし。

サヤカ

そうですね。みんなの個性がまだわからなかったので、私の歌にみなさんが遊びすぎないで乗せていく感じで作った気がします。

ノブ

この頃はまだハシモトサヤカwithシャンモニカというのが正しいのかもしれない。このコーラスもライブでの再現が難しくて……。

サヤカ

この4人で出来ること出来ないことが徐々にわかっていって、みなさんの得意を引き出していった結果、今の形にシフトしていった部分はあるかも。


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──

サヤカさんの曲をリズム隊のお二人はどういうスタンスで支えていますか?

ノブ

最初に聴かせてもらったデモも、例をあげるとしたらくるりを初めて聴いた時のような感覚に近く。それに加えて二つのボーカルの絡み方が気持ちよくて、とにかく歌とギターフレーズがすごく印象的だと思ったんです。元々自分のベースプレイも前に前にというスタンスではないから、気持ちよく出来そうだなと。だから出過ぎないけど、存在感はあるというギリギリを攻めようとはいつもしています。

テツマル

自分はむしろ目立ちたくないくらい(笑)。フィルインも必然がない限りいらないと思うし、シンプルなリズムを坦々と叩いているのが好きです。とにかく歌がよく聴けることだけにドラムは徹していたくて、なるべく邪魔しないというのが自分のキーワードな気がします。理想で言えば河村“カースケ”智康さんみたいなドラムが好きで。

──

では逆にサヤカさんが他の3人を知っていくことで、シャンモニカの音楽はどう変化していきましたか?

サヤカ

テツマルさんは歌に寄り添うドラムを坦々と叩いてくれていますけど、パートが変わってサビになってもドラムはずっと同じフレーズの方がいいんじゃないかという提案をしてくれたのが残っていて。それで今回のアルバムで言えば“アンサー”みたいな、変わったリズムフレーズが延々続いていくような曲も出来ました。叩かない方がかっこいいんだ!と思わせてくれた。

 

ノブさんのベースも絶対に歌をよくしてくれるという信頼感があるので私の作るデモにもフレーズを入れていなくて、任せています。

──

メイさんは普段ギター講師もされていますが、シャンモニカではソロというより一つ一つのフレーズがすごく光るような弾き方をされていますよね。ギターとしてどういうことを求めていますか?

サヤカ

シャンモニカの曲はそれほどギターソロがあるのが多くなくて。私自身、ギターソロが全部の曲にあるのはウッと来てしまうし、たまにガーって弾いてくれるから映えるんじゃないかと思うんですよね。今回も“ふぶく”と“アンサー”にちょっとあるくらいですけど、こういう聴かせどころもあるんだという魅せ方のバランスが重要で、メイさんはすごく絶妙にやってくれていると思います。

──

当たり前のようにギターソロがあるのではなく、歌に対する必然性があって入るものだと。

サヤカ

そうですね。なんでも弾けちゃう信頼感は彼女にはあるので……頼もしい。

もどかしい気持ちが曲になる

──

では実際に曲はどうやって作っていますか?

サヤカ

もやもやした気持ちを日記のように書き残す気持ちで書いています。でも言葉に出来ないから一度メロディにしてみて、そこから気持ちが萎れない内になるべく早めに歌詞も書いてしまう感じです。

──

シャンモニカの曲っていつも聴いていてもどかしい気持ちになるんですよね。

サヤカ

ホントに私もくそーって言いながら、もどかしい気持ちで書いています(笑)。深夜Twitterにつぶやきたくなることってあるじゃないですか。でもそこを踏みとどまって、もやもやを溜めて曲に気持ちを収めるようにして消化しています。悲しいだけじゃなくって、うれしいことも含めて、あの人に言いたいあの感情を、直接言えないから曲にする感覚。

 

例えば“スカイスカイ”は山登りに行く前に、曲を作る気分になってスッとその場で出来ちゃった。逆に“スターチス”は人間関係でイライラの絶頂で、出来るまで本当にずっともやもやしていました。

──

“スターチス”は今回のアルバムの中で一番好きな曲です!メロディに対する言葉の乗せ方がもどかしさにあたるのかなと思っていて。例えば「難しい癖 からまる合図」も「難しい癖 からまるあ / いず」と次の拍子にまたぐじゃないですか。2番も「騒がしい街 吹き飛ぶネ / オン」とまたぐ。ここに独特の余韻を感じる。

サヤカ

へー確かに!ずっと口ずさんでいたけど、歌詞を見たら全然違ってたってことありますよね。そう言われたら言葉を切る感じはすごく好きかもしれないです。

──

“マスタード”でも「マスタード香る頃に / がい 魔法にそっと」と「苦い」をまたいでいるんですよね。はっぴいえんどの“颱風”みたいな技法だなって。

サヤカ

その曲は知らない……(笑)。メロディに当てはまる音であればいいなということくらいでスルっと出てきました。

シャンモニカの出会いの物語 ― 田中ヤコブ、豊田亮平、bearstape

──

『トゲトゲぽっぷ』の制作にあたって、どういう作品にしようと思っていましたか?

サヤカ

P-VINEから出していただけるということなので、自分たちの物語や歴史を収めた作品にしたかったです。EPを2作出してきて、ついにアルバムという感じの集大成なもの。


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──

なるほど。2nd EP『変形』(2020年)はぐっとストレートなギターポップ作品になった印象があって。ちょうど『ひかえめな告白』と『変形』の良さを集約したのがこの『トゲトゲぽっぷ』だという感覚がありました。

サヤカ

そんな感じはしますね。

ノブ

今回はこれまでの出会いというのも入れ込みたくって、コラボをしようと3組に入っていただきました。自分たちは意識的でもありますがいつもシンプルな方向にいってしまうバンドで、使っているコードの数も種類も少ない。言ってしまえば誰にでもできそうだし、だからこそなじみよく聴けるものを目指しています。せっかくの機会だからコラボを通じて自分たちにないものを入れていただきたいという意図もありました。作り方の過程を一緒に体験させてもらって、ある種学びの機会というか、今後の幅が広がっていくかもしれないと。

──

最初から明確な狙いがあったんですね。その3組との出会いと繋がりは是非記しておきたいのですが、ます田中ヤコブさん(家主)は“ふぶく”にアレンジとピアノで参加していますが、彼との繋がりを教えてください。

サヤカ

ヤコブさんはクララズのサポートや、平松チャイナワールド※で対バンした時にお話させていただいていて。その後、私がヤコブさんの“TOIVONEN”(『おさきにどうぞ』収録)にコーラスで参加させてもらった縁で今回は逆にこちらに入っていただこうと。新たな発見がありましたね……難しかったです。

※平松チャイナワールド:2019年に数度ライブ出演していた、平松稜大(たけとんぼ)、浮(BUOY)、田中ヤコブ、クララズによるコラボグループ。

──

どういうところに発見がありましたか?

ノブ

シンプルにコードの数や展開に最初ついていけませんでした……。いただいたアレンジにはヤコブさんの感覚がすごく入っていて、コードも複雑だったり、実際のコードとは違って聴こえるような音が混ざっているのが、すごく良かったんですよね。でもそれを自分たちがやろうとすると全然気持ちよくならなくって。表現の仕方が難しかった。

サヤカ

でもそのおかげで、自分たちの限界だったり、これまでのやり方を見つめ直すことになりました。

ノブ

ユメリアソラの豊田さんからいただいた“エチュード”も、普段自分たちだったら4個だけのコード展開の中に12個くらい入っていたり。

サヤカ

歌詞も自分では絶対書かないくらい長いですし、だから私は歌詞とコードどっちも覚えるのにパンクしてました(笑)。

──

シャンモニカの歴史の中で豊田亮平さんとはどういう関わりなんですか?

サヤカ

私がシャンモニカを組む前に東京のライブに弾き語りで出始めたころに知り合って、どうやってこのバンドを作っていったのかもわかっている人。一番対バンした回数が多いのもユメリアソラだと思います。


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──

今回の“エチュード”にはどういう感想を持ちました?

サヤカ

ユメリアソラの曲はいつも歌詞から熱い思いが伝わってきて、ジェラシーを感じるくらいきれいなんですよね。“エチュード”もすごくかわいい曲。私にはこういう読んだら物語を追えるような歌詞は作れない。

ノブ

彼が作る曲の良さはありつつ、自分たちを想像して作ってくれたような新鮮な感じがしました。いつもライブではあの声に持っていかれるから、今回サヤカさんと一緒に歌ってくれたのもすごくよかった。

──

そして“ノスタルジックブルー”は『ひかえめな告白』にも入っていた曲をbearstapeにアレンジをお願いする形となっています。福岡の宅録アーティストですが、サヤカさんもメンバーとしてステージに立っていますよね?

サヤカ

そうですね。私の福岡時代からの長い付き合いで、主に宅録での活動ですがバンドでライブをする時は初期からボーカルとして参加していました。“ノスタルジックブルー”もレナリトルからやっていた私にとって大事な曲なので、一番歴史は長いということでお願いしようと。

bearstape“だきしめたら”  サヤカもボーカルとして参加している

──

大事な曲と仰ったのはどういう想いでしょう?

サヤカ

今の形の曲作りになった最初の曲なんです。それまでもバンドはしていましたけどONE OK ROCKとか9mm Parabellum Bulletが好きで「ロック!」みたいな曲を作っていて。でもこれを転機として、もやもや溜めてきた思いを曲にするという今の作り方になったので、私のスタート地点みたいな感覚があります。それと他の曲は作った時の気持ちがどんどん薄れていくことが多いんですけど、ノスブルはなぜかその時の気持ちがいつでも蘇ってくるんですよね。そういう意味でもすごく大事。

──

その時の気持ちとは?

サヤカ

これはおじいちゃんとかおばあちゃんに向けた曲で。たくさん迷惑をかけたという気持ちを曲に消化させてくださいという想いで作りました。これで許してほしいと。今回松田聖子みたいにキラキラしてて、bearstapeらしいアレンジにしてくれましたね。

よりシンプルを求めてトガっていく

──

コラボ以外の曲を聴いてもストレートでキャッチーな歌という共通認識が、この3作目で極まっている印象も受けました。“マスタード”なんて1フレーズで突っ切るミニマルなファンク・チューンですごく痛快に感じた。

ノブ

でも自分たちがやるとどうしてもファンクにならないんですよね(笑)。そういうのも自分たちらしくていいんじゃないかと。“フロート”もAメロとコーラス・パートだけでここまで潔くシンプルな曲はやっていなかったから印象に残っています。

──

シャンモニカの姿勢が端的に伝わってくる『トゲトゲぽっぷ』というタイトルもいいですね。

サヤカ

わかりやすく「ポップ」はタイトルに入れたかった。でもちょっとトガっていたり、鋭い部分もあるし、そこも含めてポップに言うと「トゲトゲ」。チョイださなところも親しみがあっていいですね。

──

初の試みとなった1stアルバムを完成させて、どういうことを学びとって今後どう変化していきたいと思いますか?

ノブ

自分たちがこれまでやって来た基本スタイルは間違っていなかったんだということを今回再認識出来たと思います。そんな複雑なことは出来ないというのもありますけど、シンプルなことをわかりやすく表現するのが自分たちのやりたいことだし、それがすごく気持ちよく出来るようになってきた。

──

それはある種、コラボという形で難しさを感じたことによって、相対するシンプルな良さが浮き彫りになったような感覚ですか?

ノブ

そうですね。“ノスタルジックブルー”みたいな打ち込みを取り入れたり、“エチュード”では転調するなんて今までは考えられなかった。自分たちのスタイルを際立たせるためにプラスアルファでこれまでにない要素は取り入れていきたいから、そのための勉強になったと思います。

テツマル

演奏面では“スターチス”をやっている時に、やっとこのバンドでも一体感が出てきたなと思いました。シンプルな分、そこが大事だとずっと思ってきましたし。でも“フロート”、“アンサー”はベースと合わせる部分がまだまだ。もっと合わせられると思っているんですよね。だからもうちょっとどの曲でも一体感を求めていきたい。

サヤカ

シンプルと言いつつ、今回はコラボもあってすごく幅広い作品になった気がしていて。曲の長さも“アンサー”は5分近くもあるし。私はこの中では“スターチス”が一番好きなんですけど、シャンモニカはこんな感じのストレートにドンって伝わる曲が一番かっこよくいられるなぁと思う。こういう曲だけで一つの作品が出来たら最高だなぁと思いました。よりシンプルさを求めていきたい。

──

なぜシンプルさを求めていたいのでしょう?

サヤカ

うーん……。シンプルじゃないのも、それはそれで一つのシンプルにしたいというか……。

ノブ

ん……?

サヤカ

いや、スッとタイトに魅せれるような音楽を作っていたいんですよね。

──

でもサヤカさんの歌にもどかしくてどこか歪な魅力があるから、それだけですごく個性的に成り立つ気がしますし。本作を経てよりシンプルにトガっていくのはすごく楽しみ。

サヤカ

それ、いいですね(笑)。ほんとにこのアルバムで一つの答えが出た気はしています。

トゲトゲぽっぷ

 

アーティスト:シャンモニカ

仕様:CD

発売:2021年4月21日

価格:¥2,000(税抜)

 

収録曲

1.スターチス

2.ノスタルジックブルー (feat.bearstape)

3.フロート

4.スカイスカイ

5.アンサー

6.マスタード

7.エチュード *豊田亮平(ユメリアソラ) : 楽曲提供&ヴォーカル

8.ふぶく *田中ヤコブ(家主) : アレンジ&ピアノ

シャンモニカ

 

2018年結成、サヤカ(Gt/Vo)、メイ(Gt)、ノブ(Ba)、テツマル(Dr)による男女混成4人組バンド。吉祥寺、下北沢周辺でライヴ活動を開始するとともに結成同年に1st EP『ひかえめな告白』を発表、翌2019年には「りんご音楽際」のオーディション枠〈RINGO A GO-GO 2019〉にも選出されるなど注目を集めるようになる。2020年には2nd EP『変形』を発表、2021年4月に田中ヤコブ(家主)、豊田亮平(ユメリアソラ)、bearstapeといった多彩なゲストが参加した初のフルアルバム『トゲトゲぽっぷ』をリリース。

 

Twitter:https://twitter.com/syanmonika

Webサイト:https://syanmonika.thebase.in/

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沖縄出身の4人組バンド、aieumが初となるEP『sangatsu』を2024年3月20日にリリース…

INTERVIEW
新たな名曲がベランダを繋ぎとめた。 新作『Spirit』に至る6年間の紆余曲折を辿る

京都で結成されたバンド、ベランダが3rdアルバム『Spirit』を2024年4月17日にリリースした…

COLUMN
【2024年4月】今、東京のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「東京のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」京都、大阪の音楽シーンを追っ…

COLUMN
【2024年4月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シー…

REVIEW
「キテレツで王様になる」SuperBack『Pwave』のキュートなダンディズムに震撼せよ

2017年に結成、京都に現れた異形の二人組ニューウェーブ・ダンスバンドSuperBack。1st ア…