INTERVIEW

つくるひとが二人、はみ出す創作を語る-井戸健人×畠山健嗣 対談

MUSIC 2021.07.28 Written By 峯 大貴

バンド・スーパーノアを2004年より率いながら、2011年のイツキライカ名義から始動したソロ活動も今年10周年を迎え、昨年には本名名義での初アルバム『Song of the Swamp』を発表した、「京都インディーの至宝」井戸健人。

 

一方でFAR FRANCEとしてキャリアをスタート。2011年の休止後は自身のバンドH Mountains、THE RATELに加え、大森靖子、よしむらひらく、小袋成彬などのサポートでもリフ一つ聴けば彼の手によるものとわかってしまうほど、強烈な存在感を示すギタリスト畠山健嗣。

 

2000年代後半ごろからライブハウス・シーンで頭角を現し、京都と東京と拠点は離れながらも断続的に交流を続け、今ではお互いの作品にも参加するなど「気が付けば近くにいた」という関係の二人。

 

この対談の目的はアルバムに引き続いて、ソロ・シングル“あなたが見えない”“lunchbox”“ダイアグラム”を3か月連続でリリースし、かつてないほどのペースで創作に取り組む現在の井戸のモードを捉えること。それに伴って言葉を尽くせば尽くすほど、何か大切なものが零れ落ちてしまいそうになる彼の音楽の複雑な魅力を、同じく形態を変えながらもスタイルは変えず、つかず離れず共に時代を並走してきた畠山との共鳴を持ってすくい上げることだ。

 

本文はインディペンデントな活動を10年以上に渡って続けてきたつくるひと二人の気心知れた雑談のようでいて、その端々にはお互いの信念の馬脚が確かに現れた対話となった。

井戸と畠山の13年にわたる緩やかな関係性

──

二人の関係はいつ頃スタートしたんでしょうか?

畠山健嗣(以下 畠山)

さっき梅田HARDRAINのスケジュールを探して出てきたんですよ。13年前の2008年に対バンしたのが初めてですね。井戸さんはスーパーノア、自分はFAR FRANCEとして。

※2008年3月23日(日)@ 梅田HARDRAIN
FAR FRANCE/獣使い/スーパーノア/AMAMS/gypsy paradox 

井戸健人(以下 井戸)

確かFAR FRANCEはレコ発ツアーで来たんやっけ?

畠山

そうそう。初めての音源『LOVE』(2008年)をリリースする時に、HARDRAINに組んでもらった。当時、東京以外でライブをしたこともなくて初めてのツアーで、大阪はHARDRAINと難波BEARS、京都はUrBANGUILDと回ったんですよ。ほとんどバンドが認知もされていない中で、関西で3本ライブを組んでいて結構無茶していた。

 

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井戸

濃い3つを回ったな(笑)。

畠山

BEARSではステージ上でメンバーがケンカしているような、当時盛り上がっていた関西ゼロ世代系が対バンでびっくりして。でもその次にHARDRAINで出会ったのがすごくいい演奏と歌を聴かせるスーパーノアでしょ?関西のシーンってなんなんだって、よくわかんなかった記憶がある。

──

その時に二人は喋る機会があったんですか?

畠山

赤井(裕)さん(スーパーノア Gt)とは話したけど、井戸さんとは喋ってないと思う。だから交流するようになるのはその後。当時FAR FRANCEがお世話になっていたレーベルcolla discのディレクターが、スーパーノアの1stアルバム『雨の惑星、ステレオの向こう』(2009年)も手掛けるんです。それでレーベルメイトとして一緒にツアーを回ったり、あとは共通の仲がいいバンドにSuiseiNoboAzがいてよく対バンしていた。それが2009~2011年くらいですかね。

井戸

懐かしいなぁ!新宿Motionね。オワリカラ(当時OWARIKARA)もよくいた気がする。

井戸健人、畠山健嗣
畠山

その後自分がH Mountainsになってからもスーパーノアを東京に呼んだり、THE RATELのツアーで京都に行った時も(Live House)nanoで一緒に出てもらったり。あとシンガーソングライターのよしむらひらくとデュオをやっているんですけど、彼のアルバムのマスタリングは井戸さんがやっている。最近も井戸さんの曲に自分が参加したり、H Mountainsの今年出した『ピース・ソング・マウンテン』のマスタリングを井戸さんにお願いしたり。

井戸

だからそこまで頻繁に会うわけではないけど、音楽仲間としてずっと近いところにいる感覚やね。

「一本槍でえい!」畠山健嗣のギタースタイル

──

お互いの音楽についてはどういう印象をお持ちですか?

井戸

H Mountainsはもちろん大好きで、畠山くんのギターはフレーズとピッキングのニュアンスが最高ですよね。1曲の中に膨大な情報量が詰め込まれていたり、シリアスになり過ぎないところも素敵。

畠山

ずっとへらへらした音楽をやってきた(笑)。

井戸

だから小袋成彬さんの後ろで弾いているのを知った時はびっくりした。たしかフジロックの生中継を見てたら「あれ?畠山くんやん!」って。

井戸健人
畠山

自分のキャリアの中でも小袋成彬は相当異色だと思います。

──

畠山さんは自身のバンドH Mountains・THE RATELに加えて小袋さん、よしむらさん、大森靖子バンドのサポートなど多方面で活動していますが、それぞれで自分のスタンスは変わるんですか?

畠山

いや、あまり意識が変わらなくて、一本槍でえい!とやっちゃうタイプ。

井戸

サポートの現場でもバンマスっぽい立ち位置が多くない?アレンジが完全に固まっているものを弾くというより、どれも畠山くんらしいフレーズが入っているように感じる。

畠山

現場によるかな。もちろんすでにギターが入っているデモを渡されることもあるから、メインのフレーズは拾うし、即したギターを弾く。でも「あとは好きにやって」と言われることが多いんですよね。

──

その「好きにやって」の部分に対してどのように向き合っていますか?

畠山

難しいですね……そつなくギターを弾くのが本当に苦手で。性格的にもそうだし、テクニック的にもコード弾きは自分では上手くないと思っている。だからすぐにフレーズを作っちゃったり、歌のメロディやシンセのフレーズに対してハモリをつけたくなってしまうんですよね。だからドヤドヤしがち。それでフィードバックもらって微調整していく感じでやってます。

畠山健嗣
井戸

じゃああんまりこだわりとか意識していることはないんだ?

畠山

自分にはこれしかできないというか。小袋くんの時もギターのアームを多用していたら「今揺らさないで!」とか言われてましたし。みんなうまく自分を導いてくれているなぁと……ってこれなんの説明にもなってないですね(笑)。

井戸

でも曲を聴いたら「これは畠山くんだ!」とわかるのが理解できた気がする。

「うまく」はみ出る方法を探し続けてきた井戸健人の歴史

──

では逆に畠山さんから見た井戸さんの音楽の印象はいかがでしょうか?

畠山

スーパーノアを最初に聴いたのはMy Spaceだったかな?今日ここに来る時に久々に1stアルバムを聴き直してきたんですよ。

井戸

うわ、嫌や~(笑)。もう12年前だし、さすがに今聴くのはちょっと恐い。

畠山

今もやっぱりいいですよ。“渡り鳥”なんか今でも好き。初期はポストロック的なアプローチも結構あったり、変拍子も取り入れながらすごくカラフルなサウンドでした。でもそこにしっかりとした歌が軸にあるのはずっと変わらないんだなと。

スーパーノア “リリー”(2011年)

畠山

そこからイツキライカでの活動とスーパーノアのここ2作(『Time』『素晴らしい時間』)に向かってどんどんナチュラルなニュアンスになっていくんだけど、去年のアルバム『Song of the swamp』から今回のシングル3曲はまた毒々しかったり、アブストラクトな方向に向かっていて、初期とは違った意味での混沌さがあるような気がする。

井戸

確かにやりたいことは複雑に絡まっているけど、だんだん上手に整理できるようになってきたような。

畠山

『Song of the swamp』と、今回は“ダイアグラム”にギターで参加させてもらったんですけど、今の井戸さんの音楽なら自分のギターが入る意味を見出だせるなと思ったんですよね。イツキライカの時はより整理されたポップスでサウンドも澄んだものを狙っている気がしたけど、ちょっとまた踏み外してきている。

井戸

イツキライカの時はざっくり言うと、しっかりポップスをやろうと思っていたかな。でも既存のフォーマットからはみ出たい気持ちは常にあって、1曲に二つ以上の要素やテーマを入れたいんですよね。

畠山

はみ出す感じは出会った当初から思ってた。00年代後半のインディーシーンは割とぐちゃっとしたポストパンクやマスロックとか、関西だとミドリやオシリペンペンズに影響を受けたゼロ世代みたいな、なんとなく大きな方向性が周りのバンドにはあったけど、スーパーノアはポストロックから早々に変わっていった印象。

井戸

うまくはみ出る方法を探し続けてきた歴史って感じ(笑)。

畠山

その「うまく」ってところが井戸さんらしいですよ。

井戸

でも一方で洗練された音楽をやりたい気持ちもあって、片足は常にポップ・ミュージックに入れていたい。自分の技術や性格、バックグラウンドからかけ離れたような音楽はできないから、思い切りぶっ飛んだことはできないんですよね。畠山くんは両足はみ出していい人だと思うけど(笑)。

今の井戸の自己に向き合った新曲たち

──

はみ出たいけど、はみ出せないという相反した気持ちの交じり合いは確かに井戸さんの音楽に共通して感じますね。昨年のアルバムを経て、今回のシングルを3作はどういう経緯で制作されましたか?

井戸

あまり深い動機ではないんですが、今回は出来た曲から配信で出していこう。まずは3曲、というくらいで。

──

それは『Song of the swamp』で反省があったんですか?

井戸

ありますね。結果出来上がるまでに2年半かかってしまって。主な原因は出来たと思っても聴き直すともう一度やりたいところが出てくるんですよ。もちろんそれはいいことでもあるんですけど、振り返ったら最初の頃のミックスもすごく良くって。今回はもう出していこうと。

 

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畠山

井戸さんは確かにギリギリまで詰めていそう。ミックス・マスタリングも自分でやっているからよりかかるんじゃないですか?

井戸

それがすごく大きい。ソロは全てDAW(Digital Audio Workstation)で作っているんですけどと、アンドゥ(元に戻す)/リドゥ(やり直し)がすぐ出来ちゃうし、ミックスしている最中にアレンジの工程に戻ることも多くて際限がない。

──

畠山さんは今回の3曲を聴いてどのような印象を持ちました?

畠山

“lunchbox”は料理をテーマにしていたり、3曲ともこれまでよりも井戸さんの生活を感じた。ちょっと内省的というか。

井戸

歌詞を書いているとテーマが壮大になりがちなので、今回はなるべく自分が思っていることをさらっと書くように気を付けた。“lunchbox”はお家で料理を作っている人について。家にいる時間が長くなったし、自分のためでも家族のためでも、作るのが楽しい時もあれば、作りたくないときでも作らないといけないじゃないですか。すごく尊いことだよなぁということを書いています。

 

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畠山

それは井戸さんは普段の生活の中で感じたことをそのまま出したということ?

井戸

そのままではないけど自分の考えや人間性は出ていると思う。“あなたが見えない”の「あなた」も特定の政治家を指しているんですよ。プロテスト・ソングみたいな側面もあって。現状、良い働きをしているとは言い難い政治家たちも、子どもの頃があって、自宅には家族がいて、色々な出来事を経て今こういう振る舞いをしているってどういうことなのだろう?と。国民のことが全然見えていないと感じるんだけど、自分にも向こうの世界が全然わからない……。と、色々考えて2~3つのメッセージが重なってる状態ですね。

 

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畠山

そういう背景があったんだ。確かに悲壮感と日常感が隔たりながら同居している感じはしていて。色んなレイヤーが重なって結果として不明瞭になっている音楽という感じで好きですけどね。

井戸

いつも聴く人に委ねているけど、自分でも折り合いがついていない状態で完成している感覚はある。

──

人間性を出したいと仰っていましたが、“あなたが見えない”も“lunchbox”も今感じていることの先にはすごく世相が反映されていますよね。もちろんコロナによるドラスティックな変化ゆえかもしれませんが、時代に向き合った音楽を作ろうという意識はありますか?

井戸

いつも迷うんですよね。以前は想像とかファンタジーの方が音楽のニュアンスが伝わりやすいかなと思っていました。でも今回はもっとシンガー・ソングライターっぽいものというか、今感じていることを出したいと思ったんですよね。

──

そう考えが変わったのはなぜでしょう?

井戸

なんでやろうなぁ。単純に想像上のストーリーを書いている場合ではない気がして、自己の考えに向き合うような表現に向かったんでしょうね。村上春樹的に言うと「地下に降りていく」みたいな。

畠山

まさに井戸の底に降りる(笑)。

『ピース・ソング・マウンテン』はH Mountainsが今できることを反映させた作品

井戸

その表現めちゃめちゃいいね(笑)。畠山くんもH Mountainsで歌詞を書いているけど、普段どうやって書いてる?

畠山

自分は全曲同じことを書いているつもり。満足していないし、安心出来ない日常がずっと続いていることが前提で、それでも楽しみがないと生きていけないじゃないですか。それを希望とは言いたくないですけど、自分なりに唾を吐いたりしながらケッって言いながら楽しみを見つけるようにバーッて書いています。だから井戸さんほど考えていないし理路整然としてないですよ。

──

H Mountainにおける歌は音の一部というか、メッセージよりエモーションを伝える役割という感覚がします。

畠山

そうですね。歌詞を重要視していないというわけでもないんですけど、殴り書きくらいにしておきたいという気持ちはあるかも。歌詞で曲の世界観を制限したくないというか。

井戸

なるほど。自分は今回の『ピース・ソング・マウンテン』に入っている“元旦”はアリトくん*へのエールもあるのかなと勝手に思ってたけど。

*ヤノアリト:ドラマー。H Mountainsを今年卒業。

畠山

それは全くない(笑)。

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──

『ピース・ソング・マウンテン』にもケッという吐き出し方の種類が今までと違ってちょっと内向きな印象を受けました。

畠山

あれはやっぱりコロナでライブも出来なくなって、小さい子どもや家族がいるメンバーも多いからスタジオに入るのも控えていた状況で。だからデータのやり取りだけで作った初めての宅録作品なんです。スタジオに入ったのは生ドラムをレコーディングする時くらい。

井戸

一昨年くらいにDAWを始めようと思っているって言ってたよね?

畠山

そうそう。最初は何もわからなくて。“オーディオインターフェース 音出ない”でGoogle検索して、「やっと音出ました!」みたいな感じでのんびりいじってた。でもコロナ禍になって、機材も知識もないけど本腰入れてやるしかないなと。だから今回はそんな投げやりな感じを出すのがコンセプト。安かろう悪かろうの音から生まれるアイデアの魂で、“キャット”なんてiPhoneのイヤホンでミックスしていた(笑)。あと今までライブを前提に曲を作っていたのでドラムの盛り上げポイントとか、音が薄いところにハモリをいれがちだったんです。でも初めてここは盛り下がろうとかライブを無視した考えで作りました。

生っぽいけど生じゃないサウンド。ドラムンベースだけどそこで終わらない“ダイアグラム”

畠山

今回の3曲はサウンド面ではどういうイメージがあった?

井戸

ソロは最新のテクノロジーに引っ張られて自分からどういうアイデアが出るのかが楽しくてやっている面がありますね。最近のDAWのソフトウェアや個別のプリセットがすごく豊富で、その中から良いなと思う音を探してサウンドを固めていきました。特に“lunchbox”は冒頭に入っているシンセのプリセットを見つけて、一気に完成に向かっていった感じ。

畠山

あのシンセは印象的なエフェクトだけど、Prophet辺りのアナログ感があるよね。

井戸

あれはMOOGをベースにしたModel 72ってやつ。実際はアナログシンセとプラグインを重ねている。

*Prophet、MOOG、Model72:いずれもシンセサイザーのブランドおよび製品名

畠山

3曲とも音色は生っぽいけど、なぜか生演奏っぽくない独特な感じがする。10年前の技術では出来なかったサウンドというか。

井戸

まさにそういうのを狙った。生っぽいものを、生じゃないようにやると変な響きになったのが面白くて。

──

ここにも井戸さんの相反した印象を同居させるアイデアが感じられます。一方畠山さんが参加された“ダイアグラム”は、ギターを弾くにあたってどういう印象を持ちましたか?

畠山

その生っぽさと生っぽくない感じもあるし、シンセベースのフレーズはドラムンベースに聴こえました。90年代後半~00年代初頭の感じ。

井戸

そうそう。嬉しい、伝わってた!イメージはドラムンベース。

畠山

でもここにどういうギターを入れればいいのか全然見えなくて、作業1日目は何も出来なかった。でも自分に頼むということはこの曲に合ったフレーズというよりは、ちょっと汚すくらいの方がいいかなと思って、最終的には何も考えず弾いたものを井戸さんに戻しました。

井戸

イントロ聴いた瞬間に「よかったーありがとー!」って思った。あのまま一人で仕上げていたら単純にドラムンベースっぽい曲になってた気がする。やっぱりここにも元のアイデアを覆すような要素を入れたくって。畠山くんのギターでうまくオルタナティブな方向に持って行けたなと。

 

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スーパーノアもソロも続ける、井戸の創作の行方

──

お話聴いてて、二人がステージに立って一緒に演奏しているところが観たくなりましたよ。

畠山

ステージでの共演は今までないか。2019年によしむらひらくバンドとスーパーノアのツーマンを下北沢ERAでやったときにアンコールで全員ステージに呼び込んで1曲やったことはあるけど、その時ギターを弾いていたのは西田修大(中村佳穂BANDなど / ex吉田ヨウヘイgroup)で、自分はビール飲んでただけだった気がするし。井戸健人バンドはやらないの?

井戸

う~ん、ソロは出来上がった音源がゴールでライブを想定してないんですよね。逆にスーパーノアは音源よりもライブが一番のアウトプットだから、曲の一番輝く瞬間がライブであることを想定して作っている。

畠山

ライブに向かうモチベーションはスーパーノアに全振りしてるのか。

井戸

そうやね。ライブはもちろん好きやけど、逆にライブだけではあかんなという気持ちもあってソロの録音物を作っている感じ。

畠山

自分の作る音楽がライブに捉われるということ?

井戸

それもあるね。

──

自分のアウトプットや創作の姿勢を考えて、バンドやソロも続けているのだと思うのですが、その意欲は今どこに向かっているのでしょう?

畠山

もっとたくさんの人に聴いてもらいたいとか?

井戸

むしろそこは一番の目標にしないことを最近意識していて。今ストリーミングサービスで曲ごとに再生回数がはっきり出るじゃないですか。自分も見ちゃうんですけど、いい面も悪い面もあるなと。

──

ディストリビューターを通せば誰でもリリース出来るようになった反面、インディペンデントな活動でも常に結果が数字で突き付けられるところはありますね。

井戸

再生数を無視することもないけど、他の作品と比べ過ぎると、創作に影響してしまいそうだなと。だから自分自身と向き合って曲を作ったり、そのための環境を作ることに今興味があるのかも。もっと自分が納得できる音楽を作れるかもしれないというのが音楽を作る原動力なので、シンプルに曲が出来上がって、その世界が広がっていく瞬間が一番好きだし、そこをずっと大事にしたいんですよね。

写真:ムラカミダイスケ

あなたがみえない

 

アーティスト:井戸健人

仕様:デジタル

発売:2021年5月19日

配信・ダウンロードリンク:https://friendship.lnk.to/withoutyou

 

lunchbox

 

アーティスト:井戸健人

仕様:デジタル

発売:2021年6月23日

配信・ダウンロードリンク:https://friendship.lnk.to/lunchbox

 

ダイアグラム

 

アーティスト:井戸健人

仕様:デジタル

発売:2021年7月28日

配信・ダウンロードリンク:https://friendship.lnk.to/diagram

 

井戸健人Twitter:https://twitter.com/kent_ido

畠山健嗣Twitter:https://twitter.com/Hatakeyama_kj

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台湾インディーバンド3組に聞く、オリジナリティの育み方『浮現祭 Emerge Fest 2024』レポート(後編)

2019年から台湾・台中市で開催され、今年5回目を迎えた『浮現祭 Emerge Fest』。本稿では…

REPORT
観音廟の真向かいで最先端のジャズを。音楽と台中の生活が肩を寄せ合う『浮現祭 Emerge Fest 2024』レポート(前編)

2019年から台湾・台中市で開催され、今年5回目を迎えた『浮現祭 Emerge Fest』。イベント…

INTERVIEW
2024年台湾音楽シーンを揺らす、ローカルフェスとその原動力―『浮現祭 Emerge Fest』主催者・老諾さんインタビュー

2024年2月24,25日の土日に、台中〈清水鰲峰山運動公園〉で音楽フェス『浮現祭 Emerge F…

COLUMN
【2024年3月】今、大阪のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「大阪のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シーンを追…