COLUMN

【2024年7月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

MUSIC 2024.07.21 Written By 森脇透青

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」

「かっこいいバンドはいるの?」

 

「今」の京都の音楽シーンを追う、この連載!今月も今聴いておきたい注目のアーティストを紹介していただきます。

 

紹介者は以下の方々です。(五十音順)

  • 京都GROWLY 店長:安齋智輝
  • livehouse nano 店長:土龍

京都GROWLY 店長:安齋智輝の注目アーティスト

ToHSeNBou

京都の4人組バンド、トーセンボウ。

おそろしく滾るマグマが今にも吹き出しそうなパッションあふれる佇まいと音。
しかしさらに地下にはもっと青い炎のような小さくも力強く燃える何かを持っている、そんな大地の畏怖すら感じさせる若手バンドです。

 

ガレージ、パンク、ロックンロール。
無駄のないでかい音と攻撃力を武器に疾走する正拳のかっこよさはもちろんのこと、日々のフラストレーションや苛立ちを挑発的に、または祈るように歌いあげる様は多角的で、フックの効いた歴戦のファイターのような風格を感じる。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT無き今、久しぶりに五感で浴びたくなる直線的サウンドに出会えた気がします。

 

「初期衝動」が暴走中。このバンド、計り知れぬ。
爆発したときにどれだけのものに引火するか見てみたいものです。

【LIVE】 B.B / ToHSeNBou

X(旧Twitter)

@tohsenbou

“mudstone”

日時

2024年7月28日(日)

open 18:00 / start 18:30

会場

京都GROWLY

出演

ToHSeNBou / LOVIN’ THE BUNK / OLIVES / The Syphons / トキワディー

料金

¥2,200(+1drink)

※高校生以下無料(1drink代のみ)

安齋智輝

京都GROWLYの店長です。

元和菓子職人です。

お菓子も音楽も手間暇と愛が必要、がモットーです。

livehouse nano 店長:土龍の注目アーティスト

ゴリラ祭ーズ

いや、名前よ笑
滋賀県発のギター、鍵盤ハーモニカ、リコーダーの3人組。必要に応じてリズム隊を加えたバンドセットでも。

あるラジオのディレクターから「最近推しです」と紹介されたとこから始まり、まあ、この名前で得た印象から音楽的というよりもキャッチ―であることを優先するのかなと勝手に判断して、ライブハウスに限らず場所を選ばずより市民権を得ようとする「かっこいいバンド」というよりは「楽しい集まり」と思ってしまっていた。

 

程なくして「nanoに出るべきだと各所から伝えられるので」と出演希望の連絡があり、それ受けて5月に初出演。

いやはや、まいった。名前で判断したらいかんね。めちゃバンド、めちゃライブハウスが似合う。曲を構成する音そのものは確かにキャッチーで馴染みやすい。子供の頃から慣れ親しんできた音だ。が。曲のアレンジメントにおけるフレーズの絡み合いは決して100%ポップとは言い切ることのできないフックの効き具合、そして歌のあるナンバー(インストも多い)になればそのヴォーカルのキーの低さがヴィンテージな渋さを煽る。パフォーマンスにおいても謎の寸劇を交え一つの「舞台」を見せられている感覚。

そう、これは知っているぞ。この音楽的な素養による戦闘力の高さと笑えてきさえするパーティー感、知っているぞ。何処かファニーな存在感にその音楽と演奏が裏付ける説得力があるこのタイプ、知っているぞ。
カクバリズムだ。サケロックだ。ceroだ。片想いだ。思い出野郎Aチームだ。ユアソンだ。二階堂和美だ。好きすぎるやつだ。

 

日々のブルース、レベルミュージックとしての社会へのアンサーやニヒリズム、刹那の笑いとその儚さ…などなどなんて感情のレンジの広いバンドなんだ。

結成こそ2010年代後半だが、シーンに現れ始めたのはここ数年の話。本当にこの先の立ち居振る舞いが楽しみなバンドだ。ゴリラ祭ーズ。

 

って、いや、名前よ笑

ゴリラ祭ーズ - 日記[Official Video]

X(旧Twitter)

@gori_matsu_3

『Radio on the Beach』

日時

2024年8月8日 (木)

open 18:30 / start 19:00

会場

livehouse nano

出演

KENT VALLEY with 吉居大輝(幽体コミュニケーションズ) / ティティ / いちやなぎ / ゴリラ祭ーズ

配信URL(投げ銭配信)

https://www.youtube.com/c/livehousenanosince2004

料金

前売り ¥2,500 / 当日 ¥3,000(共に+1drink¥500)

投げ銭リンク

土龍

1976年京都府生まれ。
二条城の東側にある全国でも稀に見る小ささのライブハウス、livehouse nanoの店長兼音響兼照明兼制作兼雑用。毎年秋には仲間と共にロックフェスティバル「ボロフェスタ」を主催。派手好きの単純思考のパリピの一種。

livehouse nanoではドネーショングッズをオンラインストアにて販売中。新グッズも日々入荷中!

https://livehouse.thebase.in/

Youtubeチャンネルでは無観客ライブも日々開催しています。ぜひチャンネル登録を!

https://www.youtube.com/channel/UCV904VJscUg3jr9guSXf_-w

WRITER

RECENT POST

COLUMN
【2024年8月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2024年6月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
「すでにそこにある」不気味さ—立花光による空間展示『壁抜け』【見て跳ぶための芸術 Vol.1】
COLUMN
【2024年5月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REVIEW
「キテレツで王様になる」SuperBack『Pwave』のキュートなダンディズムに震撼せよ

LATEST POSTS

REPORT
地域のライブハウス、フェスはどうやって生き残る?アジア各国での取り組みーTRENDY TAIPEIパネルディスカッション

2024年9月9日(日)、台北ミュージックセンターで開催された東・東南アジアのイノベーション×音楽の…

REPORT
台北都市型フェス“Jam Jam Asia”はアジア音楽の“今”を見るショーケース―TRENDY TAIPEI 2024前編

2024年9月8日(土)、9日(日)に都市型音楽イベント『JAM JAM ASIA』が台北ミュージッ…

REVIEW
今度のコンセプトは教祖!?音楽だけに収まりきらないロックンロール・クリエイティビティーゆうやけしはす『ロックンロール教団』

ロックンロールに依存し、ロックンロールに魂を売り、ロックンロールに開眼する。彼の活動を追っていると、…

COLUMN
【2024年9月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シー…

COLUMN
【2024年9月】今、大阪のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「大阪のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シーンを追…