INTERVIEW

生きている日が歌になる – ダイバーキリン『その美しさに涙が出る』インタビュー

MUSIC 2020.06.24 Written By 峯 大貴

大阪のバンド、ダイバーキリンの音楽に触れることは必然的にメンバー3人、特にソングライターである山中ジョンジョン尚之(Vo / Gt)の生活に首を突っ込むことになってしまう。日常の中で彼の心の琴線に触れたことや、その時の精神状態を率直に曲にしていくスタイルそれ自身は物珍しいものではない。しかし卑近で、あけすけで、時折憂鬱のドツボにハマってしまう面倒くささ含めて、居酒屋での駄話に心地よく付き合わされる友達みたいな感覚が彼らの楽曲には常に宿っている。そんなオープンマインドで、インタラクティブに繋がりを求める精神は山中とやんぬ(Dr)が大阪・淡路でcafe,bar & music アトリという場所を必死こきながら切り盛りしていることとも完全に一致しているだろう。

 

新メンバーまりい(Ba)を迎え、bandcampでリリースされた1年ぶりの新作『その美しさに涙が出る』は初めてのフルアルバムとなった。これだけで今まで以上に様々な刺激を受け、次々と曲を作り上げていく前傾姿勢で駆け抜けたことがわかるだろう。またサウンドとしてはPavement(ペイヴメント)やYO LA TENGO(ヨ・ラ・テンゴ)といったローファイでオルタナティブなサウンドや、サニーデイ・サービスやくるりのような美しいメロディラインを持つ日本のバンドたちを起点にしている点はこれまでと変わらない。ただ本作においてはキャッチーにメロディを聴かせることよりも、アンサンブルや構成を重層的に編むことに重心を置かれており、ドロドロ・ザラザラとした音像の質感も伴って、人間3人が蠢く姿が生々しくおさめられている。

 

その上で彼らの生活に目をやると、長期間のライブ・ツアーに始まり、やんぬが結婚、その後を追うように山中も結婚、そしてこのリリースを持ってまりいが脱退……と過剰に溢れているトピックス。それらのエモーションが全てそのまま音楽になっているのだ。目まぐるしく変化したダイバーキリンの1年間そのものである本作について、その過程を文章としても記録すべく、山中・やんぬに1年ぶりのインタビューを行った。

まりい加入による、ダイバーキリン新章

──

前作『忘れてしまうようなこと』を2019年3月にリリースされた以降は、めぐさん(草別愛美/ 前任Ba)の脱退、まりいさん(Ba)の加入が、まず大きな変化だったと思いますが。

やんぬ

そうですね。本当に2019年はバキバキに走りまくっていた感じ。

山中ジョンジョン尚之(以下 山中)

まず『忘れてしまうようなこと』のレコーディングが終わった2018年11月にめぐの活動休止が決まりました。そこから俺とやんぬは作品の発売日、リリース・ツアーの場所と日程、各地の対バンをどうするか、年間のスケジュールをだだっと立てて。とにかく自分たちを追い込んで、止まれない状況を作ることから始めました。

ダイバーキリン(左から山中ジョンジョン尚之、やんぬ)
──

追い込まなければいけない状況だったのはなぜ?

山中

メンバーが欠けた状況をただ受け入れるだけではモチベーションが下がって、頑張って作った音源が出しっぱなしになると思った。だから全国各地を長いスパンで回るという目標を作って、とにかく遂行しようとしました。2019年1月からは早速まりいとスタジオに入って新しい曲作りも始めて。

やんぬ

今回のツアーは今までで一番色んなところに行ったな。

山中

約5か月かけて9か所を周るツアーだったから、その期間ずっと日常と非日常が入り乱れている感じ。でも行く土地では色んなところを見て回って、インプットもしていたし新しい曲もたくさん出来た。また忙しいスケジュールを年間で組んだから、その間にある普段の生活が貴重に思えてきて。休みの日に自分が何をするかをよく考えるようにもなりましたし。

──

まりいさんが入ってバンドはどう変わりました?

山中

ソングライターとしての視点でいうと、めぐは歌に寄り添うベーシストだったから、自分のリフやプレイが目立つことをあまり好まない人やった。その点、まりいはオラオラと前に出ていくことも出来る人。だったらベースのフレーズにドラムとギターと歌が乗っかるスタイルだったり、ベースとギターでもっと駆け引きが出来るようになったり、出来ることの幅が広がったと思います。ギターで鳴らそうと思っていた音が「ベースに置き換えてみてもいいやん。どっちがいいやろ?」みたいな。

──

確かにスリーピースだから余計にベースの存在感は大きいし、自分は昨年6月の吉祥寺シルバーエレファントで新編成のライブを見ましたが、バンドの骨格から変わった様子を感じていましたね。

山中

その結果、リズムもアンサンブルもフレーズも今までより複雑になって、全体的に勢いでバーン!とでかい音を鳴らすだけでは乗り切れないものになってきた。製作段階はもうプラモデルを作っているような気持ちで。

やんぬ

3人とも必死でキリキリした雰囲気も含めて制作は楽しかった。私にとってはサウンドが変わったのもあるけど、メンバーのバランスとして私は後から加入した身やし、めぐさんは年上やったから末っ子気分で。でもまりいちゃんはバンド活動をがっつりやるのも初めてやし、気を引き締めないとって思いました。

──

まりいさんが加入して出来ることが増えた中で、エモーショナルに勢いをぶつけるよりも、より複雑なアンサンブルをとる方向になったのはどういう理由?

山中

メンバーが替わったのに前の体制と音楽のスタイルが変わらないというのは避けたくて。曲を作っているのは俺やけど、自分の曲を演奏するバンドがやりたいのではなくて、3人の違う人間が集まって合議制をとりながら音楽を作りたい。それでバンドに対して右も左もわからないまりいに、思いついた曲やアイデアを投げて「楽しそう!それやろう!」と反応があった方向を選んでいったら、自然とこうなったというのも大きいですね。

──

意識的な要因、無意識的な要因どちらもあると。

山中

『海でもいい』(2017年)から『忘れてしまうようなこと』を出すまでの間に、メンバー3人ともそれぞれの悩みで落ち込んで、集まっても空気が灰色の時期があって。あの頃にはもう戻りたくないというのもある(笑)。人が替わると場の空気も変わるし、いい意味での緊張感がプラスに働いた。無理やりにでも曲を作って、いらないことを考える隙を与えないようにしました。

 

より重層的なサウンドへ、新作『その美しさに涙が出る』

──

まりいさんと最初に作った曲は?

山中

M2“テーマ”かな。前作に引き続き豊島シリーズの曲です。

──

前回のインタビューでも度々話に上がっていた、山中さんが何度も訪れている瀬戸内海に浮かぶアートの島ですね。

山中

豊島にいる友達と喋っていて、「茨木のり子さんの『みずうみ』という詩がかっこええねん」と教えてもらったんですよ。この詩に出てくる湖はそれぞれの人の心にある他者には触れることができない奥底として扱われていて、初めて読んだ時「めっちゃええわ~!」とすごく感動した。また以前から自分の歌詞のテーマとして「花鳥風月」を取り上げたいと思っていたんです。きれいで美しい自然の風景だけど、絶対的に届くことがない領域がある奥行きがあるものとして自分は捉えていて。

──

どちらも古くからの不偏の概念、存在だからこその奥行きがあるから、それぞれの想いや物語を乗せることが出来ますもんね。

山中

そうそう。そういう底の知れないものに対して考えを巡らせているのがものすごく好き。この『みずうみ』とか「花鳥風月」にインスピレーションを得て歌詞に盛り込んだんですが、もはやこれは自分の曲を作るテーマそのものだと気付いてタイトルにしてしまいました。しかもこの3人で作る一発目の曲だから方針表明としてもしっくりくるなと。

──

去年のインタビューではどんどん歌詞が長くなっていっていると仰っていましたが、この曲の歌詞は端的ですね、まさにテーマ。

山中

「月」とか「湖」に対して言葉を尽くすのは陳腐やし、それこそ届くことが出来ない領域なので、自分なりに解釈したテーマを提示できればこの曲はそれでOKと思っていて。

やんぬ

ダイバーキリンの中ではドンガラガッシャンと出来る曲やと思う。

──

確かに。「花鳥風月」のテーマも含めて“風がさわぐ”(2015年)にも通じる雰囲気も感じた。

やんぬ

でも前までは歌が中心にある中で、ドンガラガッシャンとしたバンド・サウンドがある感じやったけど、まりいちゃんのゴリゴリしたベースに引っ張られてドンガラガッシャンとするための曲になった気がする。だからライブでやっていてすごく楽しい。

山中

リズムやアウトロは「もしもthe seadaysがダイバーキリンの“うみべの街”(2017年)を演奏したら~」みたいな雰囲気があるとちょっと思っている(笑)。

──

その例え、すごくわかりやすい(笑)。1曲目の“つばめのあの子”もどちらかといえば、これまでのダイバーキリンと地続きなものを感じました。歌ものバンドとしての良心が詰まっている。

山中

曲自体はかなり前から温めていたものだから、その通りですね。歌詞のテーマにはあまり重きを置いていなくて、3人でどういう曲が作れるのかをジャムセッション的にその場でくみ上げていった。

やんぬ

まりいちゃんのベースの個性が強く出た、この3人だから出来た手ごたえがすごくある。

──

不穏なベースリフからアルバムの幕が開くのも不思議な印象。

山中

1曲目として一番「え?どないしたん?」と思わせる導入はこの曲だろうと(笑)。

──

ここから“テーマ”を経て、M3の“そら耳”からグッと歌の物語が一段深くなっていく心地がして。

山中

これは今回の作品では珍しい実体験から生まれた曲。奈良のNEVER LANDに弾き語りでライブに出演した時に、全然お客さんもいないくて、自分の仕上がりも正直あんまりよくなかった。当時始めたてのバイトが上手くいっていなかったことも重なって、もやもやしながら終演後までお酒飲んでいたら、もう大阪には帰れる時間じゃなくなってしまって。だから当時ふっきー(※永尾蕗子)が住んでいた西院に向かって電車で帰っている時に、一気に書いた曲。詞にファミレスが出てくるけど、実際に西院に着いて夜中にサイゼリアに行った時のことでもあるし、大好きなand Young…“レストラン”へのリスペクトでもある。

※永尾蕗子:シンガーソングライター。昨年、山中と結婚。

やんぬ

まりいちゃんのコーラスが印象的。

山中

入り乱れたコーラス・ワークというか、女声のコーラスがいつの間にかメイン・ボーカルみたいに聴こえてくるのが好きで、その状態を目指した。

──

これまでの曲で言えば“手帳”、“カシオペア”もこのアプローチでしたよね。ダイバーキリンらしさを感じる部分だと思います。コーラス・ワークとしての理想とかこだわりはあります?

山中

やっぱりくるりかな。主旋律は岸田(繁)さんなのに、音階的にはコーラスに重心があったり、ハーモニーとしては佐藤(征史)さんのベースがコードのルート音にいるのではなく、ギターの音のハモリを鳴らしているところにグッとくる。スリーピースバンドをやっている身として音数は少ないけど重層的に聴こえるようなやり方にはすごく惹かれますね。あと三声のコーラスではやっぱりGREAT3とかYO LA TENGOが大好き。

──

一方曲が複雑になったと先ほど仰っていましたが、それはM4“なんにもない”に一番感じましたね。

やんぬ

これはリズムパターンがどんどん変わっていくから「変な曲来た!」と思ったなぁ。どうリズムを刻めばいいか、最初3人で合わせるときにすごく緊張感をもって挑んでいた気がする。

山中

パワーのある音をドンと出す曲なのに演奏するときに気を付けるポイントが多すぎる。元々自分が弾き語りでやっていた曲だけど、バンドに持っていったらダラっとなって全く面白みがなくなってしまった。だから「thanみたいにしたらどや!」とやってみて、彼らの“40W”みたいなイメージに変貌しました(笑)。

──

繊細にメリハリをつけながら、迫力を出していく感じがすごくわかる。

山中

イントロがなくて、3カウントで全員の音が一発目に入る曲は初めて。あと、まりいとやんぬがメイン・ボーカルをとる曲も作るようになった結果、相対的に俺のキーは落ちてしまう。だから今回の10曲の中では珍しく俺がずっと声を張り上げている曲です。リズムも複雑で奇数拍と偶数拍が混ざるBメロでは、同じ拍で進んでいるメロディでも表裏が替わっていて、逆算してギターのカッティングも表裏反転してストロークしたり、とにかく頭がいる。

──

その次のM5“言わない”との否定形2連発の流れも痛快ですね。

山中

これは周りにいるミュージシャンへのリスペクトでありアンサーソングですね。3分で終わるショートチューンなのは、ゆ~すほすてるへのリスペクト。あとテーマはモテギスミスの“ふん”を借りたものです。この曲、サビを言わずに“ふんふんふん”と歌ってあっという間に終わってしまう。「言わへんのかい!最高~!」と思ったけど、この「言わへんのかい」を創作意欲にして、1曲作ってしまっていいんじゃないかという発想ですね。だから2番のAメロでは全く歌わないワンセクションを作った。

 

こんなに好きな曲なのに聴けないなら、俺らがやったる!

──

アコースティックでインタールード的に入ってくるM6“アルファ”と最後を飾るフルバージョンのM10“α”は、初めてやんぬさんがメイン・ボーカルをとっています。

山中

これは今ガラス作家として活躍している、ゆがみというユニットのワタナベサラが作った曲のカバーなんです。1年前の3月にアトリで彼女にライブをしてもらった時に、俺がこの曲をリクエストして歌ってもらったら、その後「この曲あげる」と言われた経緯がまずありまして。コードを2つしか使っていないのに、こんな豊かな曲があるというのを見せたくて今回入れることにしました。

やんぬ

ゆがみはウクレレボーカルとベースの二人で演奏していた。

山中

そうそう。だから6曲目の“アルファ”は原曲のアレンジに忠実で。俺は初めてレコーディングで使ったガットギター。まりいがベース、やんぬがボーカルで一発録音しました。ギターはふっきーから借りた。それも彼女のメインで使っているわけではなく、尼崎toraでのライブの時に近くのリサイクルショップで買ったものらしくて。今回レコーディングしたのも尼崎だったから巡り合わせを感じましたね。

──

一方最後に収録されているものはバンド・アレンジですね。

山中

去年nihon alpsと周った岡山と広島のツアーでの時にAmerican Football(アメリカン・フットボール)とかUSエモから一時期離れなくなって、取り入れてみようというのがとっかかり。着地は随分不穏な仕上がりになったけど。

──

そもそもカバー曲がダイバーキリンのアルバム作品に入るのはどういう意図?

山中

ダイバーキリンとしてカバーをするのは3回目で。1回目は去年3月に参加したブギーパンツのトリビュート・アルバムに提供した“君と僕”。2回目はSABOTEN MUSICから出た色んなバンドが曲をシャッフルしてカバーし合う企画アルバムでやったmama fu-fuhの“マッシュルーム”。他の人の曲をやることがすごく楽しかったから、次にカバーするなら何をやりたいか妄想していて。

 

自分が大好きなミュージシャンの中には本当にマイペースな活動でライブも不定期、中には音楽をやめてしまった人たちもたくさん周りにいる。しかも音源として残していないものも多いから、そんな人たちの曲を自分たちが窓口になって発表するのは楽しいなと。「こんなに好きな曲なのに聴けないなら、俺らがやったる!」という気持ちですね。

──

ある種、関西でバンドを続けているものとして、彼らの音楽を残す使命感みたいなものでしょうか?

山中

使命感というほどのものはないですが。でもサラちゃんも最近あんまり音楽やっていないけど、カバーしたこと喜んでくれたし。またこういう形でゆがみが思い出せるのはいいですよね。

──

最初に聴いた時はやんぬさんが書いた曲かと思ったんですよ。昨年結婚された中で“アルファ”の最後は“そして月日は流れ 来月結婚する”と歌う、生々しい赤裸々さとか。

山中

この部分、原曲ではCメロで、まだ後にサビがくる構成なんですよ。そのサビで終わる構成が、自分のアレンジ上しっくりこなくて、やんぬが一人で歌うこのパートと入れ替えたらいい流れで着地しました。そしたら結果的に、去年結婚したやんぬが歌の中でそれを発表してアルバムが終わるというドラマチックな展開になった。

──

この展開は意図してなかったんですね。でもここで歌われている結婚宣言は幸せ一色ではないじゃないですか。どこか寂し気で。

山中

仰る通り。元々の歌詞は、それなりに楽しくやってるよというくらいでしたけど、今回ベースが不穏なアレンジになったからさらに鬱屈した雰囲気を漂わせている。

やんぬ、山中それぞれの結婚がもたらしたこと

──

二人とも去年それぞれ結婚された中で、本作のラストを飾るM9“その美しさに涙が出る”には山中さん、M10“α”にはやんぬさん、それぞれの目線での結婚を歌っている気がしたんですよ。

山中

それは第三者が聴いた意見として面白いなぁ!でも“その美しさに涙が出る”はやんぬが結婚したことに宛てて書いた曲。ただ「結婚おめでとう」という気持ちではなく、風景描写としては去年の6月にツアーで長野・松本に行った時のことがメインですね。

やんぬ

この時なぎさライフサイト(スーパー銭湯併設の商業施設)の駐車場で、ジョンジョンに「結婚の保証人になってほしい」と言った時のことを思い出すわ。

──

直接的な表現を避けて、あからさまなエールにならないのはこれまでの山中さんの作風とも類していますが、いつになく率直な感情は滲んでいるなと思いましたよ。

山中

それは多分俺なりに、メンバーの結婚に宛てた曲としてつまらないものは作れないプレッシャーがあったんやと思います。恥ずかしがってる場合じゃないぞって。

──

ただの「結婚おめでとう」ではないというのは、どういう気持ちを曲にしたかった?

山中

俺もふっきーと一緒に住むのが日常になったけど、やんぬが結婚したタイミングで、改めて自分の家に人間がもう一人いる状況って当たり前のようで当たり前じゃないなと思って。他人と一緒に住んで家族になること、日本の法律上における結婚したらどちらか苗字が変わるやばいシステム。一人暮らししていた時から考えると、非日常ですごいことやと感じる。そりゃ結婚式で新婦の父親は泣いてしまうわと。当たり前に受け入れているけど、実はこんなにエモーショナルな出来事がメンバーに起きたのだから、曲にしておきたかった。

──

非日常を日常として自然に受け入れていく過程の中で、ふと立ち止まった時に表れる感動を救い上げる感じ?

やんぬ

私も入籍前から同棲していたし、職場でも名前は変わらないから、めでたいという実感が自分にあんまりなくて。でも周りの人たちがたくさん祝ってくれて、すごいことなんだなぁとちょっとずつ実感していった。結婚したから幸せというわけではないという、微妙な感情のバランスを取ったような曲やと思った。

山中

結婚したから生活が劇的に変わることもない。生きていたらしんどいことばっかり。壁の薄いマンションに住みながら、この状況の中で今月の店の収入に悩みながら。それでもなんとか日々を送れているから、幸せと言われたらそうかもしれない。でもこれが慎ましいあるべき姿と突きつけるのでもなく、自分たちの日常を美しいものとしてなるべく肯定してやりたかったのかも。

──

「生きている日、その名前 その美しさに涙が出る」の箇所に、その日常の肯定がすごく表れていると思う。

山中

だからジャケットも前のふっきーの家なんですよ。アートワークを手掛けてくれたコジマユイちゃんに俺のイメージを出来るだけ伝えて反映してもらった。

──

『忘れてしまうようなこと』は遠征に行っている旅先の写真でしたよね。前作の非日常的な体験と、本作の限りなく日常に近い自宅で対になっているように思えました。

山中

ほんまやね。日常と非日常は今までの話にも散々出てきたし。でもM8“おどるいきもの”も間接的やけど自分の結婚に影響されているかも。弾き語りでたまにやっていた、曲のネタとしてはかなり古くからある曲で、今の自分たちが出来る表現と歌詞の内容にやっと折り合いがついて、今回バンドとして仕上げました。

──

やっと折り合いがついたとは?

山中

実家で飼っていたうさぎが4年前に死んだことを歌っていて、仮タイトルは“みみさん”。年明けに母親と連絡取った時に、中学から飼っていたうさぎが大晦日に11歳で大往生したと聞きまして。悲しかったけど特に可愛がっていたのは妹と父親だったし、死に居合わせたわけじゃないから、どこか一歩引いた目線で家族の感情の動きが見えてきて今までに感じたことのない気持ちになったんです。自分の周りにあったものが死んでしまう悲しみに終始してしまうのではなくて、俺が結婚して新しい家族を作ったことが、いい意味で対というか輪廻していくものとして捉えられるようになった。

──

6分と長尺ですけど、後半の演奏にグッときました。

山中

本当は12分くらいにしたかった(笑)。YO LA TENGOみたいに歌は気が付いたら終わっていて、演奏だけその後ずっと続いているみたいな。だからここでは3分歌、3分半ノイジーな演奏が続く形に着地しました。

ボルタンスキーの「死」の表現にインスパイアされた「生きている」歌

──

あとまだ触れていない楽曲はM7“ピクニック”だけになりましたね(笑)。

山中

でもこれこそ喋りたかった曲(笑)。この曲、どう感じた?

──

“ピクニック”というタイトルに反して、アルバムの中でも一番重苦しく感じた。

山中

ありがたい!正解です(笑)。この曲も豊島シリーズで、インスタレーションが2つ豊島に設置されている、クリスチャン・ボルタンスキーのアート作品から着想を得ている。この人自身は今75歳のフランスのアーティスト。

──

どういう作品を作っている方なのでしょうか?

山中

作るアートが全て「死」をテーマにしていて、生涯を通じて「死」の表現にチャレンジしている。豊島にあるのはまず“心臓音のアーカイブ”という作品で、世界中の人たちの心臓の音を採集して、真っ黒な部屋に入って爆音で鳴らされる心音に合わせて吊るされた白熱灯が光る。そこには自分の心音もアーカイブ出来るという展示。もう一つが“ささやきの森”という作品で、まず展示されているスポットに行くまでがプチ登山。到着したらすごい数の風鈴が森林の中につり下がっていて、その短冊には人の名前が書かれている。参加した人が大切と思った人の名前を書いてどんどん増えていく仕掛けで。以前はチリの海岸沿いにも同じものが展示されていたらしい。

──

どちらも単に見るだけじゃなくてインタラクティブに参加できる作品なんですね。

山中

そうそう。去年ボルタンスキーの回顧展が大阪であって見にいったけど、この濃度の展示が30以上あって本当に胸焼けするくらいすごい。今生きているか、すでに死んでいるかを超越してとにかく命を可視化しようとしている。

──

それが“ピクニック” のテーマに至るのは?

山中

タイトルの由来にもなった展示は大阪の回顧展で見たサビたビスケットの缶を積み上げたオブジェで。一つ一つの缶にユダヤの新聞の死亡告知欄に載っているスイス人の写真を切り抜いて貼ってある。この写真の人のパーソナルな情報はわからないけど、死んだことが記録されているということは、この人が生きていたという記録でもある。残酷ではあるけど、悲しい状態を表したかったのではなく、いつかどこかで生きていた人が飾られている状態に感銘を受けて作りました。

──

“おどるいきもの”もそうですけど、「死」に関わる出来事から「生」の記録を見出すテーマ性も本作には見られますね。大きく言えば「生きていくこと」について改めて考えているというか。

山中

確かに。結婚によって改めて考える機会には確かになっていたし、結局私生活がバンドに影響を与えているんでしょうね。自分の創作活動は生活の中で心の琴線に触れたものを曲にしていくから、いいインスピレーションをボルタンスキーとか豊島から得たと思います。

人力ギリギリで回っている状態が好き

──

今回は録音もチャレンジングだったと仰っていましたね。

やんぬ

レコーディングした場所がおもしろかった。“アルファ”の録音風景を撮った映像に映っている場所なんですが、尼崎にある元々はカラオケボックスやった三階建ての廃墟で、今ビルの持ち主がスペースを貸出していて。

山中

一応防音設備になっているから今その2部屋分をnayutaが借りてスタジオとして使っているらしいと、今回もエンジニアをお願いした荻野(真也)さんに紹介してもらった。nayutaには私物の機材をかなり貸してもらったし、彼ら自身、荻野さんと今レコーディングを始めたみたいで、この場所でどんな音が録れるか試験も兼ねてみんな全面協力してくれた。録音ブースもなくて一室だけ。録音している時以外は、みんな廊下でたむろ(笑)。すごくスリリングで面白い環境やった。

──

それはどういう音を録りたいという狙いがあったのですか?

山中

今回はバンドの演奏もボーカルも、一発録りというのがレコーディングのテーマで。もちろんあの場所でも重ねて録ることは出来るけど、なんでもできる今の録音技術から逆行したことがやりたかった。だから今回はクリックも“アルファ”以外では聞いていない。デッドないい空気感で録れたと思います。

──

一発録りでやろうという意図は?

山中

もっとライブに近づきたかった。おりこうさんで、技巧的な演奏、均整がとれた音はいらないし、声がひっくり返っても、ギターソロがミスしても関係ない。緊張感も含めて、その時出せる音を落とし込む作業がしたくて。

──

ライブと音源製作を明確に切り分けるバンドも多いですよね。ライブに近づけるこだわりはどこにありますか?

山中

俺がギターを弾きながら歌うことを前提として曲を作っているのに、なんでレコーディングになったらギターをダビングするねんと思ってしまうのよね。bloodthirsty butchersとかYO LA TENGOとか丸山(晴茂)さんがドラムを叩いている時のサニーデイ・サービスに感じる、あの人力ギリギリで回っている状態が好きなですよ。

──

ちょっとわかってきました。あの生々しくて人間味のある魅力が実力を凌駕する瞬間が見え隠れする感じ。

山中

そうそう。音楽作品を作りたいんじゃなくて、ここまでの自分たちの過程を記録することしか考えてないんです。

生きるモチベーションとしてのバンド

──

しかし今回リリースをもってまりいさんが脱退となり、奇しくも2作連続でその時のダイバーキリンの一区切りとなりました。

山中

そうなんですよ。でもまた違う人とスタジオに入ることは始めていて、これから探し始めます。でもモチベーションが下がっていなくて、新しい曲も2つ出来ている。新しいベーシストが決まって、ライブができる環境になった時にやる、レコ発ライブでは初披露の新曲がかなりの数出来ているんじゃないかなと。

やんぬ

そうやって最近は曲がどんどん出来てくるんですけど、ライブでやらなくなるとレコーディングしたいものから外れて消えてしまうし、本当にもったいないんですよ。だから今回もさっさと録音して出そうということで初のフルアルバムになりましたし。

山中

本当は7月にちゃんとCDでリリースする予定でしたけど、コロナのタイミングになってしまって。せっかくええアルバムが出来上がったから、早く出したかった。

 

そんな時にLOSTAGEとか、仲のいいTANGINGUGUN(※)が突然bandcampで新譜をリリースしていて。自分もそのタイミングでbandcampを使い始めたんですが、ダウンロードは直接携帯からは出来なくて、パソコンでしないといけない。その遠回りな感じがちょっと懐かしくて、サブスクリプションでサクサク聴ける状況にいつのまにか慣れてしまっていたことに気づいたんです。音源データさえ完成すればリリースまでのスピード感はCDと段違い、なのにリスナーにとってはCDばりに手間が掛かる。これがなんかかっこいい手段に思えて、彼らを真似したところが大きいです(笑)。

※TANGINGUGUN:ダイバーキリンとも交流が深い、松本市拠点の4人組バンド

山中

今後落ち着いて、これを改めて商品として出せるならLPかカセットテープがいいですね。“つばめのあの子”~“言わない”までがバンド・サウンドの勢いが出たA面、“アルファ”~“α”がアンサンブル重視の内省的な世界のB面と切り分けて聴いても面白い10曲やと、曲順を決める段階でイメージしていたので。

──

結婚もして、(cafe , bar & music)アトリもあって、仕事もしながら、なおもベースを探してバンドも続けようとしている。ダイバーキリンはどのようなバンドを目指していますか?

やんぬ

何か目標があるからバンドをやっているわけではないなぁ。それよりこの自粛期間でライブが出来なくなって、最近ずっとメンタルが沈んでいて体調もぐずぐず。自分にとってバンドは必要なものですね。ライブが出来るから仕事も頑張れてたんやと改めて思った。

山中

人と音を鳴らすことで健康を保っていたことに気づいたね。生きるモチベーションを持続させるためにライブがしたい。

──

バンドで何か成し遂げたいとかはなく。

山中

それはもう全くない。

やんぬ

またライブのある生活が当たり前になったら、あのフェスに出たいとか次のやりたいことが出てくるかも。

山中

最後に個人的な野望だけ言っておくと、ヘンテコな楽器を使っていきたいと思っていまして。今回の録音で使った機材、ギターとアンプは全部新しく買ったんですが、ヤフオク!から9,000円で買ったものを8,000円でリペアしたものだったり、アンプも2,000円で買った60Wと、300円で買った30Wのやつを使った。総計2万円くらいの機材でこれだけのええ音が録れて。安くても自分がかわいいと思える機材で、どれだけ自分の憧れのギターヒーローたちに近づけるかは模索していきたい。

──

さっきのレコーディング技術の逆行と同じ、ひねくれた熱量を感じます(笑)。

山中

高いギター買って悦に入ってしまうのは元も子もない。だから逆に「俺はこれでかっこええ音出してみたらぁ!」というスタンスで行こうかなと(笑)。

やんぬ

「そんなんで大丈夫なん?」と私は心配になっています。

──

ほんま、めんどくさいバンドやなぁ。

山中

そう言われるの、ちょっと嬉しいかも(笑)。

その美しさに涙が出る

 

 

アーティスト:ダイバーキリン

仕様:デジタル(bandcampにて販売中)

発売:2020年6月1日

価格:¥1,500~

購入リンク:https://diverkirin.bandcamp.com/releases

 

収録曲:

1.つばめのあの子

2.テーマ

3.そら耳

4.なんにもない

5.言わない

6.アルファ

7.ピクニック

8.おどるいきもの

9.その美しさに涙が出る

10.α

 

Webサイト:https://diverkirin.com/

Twitter:https://twitter.com/diverkirin

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Tocago『Wonder』- 沖ちづるの音楽にかける熱意に再び火が灯るまで
INTERVIEW
歌うたいは人たらし。小野雄大が仲間と共に自分の歌を見つけるまでの道程
COLUMN
〈Penguinmarket Records〉作品ガイド
INTERVIEW
「Music has no borders」を掲げ、京都から世界へ-Penguinmarket Re…
REVIEW
多様な可能性のごった煮状態という意味での“GUMBO”- 砂の壁『GUMBO』
INTERVIEW
ソー・バッド・レビューから続く道。 シンガーソングライター&ピアニスト / 翻訳家 チャールズ清水…
REPORT
『春一番 2023』後編 ー 平和を夢見る福岡風太が仕掛けた、音楽による革命の実験場
REPORT
『春一番 2023』前編 ー 「祝」でも「終」でもない、大阪名物野外コンサートのゆくえ
INTERVIEW
「大阪を代表するバンドになりたい」ショーウエムラ(アフターアワーズ)が語る、地元に育てられたバンドマ…
REVIEW
生活の設計『季節のつかまえ方』 ー 「自分の音楽ってこれかも!」と辿り着いた喫茶ロック作品
REVIEW
屋敷『仮眠』 – のんびりとした虚無感、幻想的だが後味の悪さもある、積層的なフォーク作品
REVIEW
FALL ASLEEP#3 全曲レビュー
REVIEW
幽体コミュニケーションズ『巡礼する季語』 – 言葉とサウンドをコラージュ的に組み合わせ、季節を描く京…
INTERVIEW
スーパーノアが語る、『ぬくもりはたしかに』に込めたリズムと歌の最適解
INTERVIEW
年鑑 石指拓朗 2022-世田谷ほっつき歩き編
REVIEW
Eri Nagami『ど​ち​ら​か​と​い​う​と​そ​う​思​う(Moderately Agre…
REVIEW
岡林風穂『刺激的な昼下がり』 – 岐阜拠点のシンガーによる、こそばゆい刺激に惹きつけられる作品
REPORT
ボロフェスタ2022 Day4(11/6)- クリープハイプ、リベンジ。過去2年を取り戻す気概の最終…
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マーライオン、変わる!-もっとみんなに喜ばれる音楽をつくるための模索と研鑽
INTERVIEW
生活は変われど、再び日々を鳴らし始めた路地の『KOURO』
REVIEW
ヨットヘヴン『健康快樂』 – 今を楽しく生きようとする生活者の歌
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ガリザベン『ほっぺのかんじ』 – シャイとユーモア、関西に息づくブルースが香り立つうた
COLUMN
たけとんぼ 平松稜大・きむらさとしに影響を与えたアルバム5選
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伝道と更新を目指すアコースティック・サウンド – たけとんぼインタビュー
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kiss the gambler “ベルリンの森” – 自分の心の居場所はどこにある?
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KiQ『FuU』ー多彩な仲間と共に漂着した、退屈な日々を彩るフォーク・ロック
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音楽のアーキビスト、金野篤が体現する「売りたいモノは自分で作る」という生き方
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kiss the gambler “台風のあとで” – 折り合いのつかない喪失感を歌う素直さに胸が打…
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大石晴子が探る、これからの生きていく道とは ー『脈光』インタビュー&全曲解説
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伏見◎Project “Dawn-town” – 京都伏見を冠するニュー・コンボによるムーディーな楽…
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みらん『Ducky』 – 22歳の今しか表現できないことを歌っている、理想的なデビュー作
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徳永憲『今バリアしてたもん』何重にもねじれたユーモアが満載、歌とアコギが主体の12作目
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国でも建てるつもりなのか – グッナイ小形
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NEKOSOGI – NEKOSOGI
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たまき – 門脇沢庵
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夢の日々 – ミチノヒ
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お歳暮企画 | ANTENNAとつくる2021年の5曲 Part.2
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お歳暮企画 | ANTENNAとつくる2021年の5曲 Part.1
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年鑑 石指拓朗 2021-武蔵野散歩編
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FALL ASLEEP#2 全曲レビュー
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ぶっちゃけ上京ってどう?-ベランダ×ギリシャラブ×Crispy Camera Club 京都発・東京…
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いちやなぎとひらまつ-平成6年生まれ、ウマが合う歌い手の2人
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「シーン」から「モード」に移ろいゆく – 京都音楽私的大全
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峯大貴が見たボロフェスタ2021 Day3 – 2021.10.31
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峯大貴が見たボロフェスタ2021 Day2 – 2021.10.30
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“ニュー・ニート”ゆうやけしはすが目論む、ローカルから興すロック・ルネッサンス
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グローバルな視野を持って、ローカルから発信するーリクオが『リクオ&ピアノ2』で打ち出す連帯の姿勢
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ズカイ – たくさん願い溢れて
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みらんと話した日ー兵庫在住シンガー・ソングライターによる互いの気持ちを尊重する歌を探る
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つくるひとが二人、はみ出す創作を語る-井戸健人×畠山健嗣 対談
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秘密のミーニーズ – down in the valley
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ラッキーオールドサン – うすらい
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ご当地ソングからはみ出る方言詞|テーマで読み解く現代の歌詞
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ベルマインツ – MOUNTAIN
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もどかしくもシンプルを求めトガっていく。シャンモニカが語る『トゲトゲぽっぷ』
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シンガーソングライターという自覚の芽生え – ぎがもえかインタビュー
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たけとんぼ – 春はまだか / 旅の前
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ショーウエムラ – 大阪の犬
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2020年をポジティブに転化するために - 中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)が語る新作『ハビタブ…
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かさねぎリストバンド – 踊れる
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従来のイメージを跳ね返す、日本のフォークの変革 - 『#JAPANESE NEWEST FOLK』前…
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年鑑 石指拓朗 2020
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