REPORT

『春一番 BE-IN LOVE-ROCK』後編-きのうの思い出に別れをつげるんだもの

大阪のライブイベント『春一番 BE-IN LOVE-ROCK』が2025年5月3日~5日の3日間、豊中市〈服部緑地野外音楽堂〉にて行われた。1971年から半世紀以上に渡って続く、ゴールデンウィークの風物詩的野外コンサート(1979年に一度休止、その後1995年から再開)。昨年主催者の福岡風太が亡くなり、今回をもってその歴史に幕を降ろすこととなった。本稿は有志スタッフ会場班として参加した筆者が、ステージの模様はもちろんのこと、裏側の光景も交えて三部構成で綴っていく。いよいよ最終日、5月5日の全ステージを振り返る後編。

MUSIC 2025.06.06 Written By 峯 大貴

今いる人たちでつくり、今までいた人の気持ちを受け止める

5月5日、千秋楽。この日のチケットの前売り販売数は昨日を超えており、当日券はもう1枚も出せない。過去最大人数でフィナーレを迎えることが確定した。すごいスピードで伸びていく入場列に対して、昨日出演した平田達彦と柿木一宏が最後尾の誘導と整列を行っている。この日の開場・開演前パフォーマンスはこのコンサートでのみ登場するジャグ・バンド、阪井誠一郎とDixie Gang(福岡風太命名)。そのずっと後方では初日に続いてリトルキヨシも歌っている。

Photo:浜村晴奈

大入り満員なのは観客だけではない。昨日までに出番を終えた出演者も楽屋にどんどん集ってくるし、過去の有志スタッフたちもたくさん懐かしい顔を見せてくれた。我々が今年こうやって『春一番』に携われるのは、彼らの多大なる尽力によって今までバトンをつないできたからに他ならない。長い歴史の中では若輩極まりない筆者は、未だに彼らに会うと思わず背筋が伸びるし、毎年文章を書いているのも恐れ多いと思っている。嵐の開催宣言文を借りるならば、「今いる人たちでつくる『春一番』」でやるしかないのは事実。でもだからこそ「今までいた人の気持ちも受け止められる『春一番』」でありたいんだ。さて、いよいよ開場・開演。

Photo:浜村晴奈

55年の歴史を一望するかのような最終日

ROBOW & the last waltz

この日の1番手は大阪の4人組アコースティック・バンド、ROBOW。1日目のタッチマッターズと同じく“Green Onion”のカバーで幕開けである。チェリー森田(Pf)によるグルーヴィーなピアノプレイが光る、原曲に近しいアレンジは、タッチマッターズと好一対だ。そして本編に入ると“僕の車に乗ってくれないか”、“レモンの花”と阪井誠一郎(Vo / Gt)の実直な人柄を感じる真っすぐな歌声で飛び込んでくるポップ・ソングたちが演奏される。もともと阪井は有志スタッフから参加し、風太から実力を認められ2010年代以降の核となる出演者になっていった。2019年なんて阪井は3日間全て違う編成で1番手を務めるという無茶ぶりにも応えていたのだ。また周りのミュージシャンからの信頼も厚く、次の曲にはROBOWに多大な信頼を寄せるシンガーソングライターの蠣崎未来をゲストボーカルとして呼び込み、彼女の楽曲“君といると”を演奏した。ROBOWの縁もあって2018年から出演していたので、今年の出演者にクレジットされていないことを気がかりに思った人も多いだろう。しっかり蠣崎にスポットライトが当たる舞台を提供する彼らの親心が見えたし、彼女の寄る辺ない感情の動きが立ち上るブルージーな歌声は否応がなしに心が揺さぶられた。続いてここに、藤縄てつや(Gt)に、井山あきのり(Acc)、ムーちゃん(ウォッシュボード)、アンドウケンジロウ(Cl / Sax)というDixie Gangのメンバー、さらに蠣崎に加えてgnkosaiBANDのオカザキエミ、有志スタッフからたけだあすかがコーラスに入り、総勢11名のROBOW & the last waltzが完成(福岡嵐命名)。阪井が最初に『春一番』に出演した長田TACO和承のステージで歌ったという西岡恭蔵の“Gypsy Song”を豪華絢爛に演奏した。恭蔵が海外を旅する中で作り上げた最初の楽曲であり、熱気漂う原曲のアレンジから一変。オカザキ、蠣崎、たけだのコーラスが爽やかな風を吹かせている。そしてその勢いのまま“パラダイス”になだれ込み、極上のトラベル・タイムを提供してくれた。

Photo:(1)(2)(4)服部健太郎、(3)浜村晴奈

アチャコ&フレンズ

嵐による開幕の挨拶の後、「ダンスタイムです!」と彼らを紹介した。「A-chako」と胸に書かれたTシャツを着た男性が、クネクネと身をよじらせながら「ロボットなんかじゃなーいんだよ!」と歌い出す。『春一番』でしか観られないアーティストの極左であろう、アチャコ&フレンズ。レゲエと音頭を基調としながら、愛と平和と社会への警鐘とダジャレを叫んでいく、アチャマゴ久利率いるカルト集団だ。あべのぼるとの出会いがきっかけで記録によれば1997年から出続けているが、一たび“アチャコ音頭”が始まれば観客たちは前方に詰めかけ、ミキ(Vo)の振りを真似するようにみな踊り出す。「無茶苦茶でっせ 無茶でっせ」とみんな笑顔で、アチャマゴが何をぼやくか期待している。拝金主義や政治に対する批判とあわせて、たまに「わたり わたり 高田渡」とちゃぶ台をひっくり返すようなナンセンス・ギャグまでがセットだ。笠置シヅ子の“ヘイヘイブギ”と、世界一能天気なドラッグ・ソング“ハイハイハイ”までとにかくハッピーなパフォーマンス。こんなのこの先どこで味わえるのだろうと思うと、寂しくも思えてきたのが不思議だ。

Photo:服部健太郎

うたのありか(中川敬・リクオ)

続いて中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)とリクオがステージに登場。セッティングしている最中から中川は冗談を交えながら、サービス精神たっぷりに観客に向けて話し続ける。出演者としてはそれぞれクレジットされているが、この二人が揃えばカップリング・ライブツアー『うたのありか』としてやってくれる贅沢な時間だ。リクオは「ホンマに終わるんか?『春一番』がまいた種が、いろんな場所で実になって、花になっていくことを願っています」と告げ、「そろそろ終わりにしようじゃないか 始まりはいつもこんな風さ」と“光”を歌う極上の演出でスタート。全国各地を日々歌い回り、出会いや別れの悲喜交々を全て包み込み、社会に冷静な視線を送りながら、連帯と共存の人生讃歌を歌い続けてきた二人。中川が“いのちの落書きで壁を包囲しよう”、リクオが“リアル”、そして中川が“石畳の下には砂浜がある”と今を生々しく映した歌を交互に伝えていく。さらには中川が思い入れのある人たちの訃報が続くことに触れ、Garth Hudsonが亡くなったことからThe Band“The Night They Drove Old Dixie Down”の日本語訳カバー“あの夜、ディキシーは陥落した”も披露した。これだって南北戦争禍のアメリカ南部が舞台だが、個人の尊厳の歌であることは一貫している。ラストスパートには坂田学(Dr)を呼び込む。リクオとは旧知だが、中川とは初共演。リクオの楽曲の中でも屈指のポップネスを持った楽曲“ミラクルマン”、“アイノウタ”とどんどん観客からの熱量を求めていく。そして最後は中川が阪神淡路大震災から今年で30年であることを語り、ソウル・フラワー・ユニオンの“満月の夕”を。バンドのライブはもちろん、現在精力的に行っているソロの弾き語りでも、この曲を欠かしたことはないし、リクオも度々ライブで歌っている。それは単に観客が求める代表曲というだけではなく、あの震災の記憶を、そして人と人がつながることで乗り越えた体験を、風化させずに伝えていく役割を引き受けているのだ。満員の観客が手をひらひらさせ、「ヤサホーヤ うたがきこえる」と大合唱する。この曲が生み出してきた数ある名シーンの中に、また新たな一つが加わった。

Photo:浜村晴奈

センチメンタル・シティ・ロマンス

嵐から「多分、僕が生まれて初めてライブを観たバンドです。当時まだ0歳でした」、そして彼らと同じ名古屋出身のいとうたかおからも「1979年に一度『春一番』が終わってから、福岡風太は名古屋に引っ越しました。この名古屋のバンドにほれ込んで、自ら赤いバスのハンドルを握り、共に全国をツアーする生活を約5年間行います」と、かつて風太がマネージャーを務めていたというつながりを紹介した。2010年以来の出演となったセンチメンタル・シティ・ロマンス。現メンバーである細井豊(Vo / Key)、野口明彦(Vo / Dr)、種田博之(Vo / Gt)に加えて、かつての中心メンバーであり、2014年に卒業した現在も度々ゲスト参加している告井延隆(Vo / Gt)。それに湯川トーベン(Vo / Ba)を迎えた豪華布陣。冒頭“ハイウェイ・ソング”から、彼らの代名詞と言えるブライトで精巧なコーラスワークと、クライマックスのカントリー・ロックへ大変貌するパートに胸が空く。細井の呼び込みで“あの娘の窓灯り”からは、かつてのフロントマンだった中野督夫(2021年死去)の息子、中野雄日(Vo)、そして急遽初代ベースの加藤文敏もアコースティックギターを持って参加。父に代わってこの日センチに初参加という雄日が“あの娘の窓灯り”を歌う。告井による表情豊かなペダル・スティールの音色も相まって、情感がこみ上げてくる見事な二代に跨る表現であった。

 

後半に披露された“風景”ではアンサンブルもより安定し、6声のコーラスワークが見事に完成。ずっとレパートリーにしてきたが、オリジナルは1970年代の『春一番』を彩った中塚正人の楽曲である。最後は告井によるミディアム・バラッド“雨はいつか”で壮大に締めくくる。随分と久しぶりの『春一番』だったが、待ち望んでいたであろうファンの熱量の高さには驚いた。風太とは1986年に袂を分かつことになったものの、彼の足跡の中で大きな部分を占めるセンチが、最後にこの舞台へと帰ってくることの物語を存分に味わえたステージ。あわせて再確認したのは、風太はやはり日本語による美しくフレッシュな歌を愛し、とことん入れ込む人だったということだ。

Photo:服部健太郎

あべのぼるが残したジャズとのつながり

山下洋輔

ここから中盤戦。山下洋輔、渋谷毅、坂田明とジャズ・フェスティバルでも一挙にお目にかかれることは早々ないであろう三傑が続々登場する。これも『春一番』が、もっと言えばあべのぼるがこの場所に残した縁だろう。あべが東京で務めていた山下洋輔トリオのマネージャーを辞め、大阪に戻って『春一番』に参加し始めたのは、1973年の第3回から。その縁でこの年、山下、 坂田明、 森山威男による第二期 山下洋輔トリオが出演している。山下はピアノに向かうと自作曲“クレイ”、“コミュニケーション”から、原曲から大きく跳躍した“仙波山”、コルシカ島の民謡“ベアトリス”など、丁寧に曲紹介をしながら厳かに披露していく。最後は定番の“ボレロ”。徐々に熱量を帯びていき、後半には代名詞ともいえる肘によるクラスター奏法も飛び出した。そんなステージの山下の姿を尊敬の眼差しで見つめながら、バックステージで待ち受けていたのは木村充揮。一度下がった山下と登場するが、「洋輔さん……よろしくです」とこんなに恐縮している木村の姿もなかなか見れないだろう。木村が切望したというこのコラボ。このステージでの共演は2004年以来となるが、披露したのはその時と同じく“ケサラ〜CHE SARA〜”。時折互いを見つめながら嬉しそうな二人による絶品の歌唱とピアノ演奏は、とても幸せな光景であった。

Photo:服部健太郎

有山じゅんじ

嵐と固い握手を交わして、有山じゅんじはステージに着く。舞台裏から飲んでいたハイボールを飲み干し、まずはおかわりを頼むところから。粘り気たっぷりにしゃくりあげながら“今日もこつこつ”を始めるも、いつの間にか“夕焼け小焼け”になっていた。あまりに特徴的な歌のキャラクター、だがこのフリーキーなラグタイム・ギターも有山しか出せない音なのだ。ここで間髪入れずに呼び込んだのは正木五朗(Dr)。上田正樹とサウス・トゥ・サウス時代からの盟友だ。その場の呼吸で“ドレミ”、“ぐるぐるぐる”をセッションしていく。ステージ裏にはリクオがスタンバイ。リクオにとって有山は初めてツアーに連れ出してもらった師匠的存在。有山さんに呼ばれたから、まだ酔っぱらうわけには行かないとばかりに背筋を伸ばしている。そんなリクオだけにとどまらず、登場したのは金子マリ。かばんを持ったままでいかにも「さっき急に呼ばれました」という様子。しかし“抱きしめよう”の演奏が始まると、なんとさらっと粋に聴かせてしまう。事前に共有されたセットリストシートでは違う曲が書かれていたので、本当に急遽のコラボレーションだったのだろう。壊し屋でありながら、『春一番』の醍醐味を存分に味わせてくれる時間だった。

Photo:浜村晴奈

正木五朗が現れることは運営側も知らず、客席側から登場したときに筆者は心底面食らった。嵐に聴いても「あははっ!わかんない!楽屋にいらっしゃって、有山さんがステージに呼んじゃった!」と、もはやコントロール不能状態。また客席を巡回していると一人だけ一般の方とは違うオーラを醸しながら観ている男性がいると思えば、あがた森魚ではないか。彼も1972年以来、数度『春一番』のステージに立ってきたが、最後だからということで観客として大阪まで足を伸ばしたそうだ。出演者の仲間たちやお客さんからも時折声をかけられながら、感慨深そうにステージを眺めていた。どんどんフィナーレという名のカオスに突入していく。

渋谷毅オーケストラ

DEEPCOUNTの桑原延享による「今日は妖怪大戦争みたいな1日ですが、妖怪がいっぱい集まりました」という紹介には思わず笑ってしまったが、その通りだ。80代の渋谷毅(Pf / オルガン)、峰厚介(テナーサックス)を始め、重鎮揃いの渋オケを、快晴の昼下がりの野外で堪能できる贅沢ったら!石渡明廣(Gt)作曲による“Side Slip”からの“Ballad”という流れは去年、一昨年に引き続き。続くJaco Pastorius“Three Views Of A Secret”も含め、5人のホーンを無尽に暴れさせ、自身は決して前に出ることはなくとも、しっかり手綱を握っている渋谷毅の存在感が凄まじい。4曲目の“Frank”ではさらに坂田明が加わり、林栄一とアルトサックス2本がバトルする様には会場中が沸く。また後半の外山明によるドラムと観客のコール&レスポンスを起こすパートもエキサイティングで、踊って声を上げながら楽しめてしまう。最後はこの場所で何度も最後に披露してきた“Soon I Will Be Done With The Troubles Of This World”で厳かに締めくくった。

Photo:浜村晴奈

小谷美紗子

MC位置のマイクには楽器スタッフの足立修一。1995年の『春一番』復活時からこのステージを目指し、1996年にデビューした翌年から一度も欠かさず出演し続けた小谷美紗子を紹介する。ピアノ椅子に座り、大きく深呼吸する。今年で26回目の出演。なのに例年以上に緊張しているようにも、何かのスイッチが入ってしまったら感情が決壊してしまいそうにも見える表情だ。観客の心も自分の心も落ち着かせるように“真(君の真未来に捧げるうた)”を弾き始めた。「卒業式に出るような気持ちで、自分の泣きがあまり入らないような曲を持ってきました」とMCでは話していたが、“自分”、“明日からではなく”と彼女が最も鋭利に人の心理を突きながら、社会に居場所を求めていったキャリア初期の楽曲を披露していく。そして“忘れ日和”までじっくり披露した後、「最後にお涙頂戴の曲を!こういう自分が帰ってくる場所があって頑張ってこれたけど、それがなくても頑張ろうと、気持ちを新たに歌っていきたいと思います」と、歌い出したのは“手紙”。最後の「ああ 私は大丈夫 誰に何て言われようと」の一節にも新たな決意が込められていた気がする。無事に感極まることなくステージを終えた小谷。終演後にポストしたInstagramでは「日本で一番ミュージシャンとお客さんを大事にしてくれるフェス」と記していたが、そんな常に自身の活動と共にあった場所から巣立ち、新たな日々を始めていくためのステージだった気がする。

Photo:服部健太郎

坂田明SOS

一組おきにジャズの大御所が出るタイムテーブルとなったこのブロック。3組目に待ち構えていたのは坂田明が息子の坂田学(Dr)と大森菜々(Pf)を引き連れたトリオ編成のSOSだ。“In A Sentimental Mood”から三者三様で美しく暴れまわっていく。特に大森のピアノの、坂田から譲られることを待たずとも前面に飛び出して猛烈に舞う様には見とれてしまう。坂田明は1973年に山下洋輔トリオで出演して以降、時にはJim O’Rourkeと、また時には非常階段のJOJO広重やJUNKOと共にステージにあがり、『春一番』のアヴァンギャルドなジャズサイドをけん引してきた。今回は2015年以来となるが、むせび泣くサックスは一層鋭さを増している。自作曲の“A Good for nothing(役立たず)”は目まぐるしく変わる拍子に、重厚な言葉を乗せていく。中の一節「弥勒菩薩を 弥勒ボサノバを唄う」が頭から離れないまま、最後に万歳三唱。痛快だ。続く“Dance”でも大爆発を起こした後、最後に放った“ひまわり”の美しいメロディと音色に一層驚いた。やり場のない怒りと平和への祈り、どちらも湛えた音色をひとしきり響かせた、圧巻のステージだった。

Photo:服部健太郎

そしてフィナーレへ……

金森幸介

次の出演者の紹介に登場したのはナオユキ。「雑居ビルの4階、でたらめな酒場……」とネタも差し込むサービスっぷりだ。それを受け颯爽と登場した金森幸介。70年代からの大常連であるが、2023年に21年ぶりに返り咲いて以降、豪華なコラボレーションや、ここでしか出来ない話など、まるで空白期間を取り返すかのように特別なパフォーマンスを見せている。今回も歌い出す前に「何回か欠場していますが、僕と風太の間で何かがこじれてしまうんです」と爆弾を落とし、会場大爆笑。しかし出ていない時期も毎年春になると、様々なお店に貼られるポスターを楽しみにしていたと話し出す。1995年以降、一貫してこのポスターを手掛けている、版画イラストレーターのアーコさんこと森英二郎とデザイナーの日下潤一に、盛大な拍手を観客から求める粋な計らいを。この日二人とも会場におり、お客さんからひっきりなしにサインを求められていた。筆者も毎年このポスターを東京のお店に配ることで、どれほど素晴らしい時間を過ごしてきたことだろうか。

 

言いたかったことを言い切り、すでに満足気な様子で演奏がスタート。しばらく助走したのち「春一番の風が吹く 季節に僕らは出会ったんだ」という歌い出しの“Life Goes On”から始めるのも極上。歌い続けてきた月日、出会ってきた人、離れてしまった人のこと全てを一息に込めるかのような、今の金森の歌いまわしに思わずため息が漏れてしまう。続いて「小斎元希」と本名でgnkosaiを呼び込み、「ここにはたどり着けなかった友人の歌を」と彼の父・加川良の“教訓Ⅰ”を共演した。これも金森ならではの節だが、ゲンキは様子を伺いながらも自身のグルーヴに持ち込んでいく。彼は自身のバンド、NIMAと3日間通じて登場しており、出演者の中での軸となる存在だったことも言及しておきたい。さらには渋谷毅と松田ari幸一も加えた豪華な“もう引き返せない”と、全てにこの日の意味を吹き込むような演奏だった。ここで終了のはずが、どこからともなくアンコールを求める手拍子が会場全体に波及していく。想定外ではあったが金森は再登場し、また風太とのこぼれ話を一つ。何度袂を分かつことがあっても、終わりよければ全てよし。“​クロージングタイム”でおやすみを告げるように優しくステージを下がった。

Photo:浜村晴奈

高田漣&ヒルトップ・ストリングス・バンド

残るは2組。嵐はMCで「有志スタッフに悪いやつは絶対いないと思っています。優しい人しかいない。じゃないとこの『春一番』はできないんです」という想いと、チケット売り切れで会場に入れなかった外にいるたくさんの人たちにお詫びする。その声にはここまでの疲労感と、終演が目の前まで来ていることの感情の高ぶりがうかがえた。

 

下手から佐久間順平(Vo / Vln / マンドリン)、高田漣(Vo / Gt)、キヨシ小林(Vo / Banjo)、大庭珍太(Vo / Ba)がずらっと横並ぶ姿は壮観である。漣が父の高田渡に代わり、登場したヒルトップ・ストリングス・バンド。近年は昨年のぐゎらん堂スペシャルライブや、没後20年で今年4月に行われた『高田渡歌まつり』などにも出演しているが、『春一番』には1977年以来となる(当時漣は3歳で会場にはいたらしい)。“ヴァーボン・ストリート・ブルース”、“夜汽車のブルース”と唯一この名義で発表している1977年のアルバム『ヴァーボン・ストリート・ブルース』から軽快に披露していく。また佐久間を軸に展開していく思い出話も終始ほほえましい。せっかくこんなディキシーランド・ジャズを志向する稀有なバンドができたのに、ソロとはギャラの取り分が減るため、次第にソロの仕事を優先するようになって一年ばかりで解散したという高田渡すぎるエピソードも飛び出す。後半には佐久間が風太および『春一番』に充てた歌詞にアレンジしたバージョンで“あ・り・が・と・う・の歌”。そして当時から最後に披露していたという“リンゴの木の下でドミニクは世界の日の出を待っていた”でフィニッシュ。ファニーでテクニカルな弦楽器の協奏であり狂騒に、会場から手拍子が起こる。そもそも『春一番』は復活して10年経った2005年に終わるはずだった。でも高田渡が亡くなったことで、風太は翌年以降も続ける決意をする。それほど大きな存在だった渡の歌を最後にたっぷりと賑々しく聴くことができた重要な時間だった。もちろん佐久間もソロや林亭、珍太は東京タワーズやマンドリンブラザーズでも、ずっと『春一番』を彩ってきたことを忘れてはならない。

Photo:浜村晴奈

大塚まさじ

この時点で当初終了予定時間の18時半をとうに過ぎている。どこをとっても名残惜しい、想い入れたっぷりのステージの数々が、ちょっとずつ『春一番』の終わりを引き延ばしていた。すっかり日が沈んだ中、最後の出演者を紹介するのは友部正人。「1970年に大阪のなんばにあった〈ディラン〉という喫茶店で大塚まさじに出会っていなかったら、僕はこんなに大阪に縁がなかったと思います。『春一番』の最後に歌うのが相応しい人は大塚まさじしかいないと思います」とステージに渡した。この喫茶店に西岡恭蔵や風太を始め、たくさんの仲間が集い、大塚・恭蔵らはザ・ディランを結成、風太も『春一番』を立ち上げる。しかし大塚が『春一番』の最後を飾るのに相応しいのは、第1回から現在に至るまでの中心人物であり、風太・あべと運命共同体の関係性だったというだけではない。“ガムをかんで”、“月の祭り”、そして現状の最新オリジナルアルバムから“いのち”と、時代を飛び越えながら、1曲ずつ丁寧に演奏していく。その間には『BE-IN LOVE-ROCK』から『春一番』に至る経緯や、福岡風太との思い出を添えて。そう、今なお鮮明に歴史を語れる証言者としての役割を持ち合わせていることも大いにある。観客はただ曲を終えるごとに拍手を送るのみという様子だったが、あべのぼるの話をひとしきりした後“天王寺想い出通り”を始めたときには、ひときわ大きな歓声が上がった。彼の歌には風太も、あべも、恭蔵も、その妻の作詞家KUROも、石田長生も、島田和夫も、あまりにたくさんの人の想いを乗せすぎている。長田TACO和承(スライドギター)、黒田かなで(Vin)、藤縄てつや(Gt)による穏やかに彩りを加える演奏も相まって、まるで『春一番』に送る長い長い弔辞のようだった。しかしこれからも生きていく人たちとの再会を誓うことも忘れず、最後は明るく“プカプカ”を演奏した。

Photo:服部健太郎

あべのぼる・福岡風太・福岡嵐

そしてアンコールはこの場所にいる出演者全員を呼び込む。舞台上がぎゅうぎゅうとなって最後の歌“男らしいってわかるかい”のセッションが始まった。ステージ後方のめくりには初日の「リトルキヨシ」から大トリの「大塚まさじ」までズラっと並んでいる。そこにラストのめくり、他より数倍大きな紙に書かれた「あべのぼる」「福岡風太」が貼り出された。これで完成と思いきや、二人よりも少し小さな紙で「福岡嵐」も。ここまでやり切った嵐に向けた、ささやかなサプライズだ。嵐は見つけた途端、爆笑しながら「やったー!」と喜んでいた。

Photo:(1)~(3) 服部健太郎、(4) 浜村晴奈

ステージ前方では小谷美紗子がスマートフォンのライトを振って掲げ、それがどんどん観客に伝播し、次第に満点の星空が野音に広がった。さまざまな演者がソロパートを回していくが、間にはいとうたかおがこの“男らしいってわかるかい”と同じ、Bob Dylanの“I Shall Be Released”の訳詞曲である“解き放たれる”を歌い、続いて友部正人も自身の日本語訳バージョンでこの曲を歌っていたのも、また二度とない歌のリレーであった。大きな拍手と無数のライト、そして「ありがとう」の声に包まれるステージ、これこそを「大団円」というのだ!10分を超えるセッションを終えた出演者たちはステージの後方に下がる。そして嵐だけが残り、最後のマイクに向かった。

Photo:服部健太郎

こんなに人がいる服部緑地野音は初めてです!ステージも客席も本当にこんな時間までありがとうございます。いやぁ!すごい!昨年の6月10日に風太が死んだとき。まず考えたのが春一のことでした。去年、風太は30分だけ(会場に)来たじゃないですか。ずっとあの状態だったんです。僕の妻と一緒に看病をして、いろんな人にも病院に来てもらいながら、風太は『春一番』をやり切りました。だからこそ今年、僕が『春一番』をやるか、本当に悩みました。風太の葬儀が終わって、いろいろ僕の生活も落ち着いた時。来年はちょっとやりたくないな、このまま終わりでいいんじゃないかなって。本当におこがましいと思っています。『春一番』が始まったのは1971年、僕が生まれたのは1982年なんですよ。一回終わった年(1979年)にも生まれてない。みなさんの方がよく知っているかもしれない。そんな『春一番』を、もう風太もあべさんもいないのに、僕が開催を決めていいのか……。でもこの景色を観て、みなさんの声を聴いて、本当にやってよかったなと思います。

 

だから、僕の言葉で終わるわけにはいかないんですよ。この5人だけで!最後にもう1曲、演奏していただきます。


そして一人ずつ呼び込んでいく。大塚まさじ、中川五郎、友部正人、いとうたかお、松田ari幸一。一人ずつしっかり嵐と目を合わせ、固い握手を交わしてステージに送っていく。この方たちで『春一番』は始まったのだから、この5人だけで静かに終わらせてくださいとお願いしたそうだ。

Photo:服部健太郎

嵐がリクエストしたのは、西岡恭蔵が作ったザ・ディランⅡの“サーカスにはピエロが”。きのうの思い出に別れをつげ、明日からの穏やかな日常に戻れるように、静かな祭りの終わりを告げる歌。松田がブルースハープを静かに吹き、大塚がメインを歌い、いとう、友部、中川の歌が交差する。先ほどまで大騒ぎしていた演者も観客も固唾を飲んで、最後を見届けている。嵐の手には風太の写真。2025年5月5日、19時48分。『春一番』は『BE-IN LOVE-ROCK』から数えて55年間の歴史に幕を下ろした。あまりにも美しく、穏やかな最後だった。

Photo:服部健太郎

『春一番』の種が方々で撒かれ、咲き乱れることを願う

予定していた終演時刻から78分押し。例年だったら大問題だが、たとえ大目玉を食らっても、次はない。実際、野外音楽堂の管理人も、解体される舞台美術を名残惜しそうに写真に収めていた。3日間を撤収までやり切った有志スタッフは、緑地公園内でささやかな打ち上げを行い、しばし労い合う。ただ、すでに深夜なので乾杯してしばらくすると、終電だから、明日仕事だからと一人、また一人と再会を誓って服部緑地を去っていく。なにせ北は北海道の小樽、南はインドネシアのジャカルタから、ただこの『春一番』をやるためだけに集まった兵どもなのだ。ありがとう、ありがとうと見送り、最後は筆者と嵐だけとなった。自宅まで送ってくれるという嵐の車に乗り込み、帰路に就く……。

──

いやぁ……終わりましたな……。

本当にお疲れ……『春一番』、終わらせることができたんじゃない?

──

間違いない。きれいな終わりやった。

よかった。僕が峯くんに「最後にもう1回やる」って電話したの、いつだっけ?

──

去年の11月13日。

そこから仕込みを始めて、今年の元旦に開催発表、そしてここまで丸半年か。本当に助かった。ありがとう。

──

3日間通して、嵐くんはどんなこと考えてたん?

うーん……ずっと風太は相当な苦悩を伴いながら『春一番』をやってきたんだなぁとか。

──

ずっと嵐くんは風太さんをサポートしてきたし、ここ数年は全部取り仕切ってきたやん。今年改めてそう感じたん?

僕が東京から大阪に移住してきて『春一番』にちゃんと関わるようになったのは2011年からだし、そこから去年まではどれだけ風太が動けなくなってもあくまで代わりだったからね。風太の気持ち、今まで全然わかってなかったなって思った。

──

2011年ってちょうどあべさんが亡くなって初めての年か。

そうそう。あべさんが担っていたことも、この年から全部風太が一人で背負うことになったんだよ。それは実務面だけじゃなくて、風太とあべさんのコミュニティって全然違うから。相方がいなくなったことで、自分が知らない人たちとの関係性まで考えないといけなくなる。でも『春一番』をやるって、そういう誰かしらの期待を裏切ることもでてくるじゃない?それって相当辛いことだよ。

──

あべさんを失った時の風太さんの重圧を、風太さんが亡くなったことで嵐くんが実感したということか。

そうだね。もちろんあべさんが亡くなった後、ヒデマロさん(奥村宗久)が風太の相手をしてくれたし、今年僕には峯くんがいた。他にもいろんな人がサポートしてくれる。でも最終的な判断が出来るのは僕しかいないじゃない?責任を背負わせるわけにはいかないから。今回、風太なら最後の『春一番』をどう作るかは絶対意識しないようにしていたけど、風太って『春一番』を作っている時、やっている時、何を考えていたんだろうってことはずっと想像を巡らしてた。

──

自分がいなくなった『春一番』を観て、風太さんは天国からなんて言ってるやろうねぇ。

わかんない。爪切りながら「チッ!」って言ってるよ、多分。

──

それはしてやったり(笑)。でも本当にベストを尽くせた3日間やったと思う。

終わり方なんて他にいっぱいあったと思うし、反省しだすときりがない。でも正直あんまり今の僕には判断できないんだよなぁ。単純にステージがあんまり観られていない(笑)。ずっと次の段取りを考えるのと、MCだけに集中した方がいいなと思って、ステージ周りの舞台監督の役割も全部他の人に任せた。

──

最後のMCもよかったよ。声ガサガサであんまり聞き取れへんかったけど(笑)

今日の前半から全然声がでなくなっちゃった。このまま戻らなかったらどうしよう。

──

休めば治るって。あと最後のめくり、よかったでしょ。「あべのぼる」「福岡風太」と出て、最後に「福岡嵐」やで。

めくりに自分の名前が出るのは初めてだよ。去年まではあべさんと風太が並んで終わる演出で全然納得していたんだけど、今年はさすがに嬉しかった。あれ、峯くん仕込んだでしょ?

──

まぁ、ええやん(笑)。でも今回は絶対、嵐くんのめくりがあった方がいいとは思っていた。あ、もうこの辺で停めてくれてOK。本当にお疲れ!ゆっくり休もう……。

Photo:服部健太郎

もし風太が自分の手で『春一番』を終わらせるとしたら、どのようなフィナーレを作ったのだろう。ちなみに1979年に一度終えた際の大トリは朝野由彦とセンチメンタル・シティ・ロマンスだった。当時の記録映像で風太は「大阪のコンサートの最後を、名古屋出身の人間がやるのも面白いんじゃないかなと」なんて発言している。少なくとも初回から出ていた人が各日のトリを務め、最後は大塚まさじという正攻法の構成は組まなかったような……いや、たらればの話をしてもしょうがない。とにかくこれが「今いる人たちで作る最後の『春一番』」の全容だ。

 

嵐は3日間通じて、いや、風太に代わってMCをするようになった2023年から繰り返し、「今日観て気に入ったアーティストがいたら、ぜひ普段のライブに足を運んでください。こことはまた違う、カッコいいステージが観られるはずです」と伝えてきた。『春一番』がなくなっても、この場所から刺激や教訓、経験、感動を受け取った人たちが、これだけ残っている。また『春一番』がなくなることで、その意志を受け継ぐ新しいものがまた生まれるはずだ。

 

実際に、5月7日、ROBOWは自身が主催する〈服部緑地野外音楽堂〉での野外コンサート『路傍の花たち』の2回目を10月11日に開催することを発表。5月8日、伊藤せい子(夕凪)は、毎年9月に開催している『服部緑地RAINBOW HILL』を『春一番』終焉に伴い、5月に移行を計画。しかし来年度は抽選に外れた悔しさをポストした。ほら、野外コンサートだけをとってもさっそく新たな動きが。

 

もちろんここまで書き連ねてきたこの文章だって、福岡風太から影響を受けた、オルタナティブで本当におこがましい営みの一つである。今回発売された風太の著書『自由っていうのは失うものがなにもないことさ 「春一番」を生きて』には、福岡嵐による「はじめに」が掲載されている。その文の締めくくりに使っていたこの言葉を。そしてその引用元であるgnkosaiが今年も自身のステージで最後に言い放ったこの常套句を。せっかくなので私も、私なりに使わせていただくことで本稿を締めたいと思う。

 

強い風が吹いたら思い出してほしい。そして思い出したくなったら、忘れてしまいそうになったら、いつでもこの記事に戻ってきてほしい。この文章は『春一番』に関わってきた全ての人、そして今後何かの拍子ですでに終焉を迎えたこのコンサートのことを知る人に向けて書いた。『春一番』の精神があなたの現在と未来に息づき、少しでも日々の糧になることを、私は心から願っている。

Photo:渡部翼

写真:浜村晴奈、服部健太郎、渡部翼
協力:福岡嵐、古賀正恭、鏡孝彦、春一番有志スタッフ

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