
京都・亀岡で「つくる営み」を日常に取り戻す。アーティストインレジデンスプログラム『野良の滞在』がスタート
京都の企画・制作プロダクションEat, Play, Sleep inc.が、拠点としている亀岡・並河のA HAMLETで、新たにアーティストインレジデンスのプログラム『野良の滞在』を立ち上げる。
『野良の滞在』とは、都市によって単調になった生活のリズムに「つくる」を取り戻すレジデンスプログラム。周囲が山や川に囲まれ、京都の中心部からも、北部へもアクセスがいい亀岡市。まさに「都市と田舎のあわい」にある亀岡市・並河という土地で、参加するアーティストはいつもとは違ったリズムで暮らし、周囲の人々と関わる中で、「つくる」営みを捉え直す。
現代の私たちの生活は、あらゆる面で便利になりすぎていると感じることはないだろうか?欲しいものはすぐに手に入り、人に会わずとも仕事ができてしまう。
京都市の規模でも、その都市性や日々迫り来る忙しさによって、人の生きる基盤となっていた「食べる・寝る・遊ぶ」といった行為がおざなりになっている感覚がある。
でも、クリエイティビティは「食べる・寝る・遊ぶ」営みの中にも組み込まれていたはず。本来私たちが生活の中に持っていた「つくる」営みを掘り起こし、改めて「つくる」ことを捉え直すことを目的に、年2-4アーティストの参加を目処にプログラムが実施予定だ。
1人目の参加アーティストは、ペインターでありフォトグラファーでもある進士三紗さん。8月にA HAMLETで滞在、制作、そして展示までを行う。
展示期間中にはワークショップやイベントも行われる予定だ。最新情報を要チェック。
Logo Design:小林誠太
アーティストプロフィール
進士 三紗 | MISA SHINSHI
▼アーティストステートメント
文化人類学者ティム・インゴルドは、著書『Life of Lines』の中で、「地面は大地(物質)と大気(媒質)の狭間で、絶えず動き続けている」と述べ、地面の本質的な性質に注目しており、この考えは私自身の制作とも深く結びついています。
しかし、都市生活においては、このように絶えず動いている様子を見せる地面はほとんど見られません。むしろ、アスファルトによって大部分が覆われ、その動きや気配は封じ込められているように感じています。
今回の滞在先である亀岡盆地には、「かつて亀岡は湖だった」という伝承が残されていることを知り、この地形と土が内包する過去の痕跡に私は強く惹かれました。野良の滞在の2週間を通して、アスファルトという硬い覆いを頭の中から取り除き、水がかたちづくった地形、そして植物や人の営みをリサーチすることで、亀岡の地面に宿る記憶を手繰り寄せたいと考えています。
▼経歴
1998年 京都府出身
2021年 京都市立芸術大学美術学部 油画専攻 卒業
自身と他者(他の人間と人間以外の生物、無生物)との関わり合いの中で生まれる関係性の本質に関心を持ち、石や植物、動物を通して顕在化される自身の輪郭を追うために、絵画と写真を使った作品作りを研究している。
主な個展に2025,4月”Umwelt-営みのかたちを巡る旅-“,kivi(Kyoto)/2023,7月”立ち現れる輪郭” chignitta space (Osaka)、主なグループ展に2024, “SILENT RESONANCE”, Galerie Lulla (Los Angeles)/2023, “汽水域”,バイソンギャラリー(Hyogo)/2022,”IN THE FLOW”, 松栄堂 薫習館 (Kyoto)/2021, “the sight of the stars makes me dream”, SCÈNE (Tokyo)/ 2020,9月『Tourbillon 18』,Oギャラリーeyes(Osaka)など。
野良の滞在 進士三紗
| 展示期間 | 2025/8/26(火)〜2025/9/7(日) 火・土・日のみオープン |
|---|---|
| 会場 | A HAMLET |
| 入場料 | 無料 |
| アーティスト | 進士三紗 |
| 主催 | Eat,Play,Sleep inc. |
| 公式SNS |







