REPORT

クリエイターが集まる『Flatstock・SXSW Marketplace』

ART DESIGN 2019.06.13 Written By 山本 洋平

街は音楽が溢れるSXSWの後半に突入。インタラクティブの中心イベントTRADE SHOWが終わったコンベンションセンターのメイン会場では、『Flatstock・SXSW Marketplace』が始まる。このイベントはクリエイターが集まり自分たちのアートワークや、グッズを販売する、日本でいうデザインフェスタやクリエイターズマーケットのようなイベントだ。

 

テキサスからの出店が多く、音楽にとどまらないインディペンデント精神溢れる自由な雰囲気を体感できるのではないかと思い会場を訪れた。

完成度の高いアートワークが集まる『Flatstock』

『Flatstock』はポスターを制作するクリエイターのコミュニティ形成をサポートするThe American Poster Instituteという非営利団体がオースティン、シカゴ、バルセロナなどアメリカを中心に国内外で行うイベント。どのブースも完成度の高いアートワークを販売しており、興味深かった。特に目立っていたのは描き込み具合がすごい海外のビールラベルのようなThe アメリカっぽいポスターを出している出店者たちだった。

今回のイベントのメインヴィジュアルはドイツをベースに活動するCarlo Vivary。彼のヴィジュアルは会場に持ち込んでいたシルクスクリーン印刷機器でトートバッグに印刷。無料で来場者に配布されていた。

クリエイターや企業がプロダクトを販売する『SXSW Marketplace』

Flatstockと同会場で行われていたのが『SXSW Marketplace』。こちらは企業やクリエイターたちが自分たちでデザインした服やジュエリー、雑貨などのプロダクトの販売を行なっている。まるで実際の店舗のような作り込まれたブースもあり、日本の手作り市以上のクオリティのものが多かった。

中でも一番目立っていたのはCREMOというシェイビング剤やグルーミングプロダクトを販売する企業だ。彼らのブースはミニバスの内装にヘアカットをできるスペースを設けた小さな床屋。また、ヘアカットスペースの隣では彼らのプロダクトを購入しており、男女問わず人が並んでいてとても大盛況だった。

このような少しゆるい、なにをやっても許されそうな雰囲気が、インディーな精神を生み出しているように感じる。今までいくつかの国を旅してきたがこの雰囲気は、地方都市や発展途中の国の方が強い。SXSWが開催されるオースティンもまたアメリカの地方都市。地元のローカルレストランや、古着屋などでも地方都市特有の自由な雰囲気を感じられてよかった。この街の雰囲気がSXSWのようなイベントを許容し、大きく育てたのではないだろうか。

WRITER

RECENT POST

REPORT
【SXSW2019】「今の時代にとってのインディー」ってなんだ?(INDIE ELECTRONIC編…
REPORT
【SXSW2019】エレクトロミュージック好きはSXSWをどう楽しむのか?

LATEST POSTS

COLUMN
【2024年11月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シー…

REPORT
『京都音楽博覧会』を糧に、可視化された京都のサーキュラーエコノミー-資源が“くるり”プロジェクトレポート

思わぬものが‟くるり”と変わる。それがこのプロジェクトの面白さ …

INTERVIEW
あの頃、下北沢Zemでリトル・ウォルターを聴いていた ー武田信輝、永田純、岡地曙裕が語る、1975年のブルース

吾妻光良& The Swinging BoppersをはじめブレイクダウンやBO GUMBOS、ペン…

COLUMN
【2024年11月】今、東京のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「東京のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」京都、大阪の音楽シーンを追っ…

REPORT
これまでの軌跡をつなぎ、次なる序曲へ – 『京都音楽博覧会2024』Day2ライブレポート

晴天の霹靂とはこのことだろう。オープニングのアナウンスで『京都音博』の司会を務めるFM COCOLO…