雨宿りには音楽を 2023
滋賀県のびわ湖畔近江舞子特設会場〈白汀苑〉で野外音楽イベント『雨宿りには音楽を 2023』が開催される。「雨音」という呼び名で親しまれる本イベントは、6月10日(土)〜11日(日)と紫陽花の咲く雨の季節に行なわれ、アコースティックサウンドに波や風の音が溶けてゆく空間や時間が、訪れる人にとっての「心の雨宿り」となることをはかっているという。
今年のテーマ「祈りの旅」には、世界中の誰もが降り注ぐ焦げた破片に怯える事なく平和の音楽に包まれますように、という願いが込められており、ライブステージは9日の前夜祭から幕を開ける。出演は民族楽器バンドゥーラを携えたウクライナの音楽家・ナターシャ・グジーや、医者の傍ら音楽活動を続けるほころぶ花のような歌声のアン・サリー、ガットギターの弾き語りをメインに活動する米山ミサの浮(ぶい)に、藤巻鉄郎(Dr.)と服部将典(Cb.)が加わった浮と港にものづくりに根ざした生活から生まれるサウンドを奏でる兄妹ユニットbaonabなど、テーマと強く共鳴するようなアーティストが参加。電子ピアノで演奏することが多い寺尾紗穂も、この日は生ピアノにこだわり演奏する。
10日からは飲食店を中心に20の店舗が出店。遠く屋久島や石川県からの出店があるほか、関西からは神が宿ると言い伝えられている沖縄の植物「がんしな」を材料にものづくりをするさとう植物店や、滋賀県北比良の森の奥にあるサロンひらのはなれなど地域に根ざして活動するブランドも多い。当日は、茅葺きの職能集団くさかんむりが今年3月に開催したワークショップで出来上がった葦船「雨舟」が停泊し、「1年後の自分へ」手紙を送ることができる雨音ポストが設置され、葦笛工作教室や音楽に触れることができる。こうした仕掛けが万歳で、子どもから大人まで楽しめることは間違いない。
アーティストの顔ぶれも出店ラインナップも、一つひとつ調べていくと人々に寄り添った安らぎの時間を与えようとする想いをその奥に感じる。公開されている昨年のイベントを追ったドキュメンタリー映像からも、忙しない生活から少し寄り道をして、それぞれが穏やかな時間を過ごしている様子がうかがえた。今年も出演の岡部あきらの曲も相まって、雨宿りをしている時の風景が思いうかぶようだ。雨のように優しく降り注ぐ音楽や、自然の素材を生かしたものを楽しみ味わう週末のひとときは、きっと心地よいものになるだろう。
雨宿りには音楽を 2023
日時 | 5月9日(金)(前夜祭)
5月10日(土) 5月11日(日) |
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会場 | 民宿 白汀苑内 湖畔特設会場 |
チケット | イープラス
チケットぴあ
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出演アーティスト | 6月9日(金)
6月10日(土)
6月11日(日) |
ワークショップ | 雨音音楽学校
葦笛工作教室 |
Webサイト | |
お問い合わせ |
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WRITER
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2002年生まれ。京都市立芸術大学 美術学部 総合芸術学科在学。つよくてやさしい言葉が好き。休日は窓のない部屋で本を読んでいます。
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