COLUMN

【2024年5月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

MUSIC 2024.05.16 Written By 森脇透青

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」

「かっこいいバンドはいるの?」

 

「今」の京都の音楽シーンを追う、この連載!今月も今聴いておきたい注目のアーティストを紹介していただきます。

 

紹介者は以下の方々です。(五十音順)

  • 京都GROWLY 店長:安齋智輝
  • livehouse nano 店長:土龍

京都GROWLY 店長:安齋智輝の注目アーティスト

Akane Streaking Crowd

京都にて3~4年スパンで押しあがってくる驚異的な才能。Akane Streaking Crowdはまさにネクストカミングで新進気鋭なバンドではないでしょうか。

 

Bloc Partyとthe band apartが共存したようなインディーパンク感、Wiennersとキュウソネコカミがタッグを組んだような奇想天外ポップ感、時折出るゆらゆら帝国のようなゆがみ。彼らはニューウェーヴやパンク、エレクトロ、シティポップ、J-POP、様々な良いところを詰め込んで昇華したいわゆる「ネオ・ネオミクスチャー」な風体漂うおもちゃ箱のようなバンドで、琴線に触れるミュージックラバーも多いはず。

 

まさに色とりどりのテトリス棒がガツガツはまっては消えていくフィーリング。スプレーで吹きつけた滲みの重なりの良さとはまた違う鋭角な彩りが素敵。メンバーはBa.Voの北里、ドラムの立本の2名、サポートギターを迎えてライブ活動中。様々なサウンドギミックに溢れ、且つ聴かす魅せる歌にも一本筋が見え、新曲が毎回楽しみなバンドは久しぶりです。

 

今後京都からシーンを引っ張る存在となるのか、現在猛烈な進化の途中のAkane Streaking Crowd、知るなら今です!

That's Entertainment【Entertainment - MV】

X(旧Twitter)

@StreakingCrowd

Instagram

@streakingcrowd

Akane Streaking Crowd 関連イベント: "AKANEIRO vol.2" 『ASK(C?)2&3』 Release Party

日時

2024年6月2日(日)

open 16:00 / start 16:30

会場

京都GROWLY

出演

Akane Streaking Crowd / YOWLL / SuperBack / 街蜥蜴塾 / オートコード

料金

¥2,500、学割 ¥1,500(共に+1drink)

※高校生以下無料(1drink代のみ)

安齋智輝

京都GROWLYの店長です。

元和菓子職人です。

お菓子も音楽も手間暇と愛が必要、がモットーです。

livehouse nano 店長:土龍の注目アーティスト

詩央

熊本出身、神戸でのバンド活動を経て、上京、現在は京都在住のシンガー・ソングライター。物静かな佇まいながら、時には声を大きく、その時自分の思うことそのままに、等身大の歌を唄う。

 

1人で歌を唄うという行為には、完結を僕は求めていない。答えを示そうとして内容が詰め込まれすぎて、それを観て終わることに寂しく思うからだ。それが楽曲としてもステージとしても一つの作品として素晴らしいものであったとしても、何かしらの余白がある方が僕はいい。それは余韻とイコールのものではとも思う。観た後には「あの歌って」って自分の中の記憶と重ね合わせ、その時に初めて自分の中で答えが見つかる方がいい作品だ、と僕は思う。その自問自答の時間こそ余韻だ、と。

 

詩央さんの声と歌と言葉には、そんな余韻が残る。はっきりした言葉でしっかり伝えるわけではない。歌がとても上手なのかというとそこまで特筆すべき程でもない。が、余白と余韻が残る。1曲終わるたびに「次は何を唄ってくれるんだろうか」と期待してしまうし、ライブを観終わったその次の日にはほぼ確実に次の出演オファーを出してしまう。定期的に彼女の歌を生で聴いて、その贅沢な余韻と余白を楽しみたい自分がいる。

 

素晴らしいシンガーはたくさんいらっしゃるけど、割と稀有な魅力の持ち主だと思っている。それをもっとたくさんの方にぜひ味わってほしい。その気持ちが強すぎて、未だに名前を呼ぶ際には「さん」という敬称を使ってしまう…。

 

多分、彼女の歌に、照れているのだと思う、僕は。

詩央 - ふたりの天国(MUSIC VIDEO)

X(旧Twitter)

@booska87

詩央関連イベント:『あなうめもんだい』 at llivehouse nano

日時

2024年6月11日 (火)

open 18:30 / start 19:00

会場

livehouse nano

出演

いしいとまと / 内藤重人 / オガサワラヒロユキ / 詩央

料金

前売り ¥2,000 / 当日 ¥2,500(共に+1drink¥500)

土龍

1976年京都府生まれ。
二条城の東側にある全国でも稀に見る小ささのライブハウス、livehouse nanoの店長兼音響兼照明兼制作兼雑用。毎年秋には仲間と共にロックフェスティバル「ボロフェスタ」を主催。派手好きの単純思考のパリピの一種。

livehouse nanoではドネーショングッズをオンラインストアにて販売中。新グッズも日々入荷中!

https://livehouse.thebase.in/

Youtubeチャンネルでは無観客ライブも日々開催しています。ぜひチャンネル登録を!

https://www.youtube.com/channel/UCV904VJscUg3jr9guSXf_-w

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