このレビューは、計8枚のアルバムから、中心に配置した1枚のアルバムのバックグラウンドを紐解く、ki-ft・アンテナ共同企画【3×3 DISCS】のレビューのひとつです。
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ナードマグネットと繋がりを感じさせるメルボルンのレーベルコンピ
オーストラリアはメルボルンに拠点を置くパワーポップバンドのウェリントンズ。ナードマグネットとは、『エンド・オブ・ザ・サマー』(2017年)の日本盤ライナーノーツを須田亮太(Vo/Gt)が執筆し、同年のジャパンツアーの内5公演でも共演。またどちらも一聴すればウィーザーなどに代表されるパワーポップバンドから影響を受けているのは一目瞭然で、相思相愛の関係であると言い切っていいだろう。上記のアルバムの核となるタイトルトラックは、アコースティックギターとハーモニーを基調としたポップソング。ギターのアルペジオはナードマグネット『MISS YOU』収録の「グッバイ」と示し合わせたようであり、どちらかがワザと寄せていったのではないかと思わせる。
この曲は元々、Zac Anthony(Vo/Gt)の前身バンドSarah Sarahからのレーベル元でもある地元メルボルンに拠点を置く《Popboomerang Records》のショーケース用に作られたコンピレーション『The Melbourne Divide』(2016年)に収録された楽曲である。この曲以外にも、Bryan Estepa & The Tempe Twoは「グッバイ」に、Michael Carpenterは「海辺のルーシー」に通じる所があるなど、ウェリントンズ以外にもナードマグネットとの音楽的な繋がりを感じさせる、面白いアルバムだ。
第二回【3×3 DISCS】:ナードマグネット『MISS YOU』を中心とした9枚のアルバム
選定:ki-ft・アンテナ
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86年生まれ、神戸在住。好物は神戸のパン屋『アルティザン』のスペシャル・クリームパン。
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