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【SXSW2018】SXSWが開催されるオースティンってどんな街?

MUSIC ART TRAVEL 2018.03.28 Written By 安尾 日向

オースティンって知ってる?

アメリカ南西部、テキサス州。全く世代ではない僕でも、西部劇の乾いた空気と砂埃、カウボーイハットをかぶったキザな男を思い浮かべてしまう響きだ。

 

一方、オースティンはどうだろうか。どれくらい知名度のある地名なのだろうか?(当方ダジャレは好物なので悪しからず)ブルゾンちえみでお馴染みのオースティン・マホーンを連想する人も多いかもしれない。地名がファースト・ネームなのか、彼。

 

初めての海外渡航にビビって買ったかの有名な「地球の歩き方」には、およそ10ページ取り上げられているが、これは多くはない方だろう。ど定番の観光スポットでないことはたしかだ。

 

では、オースティンにはSXSW以外にどんな見所があるのだろうか?

 

この記事では、SXSWというお祭り騒ぎのステージとなるオースティンのオススメスポットをエリア毎に紹介したい。あまりに強烈なフェスティバルであるSXSW。その爆音の渦に呑まれるように、あるいはそれらを包み込むように存在している景色を見ていただきたいと思う。

 

「SXSWには興味があるけど、せっかく行くならそれだけでは物足りない!」という方へ。

オースティンのプロフィール

オースティンはどんな街なのか?まずは基本情報から。

 

オースティンはテキサス州の州都。人口はおよそ95万人で、福岡県北九州市くらい。面積は北九州市の約1.4倍なので広めの北九州市と思ってもらえればいい。

 

ダウンタウンの北に、アメリカでも最大規模を誇るテキサス大学オースティン校を擁する学園都市。さらに近年はIT産業が隆盛を誇っており、ビジネス街としても発展を続けている。今まさに建設中の高層ビルもたくさんあった。学生の街であり、ビジネスの街なのだ。今回のアメリカ渡航の往路で感じたことだが、乗り継ぎのダラスからオースティンに向かう飛行機の中には、それまでとは違い本を読む人が多く目についたのもそのためかもしれない。

 

でも何より、オースティンはやはり音楽の街なのだ。それはSXSWのメインストリートである6thストリートを見れば明らかだ。

ライブ会場が立ち並ぶ6thストリート

6thストリートの景色にはやはり興奮させられる。SXSW期間中は歩行者天国化されている道の両側には、ライブができる飲み屋やパブが無数に立ち並び、爆音がそこかしこから聞こえてくる。音漏れという概念はない。むしろ放っているといったほうがいいだろう。日が傾くにつれ、何本もの通りが人で満たされていく。歩くのが難しいほどの場所もある。どこにいても音楽が聞こえる、歓声が聞こえる。オースティン、ワクワクさせてくれるぜ。

街並み

アメリカのサイズ感、土地が余っている感を感じながら歩くのはとても気持ちがいい。オースティンの街は東西に数字の割り振られた通りが走り、南北にはそれぞれ名前がつけられた通りが走っている。そう、歩き慣れた京都のようである。おかげで初めての街だが歩きにくくはない。

 

気になるのは、土地の起伏が激しいこと。SXSW本部のコンベンションセンターからホテルに戻るのにも、坂を登って降りて、また登って降りてしなければならない。そんな土地だからだろうか、駐車場まで傾斜の強いところがいくつもあって、おもしろく思った。駐車場といえば平らだと思い込んでいたことに気づく。平らにする手間を惜しんで、「ま、これでいいでしょ」という感じなのだろうか?

日本は街がきれいだ、というのはよく聞く話だが、オースティンもなかなかにきれいな街だ。そこかしこにゴミ箱が設置されている。テロに使われる恐れから撤去されていっているところも多いが、やっぱり便利だ。

 

と、前半は思っていたが、SXSWが終盤になるにつれ、メインの通りは荒れていった。たくさんのゴミと食べ残し。一番多いのは、ピザのミミだった。なんでみんなそこ残すんだよ!おいしいのに!

かなり人が少ないところで撮影。実は奥の方に人の塊が見える。

北エリア――ブラントンミュージアム、TEXAS FRENCH BREAD、Malvern Books

ここからは、ダウンタウン周辺をエリア毎に紹介する。まずは北エリア。

州議事堂

オースティンのダウンタウンのど真ん中には、大きな州議事堂がそびえ立っている。京都でいう御所にあたるだろうか。SXSWの主なイベントはこの議事堂公園とコロラド川に挟まれた、一桁台のストリートで行われている。ちなみに宿泊したホテルは11thストリートの議事堂公園のすぐ近くにあった。

 

まずはその州議事堂の裏手にある、ブラントンミュージアムという美術館をご紹介。ブラントンミュージアムはテキサス大学に付属する施設で、テキサス大学の学生は無料で入館できるようになっている。

 

入場料の5ドル(学生料金。安い!大人1人9ドル)を払いブラントンミュージアムの中へ入ると、海中を思わせる美しい青の壁と、水生動物にも見える大きなオブジェが出迎えてくれた。

ブラントンミュージアムでは、北米はもちろん、ラテンアメリカやヨーロッパの近代から現代のアートが多数展示されているほか、特別展示も行われている。僕らが行った時はエルズワース・ケリーというアーティストが取り上げられていた。2フロアの展示スペースは想像よりもとんでもなく広く、「これであの入場料かよ……」と驚いた。教育機関だからこそできることだろう。

 

併設されたカフェで途中お昼ご飯も挟みつつ、気づいたらまるっと4時間くらい堪能してしまっていた。観光の定番である美術館だが、ここまでゆったり濃密に楽しめるのは素晴らしいことだと思う。ロイ・リキテンスタインやアンディ・ウォーホルといった著名なアーティストの作品も所蔵されており、絵画も立体物もさまざまな美術品が見られるのでアートに興味のある人にはぜひ訪れてもらいたいスポットである。

エルズワース・ケリーの建築作品。中に入ることもできる。

さらに北、テキサス大学の横をタクシーで北上したところに2軒素敵なお店があったのでご紹介したい。TEXAS FRENCH BREADとMalvern Booksだ。

 

ともにコインランドリーのすぐそばにあるため、ランドリーが併設されていないホテルに滞在する際にはここに来ることもあるだろう。さらにここは、ライブの会場にもなるSpider Houseという有名なレストランと目と鼻の先でもある。

TEXAS FRENCH BREAD
店内
アメリカーノとクロワッサン

TEXAS FRENCH BREADはゆったりとした空間がとても居心地のいいカフェで、コーヒーもご飯も美味しい。とくにクロワッサンが絶品だった!濃厚なバターの味がたまらない。サンドイッチもメニューが豊富で選ぶのに時間がかかるほど。サイズも十分、ナチョスまでついてくるサンドイッチのセットで満腹になり、お店をあとにする。最後に映画に出てきそうなタイプの、素朴で何か目を引くものがある店員さんに笑顔で見送られ、身も心も大満足。

 

Malvern Books

Malvern Booksはその向かい側にある本屋さん。小さな個人経営のお店だと思われ、品揃えよりセレクトを重視していることは、手描きのポップがたくさんあることからもひしひしと伝わる。さらには読書会も定期的に催されていたり、欧米ではよくあるReaders Clubもあったりするようだ。大学が近いこともあり頷ける。そして本だけでなく、オリジナルのTシャツがありこれがまたかわいくてついつい買ってしまった。お気に入りである。

 

次は西エリア、Whole Foods Market、Waterloo Records、ホープ・アウトドア・ギャラリーをご紹介。

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