【SXSW 2018】結果だけではつまらない?イノベーション・アワードのショーケースを覗いてみた
インタラクティブのイベントの目玉として、『INTERACTIVE INNOVATION AWARDS』がある。過去にはTwitterやAirbnbが受賞しており、登竜門的な存在であり、インタラクティブのイベントでは外せないうちのひとつ。アワードを迎えるにあたって、事前にノミネートされたサービスに触れられるショーケースがヒルトンホテルで開かれている。アワードの結果は多く報じられている一方で、ショーケースやアワードそのものを報じているニュースは少ないように思う。本記事と別途上げるアワード当日の記事から会場の雰囲気を感じてもらえれば嬉しい。
アワードは13の部門にわかれてノミネートされており、部門ごとにファイナリストブースが並ぶ。
以降は私が気になったブースを紹介。
Jacquard™
GoogleとLevi’sがコラボレーションして作られたデニムジャケット。スナップタグと飛ばれるUSBプラグの機器をジャケットに繋ぐと、接続しているスマートフォンをジャケットの袖口から操作することができる。例えば、袖口を2回ポンポンと叩くと、音楽の再生・停止ができるといった具合だ。
GoogleとLevi’sがコラボをするきっかけを聞いてみると、「デニムを加工するには、表面を燃やす、曲がってくる生地をアイロンで伸ばすといった手間が大きくかかってくる。素材として難易度が高いデニムをクリアしてしまえば、他の素材は容易だよね。」とGoogle視点でLevi’sとコラボをした理由を教えてもらえた。最難関からクリアしていこうとする姿勢にハッとさせられる。
導電性の糸が袖口に縫製されており、この糸が縫い込まれた袖口を触ることで接続したデバイスをコントロールする。スナップタグを外せば洗濯もOKで、ハードに使いたいデニムのよさを残したままテクノロジーと融合されているのが素敵な点。残念ながら販売はアメリカ国内のみ。滞在中にオーダーをしてゲットすることに成功した。使ってみての感想としては、着心地もよく、デニムジャケットとして着るだけでも十分満足ができる。連携している端末を鳴らす機能があるので、よく部屋のどこにスマートフォンがあるかわからなくなる私としては重宝しそうな機能である。気がかりとしては、袖口の感度がよいためいつの間にか音楽が再生されていることか。
Ghostery
ブラウザのアドオンとしてインストールするだけで、広告やトラッキングをブロックしてくれる拡張機能サービス。広告のブロック機能に加えて、ページを読み込んだ時に、裏側でどれだけのトラッキングがあり、どれだけブロックしたかを手軽に見ることができる。トラッカーの制御を個別にできるのが強み。
マスコットがキュート。
Hands-Free Music
ALS(筋萎縮性側索硬化症)、脊髄損傷といった身体に障害を持つ人に向けて進められているマイクロソフトのプロジェクト。目の動きだけで操作ができ、音楽の演奏や作曲が可能となる。
タブレットを支えている位置に目線を捉えるセンサーがついており、目線を動かすことでマスを選び、どの楽器をどの拍子に鳴らすかを決める。
実際に体験をしてみると、細かな目線の動きに反応してくれる。感度はかなりよい。
実際の楽器と連動もできる。
LEGO HOUSE FISH Designer
端的にいうとレゴの水族館。レゴで組み立てた魚(魚でなくてもよいが)をスキャンすると、バーチャルの水族館でその魚が泳ぐというもの。
組み立てたレゴをスキャンするとモニターに転送され表示される。目と口を選び完了させると、
オリジナルの魚がヴァーチャル水族館に放たれる。
この手のコンテンツは似たものもあるが、組み立てる楽しさとバーチャルの融合はレゴならでは。
Read to me
子供に絵本を読見きかせ始めると、音声認識機能搭載のプロジェクターが物語に適した映像を投射してくれる。
一部のノミネートでは展示がないものもあったが、多くのノミネートはショーケースに展示がされている。
インタラクティブを中心としてSXSWに参加するのであれば、『INTERACTIVE INNOVATION AWARDS』のショーケースはぜひ覗いてみて欲しい。新進気鋭のスタートアップ企業からはサービスにかける思いと熱量を、Googleやマイクロソフトといった牽引する企業の新しい取り組みからは挑戦を続けていくマインドを感じ取ることができる。このようなサービスを直接手で触り、目で見て体験をすること、そして実際に作っている人と話すことはまたとない機会である。
各部門から勝者が選ばれるアワードはショーケースとは別日に開催。レポートも別途お届けする。
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華の87年世代。
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