COLUMN

書評企画『365日の書架 』〜6月のテーマ 旅の支度をしたくなる〜

BOOKS 2020.06.01 Written By 丹 七海

はじめに

皆さんは、自分の人生を変えた本に出会ったことはありますか?生き方の羅針盤になったり、毎日をちょっと素敵にしてくれたり、新しい価値観を教えてくれる力が書籍にはあります。そんな出会いを与えてくれる場所の一つが、個人の書店です。店主が独自の目利きで選書した書籍は、そのお店でしか出会えないものばかり。他では触れられない、様々な出会いに触れることができるでしょう。

6月のテーマ『旅の支度をしたくなる』

今月から始まる『365日の書架』は、関西の書店がおすすめする書籍を紹介する連載企画。参加店舗はシカク、とほん、只本屋、ホホホ座の4店舗です。ちょっとニッチな世界を紹介する本や、自分自身の人生を考えさせられる本まで、唯一無二のセンスを持つ店主おすすめの書籍を、テーマに添って紹介していきます。6月のテーマは「旅の支度をしたくなる」。なかなか自由に外出できない日々が続きますが、だからこそ、本を通していつかの旅に思いを馳せてみてはどうでしょうか。リュックに荷物を詰めたり、行きたい景色を思い浮かべる。支度をするだけで、なんだかわくわくしてきませんか?

シカクが選ぶ今月の1冊

『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』 

著書:スズキナオ
出版:STAND! BOOKS
発行:2019年

 

旅というのは「気持ちを日常と違うところへ動かすこと」だと思う。遠くに行かなくても、なんなら家から出なくても旅をすることはできる。『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』という本には、休日に遠出をする以外の「旅」のヒントがたくさんつまっている。友達の「マイ史跡」を訪ね歩いたり、スーパーの半額肉だけで焼肉パーティーをしたり、近所の公園や川にアウトドア用の椅子を置いてお酒を飲む「チェアリング」をしたり。日常の延長線上にある楽しみを見つけ出す著者の姿勢をひとしきり楽しんだあとは、自分も日常の中で何か新しい楽しみ方ができないか、と考え始めるだろう。そして、そういう気持ちになることこそ「旅の支度」といえるはずだ。

 

購入方法:こちらの通販サイトでお買い上げいただけます。

住所

〒554-0013 大阪府大阪市此花区梅香1-6-13

営業時間

13時〜19時(火曜・水曜定休)

Webサイト

http://uguilab.com/shikaku/index.html

オンラインストア

https://shikaku-online.shop-pro.jp/

とほんが選ぶ今月の1冊

『スマイルバスで行くディープな吉野の旅』

著書:磯崎典央(吉野スタイル)
出版:吉野スタイル
発行:2020年

 

万葉集の歌に詠まれ、歌舞伎や能の舞台ともなった奈良の吉野。そんな歴史を堪能するバスツアーとして大人気だった「スマイルバスで行くディープな吉野の旅」こちらのツアーは全50回にて完結。そのツアーの内容がこの度1冊の本になりました。吉野に培われた壮大な歴史と文化が丁寧に整理された内容はおうちで熟読するのにぴったりです。読むほどの吉野の景色の向こうにディープな物語が重なっていきます。落ちついたらこの本を片手にぜひ吉野に。

 

購入方法:こちらの通販サイトからお買い上げいただけます。

住所

〒639-1134 奈良県大和郡山市柳4-28

営業時間

11時〜17時(木曜定休)

Webサイト

https://www.to-hon.com/

オンラインストア

https://tohon.shop-pro.jp/

只本屋が選ぶ今月の1冊

『BACKPACKER』 

著書:慶應義塾大学公認学生団体S.A.L. 
出版:慶應義塾大学公認学生団体S.A.L. BACKPACKER編集部 
発行:不定期発行

 

Stay Homeを余儀なくされ、季節は春から夏へ移り変わる。想いを馳せるのは遠く彼方の風景。ウズウズとしている中で手にしたのは、旅に出たくなるフリーマガジン「BACKPACKER」。慶應義塾大学の団体「S.A.L.」が発行しているこの媒体には、国際問題の現状を伝える 「Send out」、 助けを求めている人への支援・協力の手を差し伸べる 「Aid」、 世界の現実を知る、学ぶ 「Learn」という3つの想いが込められている。次はどこへ行こう。そんな思いにかられる一冊。

 

購入方法:ONLY FREE PAPER、只本屋、はっちなど全国のフリーペーパー専門店で手に入れることができます。

住所

〒605-0871 京都府京都市東山区慈法院庵町594−1

営業時間

毎月末の土・日
(時間帯は月によって変わります。 詳しくは只本屋公式ツイッターをご確認ください。)

Webサイト

https://tadahon-ya.com/about/

オンラインストア

https://tadahonya.thebase.in/

ホホホ座浄土寺店が選ぶ今月の1冊

『NEUTRAL COLORS 創刊号』

著書:加藤直徳
出版:NEUTRAL COLORS{NC} 
発行:2020年

 

『NEUTRAL』、『TRANSIT』、『ATLANTIS』というトリップ誌をこれまで世に放ってきた編集者・加藤直徳による古本のような最新型雑誌。ホホホ座の上にあるリソグラフスタジオ・HANDSAWPRESSにて 「オフセット & リソグラフ」混合で印刷された昭和の週刊誌のような厚みのある中綴じマガジン。創刊号の特集は、人生とインド。インドの出版社、タラブックス訪問記や現地で見つけたイナタいお土産品紹介などとにかくカッコイイ1冊。

 

購入方法:こちらの通販サイトからお買い上げいただけます。

住所

〒606-8412 京都府京都市左京区浄土寺馬場町71 ハイネストビル1階

営業時間

11時〜19時(年中無休)

Webサイト

http://hohohoza.com/

オンラインストア

https://hohohozazaza.stores.jp/

WRITER

RECENT POST

REVIEW
POINT HOPE『Houi』 – 美しさと激しさが絡まり生まれたサウンドは、私たちの…
COLUMN
書評企画『365日の書架』〜11月のテーマ ノスタルジアを感じる〜
COLUMN
書評企画『365日の書架』〜10月のテーマ 家族の形を描いた〜
COLUMN
書評企画『365日の書架』〜9月のテーマ 人生の羅針盤になる〜
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -丹七海 ③放送部編-
COLUMN
書評企画『365日の書架』〜8月のテーマ 毎日の風景が少し変わる〜
COLUMN
書評企画『365日の書架』〜7月のテーマ 大切な人と読みたい〜
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -丹七海 ②音楽との出会い編-
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -丹七海 ①西尾維新編-
SPOT
狐菴 KissaCo
REVIEW
浪漫革命 – NEW ISLAND ROMANCE

LATEST POSTS

COLUMN
【2024年11月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シー…

REPORT
『京都音楽博覧会』を糧に、可視化された京都のサーキュラーエコノミー-資源が“くるり”プロジェクトレポート

思わぬものが‟くるり”と変わる。それがこのプロジェクトの面白さ …

INTERVIEW
あの頃、下北沢Zemでリトル・ウォルターを聴いていた ー武田信輝、永田純、岡地曙裕が語る、1975年のブルース

吾妻光良& The Swinging BoppersをはじめブレイクダウンやBO GUMBOS、ペン…

COLUMN
【2024年11月】今、東京のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「東京のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」京都、大阪の音楽シーンを追っ…

REPORT
これまでの軌跡をつなぎ、次なる序曲へ – 『京都音楽博覧会2024』Day2ライブレポート

晴天の霹靂とはこのことだろう。オープニングのアナウンスで『京都音博』の司会を務めるFM COCOLO…