EVENT

The Flavour of Power─紛争、政治、倫理、歴史を通して食をどう捉えるか?

ART 2023.05.08 Written By 大城咲和

〈山口情報芸術センター[YCAM]〉で、展覧会『The Flavour of Power─紛争、政治、倫理、歴史を通して食をどう捉えるか?』が、6月25日(日)まで開催されている。

山口情報芸術センターでは、作品制作や教育、地域課題や資源の発見などテクノロジーを応用した多くのプロジェクトが行われている。政治や社会、バイオテクノロジーなどの観点から「食」を捉え直すプロジェクト「食と倫理リサーチ」の成果を発表する本展は、コラボレーターのアーティスト集団「バクダパン・フード・スタディ・グループ」による日本初の個展でもある。

 

バクダパン・フード・スタディ・グループは、社会が食に与える影響と倫理感をリサーチし、作品を通して実践するグループ。日本とインドネシアの食における関わりや、モノカルチャー経済といった課題を映像やゲームといったメディアで発表する。

《Hunger Tales(ハンガー・テイルズ)》は今回の作品のひとつ。アジア・アート・ビエンナーレにも出展された、食糧危機に巻き込まれる感覚を体験するゲームだ。今回のために日本語バージョンが開発され、ゲームのテストプロセスをYCAM教育チームが担っている。テーマソングにも多くのアーティストが関わっており、事前申し込みの体験会も開催されている。

 関連イベントでは、野草採集とバイオテクノロジーから食を考える「プリーズ・イート・ワイルドリー×YCAMバイオ・リサーチ」​​を開催。野草採集はバクダパンの活動のひとつであり、YCAMやwccworks / plain代表の岩光大祐とともに野生植物の可能性を探求する。

生きるうえで欠かせない「食べる」という営み。今まで食について深く考えたことがあったかと思うと素直に頷けない。食べることと無関係ではない私たちが、これからどのように食と向き合うのかを考えるきっかけとして、ぜひ足を運んでほしい。

 

The Flavour of Power

日時

3月11日〜6月25日

会場

山口情報芸術センター[YCAM]スタジオB、2階ギャラリー

料金

無料

Webサイト

https://www.ycam.jp/events/2023/the-flavour-of-power/

関連イベント

プリーズ・イート・ワイルドリー×YCAMバイオ・リサーチ
3月18日(土)〜6月11日(日)
場所:ホワイエ集合
料金:無料

 

ハンガー・テイルズ体験会
4月1日(土)〜5月28日(日)内4月、5月の毎週土日
10:00-12:00
13:00-15:00
16:00-18:00

場所:2階ギャラリー
料金:無料

※要申込

WRITER

LATEST POSTS

REPORT
退屈の先へ。逆境を打ち破る『不時奏』のこれから【きょうもどこかで音楽が Vol.3】

ライブハウスに集まる人がイベントを育て、それがライブハウスの一つの顔になる。数あるライブハウスの中で…

COLUMN
【2025年3月】今、西日本のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「各地域のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」このコラムでは、西日本エリ…

COLUMN
【2025年3月】今、東日本のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「東日本のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」今聴いておきたい注目のアー…

INTERVIEW
マリンビスト松本律子が採集する会話・民話・自然音-福島県川俣町でのアルバム制作に至る、彼女の生きる道

マリンバ奏者の松本律子が、2025年2月7日にアルバム『Dear KAWAMATA』を発表。福島県川…

INTERVIEW
音楽が好きな人の気持ちを後押しする 町の小さなレコード屋〈cuune〉

cuune 住所 〒910-0018福井県…