What happens next?

京都の音楽シーンは、ひとつの転換点を迎えている。

 

変化は日々肌で感じていたものの、改めてこの10年を振り返ってみたときにあまりの景色の違いに驚かされる。学生が多い街だけあって、シーンの入れ替わりは定期的に発生する。それでもここ1、2年の変化は特に大きい。ただ、変化は急に起きたものではない。気づいたもの、気がつかなかったもの。その萌芽はこの10年の間そこかしこの日常に潜んでいたはずだ。

 

この8年、この街で起こるさまざまな「今の出来事」を見てきた自分たちだからこそ振り返られるものがある。そう信じ、大それたテーマだが意を決して特集に据えることにした。いつか、誰かがこの10年を振り返ることができる一助にできればと思う。だって、この街の音楽はずっと面白かった。

#Guide To New Scene
京都から起こる新たな胎動、ここに察知
ここに並ぶ記事は京都の最前線。つまり過去を引き受けながらも、現在を彩り、未来のシーンを形成していくアーティストの動向を追い求めたガイドとなっている。その初期微動のビートは京都のみならず、全国や海外にまで鳴り響いている。
#外からのまざなしと、媒介者たち
外側だから見えること、
外側だからできること
この企画で紹介するストーリーは「京都の音楽をつなげたり」、「京都へ音楽を持ち込んだり」した記録だ。えてして自分たちの価値や立ち位置は、中にいるだけでは見えてこない。外からのまなざしがあって、はじめてわかることがあるものだ。新しいものごとはいつだって、外の世界からやってくる。
#アンダーグラウンド京都
Do it! Do it! Do it!
アンダーグラウンドシーンの震源地、〈WHOOPEE’S〉が2011年に閉店。そこから10年が経ち、雑多なジャンルが入り乱れた京都の音楽は、現在どのような形になっているのだろうか。当事者として、あるいは近くでその隆盛を感じてきた人たちに、当時のことはどう見えていたのか。そこに、これから京都の音楽がどう息づいていくかの手がかりがあるかもしれない。
#プレイバックメモリーズ
耕されてきた土壌に目を向ける
鳴らされた音楽たちは、その瞬間だけのものではない。これまでに連綿と培われた土壌が豊かな音楽を生み出したように、この10年で生まれた音楽もまた次の10年を生み出す礎になっていくはず。この先を占うために、この10年をまなざしていく。
#ANTENNAが見てきたボロフェスタ
京都シーンの躍動と、移りゆく時代の脈動
2021年に20周年を迎えた、京都のインディペンデントな祝祭ボロフェスタ。ここには京都シーンの歩みと、時代とともに試行錯誤してきたDIYの精神が強く刻まれている。ANTENNAでは2014年からボロフェスタを取材。この8年のアーカイブを通して、京都の街で鳴ってきた音の変遷と変わらないスピリットを感じてもらいたい。