古本屋弐拾dB 京都出張所 深夜の古本屋
人々が寝静まる23時、広島県、尾道の古本屋〈弐拾dB(ニジュウデシベル)〉は開店する。
店主・藤井基二が営む〈弐拾dB〉は、近所に住む年配客から観光客、若者まで、さまざまな人が夜をいつもより少しだけゆっくりと過ごすための隠れ家となっている。定休日の木曜を除いて、平日は23時から3時まで、土日は日中にオープンする一風変わった営業形態で、店頭には古本をメインに店主がセレクトした新刊が並ぶ。
2016年のオープンから7年経ち、京都の大学出身の念願となる京都出張営業が決定した。出張営業は、6月21日(水)〜6月23日(金)の3日間。京都、JR円町駅の近くにある銭湯〈源湯〉のくつろぎスペースで行われる。
会場の源湯は、老朽化する建物と設備を修理し、工事を重ねてリニューアルした銭湯だ。銭湯でありながら、ギャラリー〈氵(さんずい)〉や、古着や本、CDが並ぶ〈あきよし堂 〉が併設されており、好奇心をくすぐる場所として親しまれている。
弐拾dBは元々診療所だった建物を活用して始まった古本屋。町屋のリノベーションが多く行われている京都と、「尾道空き家再生プロジェクト」が進んでいる尾道には歴史的建造物が多く残っているという共通点があり、銭湯と古本屋には今と過去をつなぐ場所としての魅力がある。この出張営業はそうした時間の枠だけでなく、300km近く離れた尾道と京都という土地をも結ぶものになるのだろうか。
出張営業の開店時間は20時から25時。遅い時間から始まるため、仕事や学校の帰りに寄ることも簡単にできそうだ。文学や詩歌、アート、料理、絵本、思想など、さまざまな本が集まる弐拾dBから風呂上がりにぴったりの本がやってくる。湿気を吹き飛ばす1冊を見つけたい。
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2002年生まれ。京都市立芸術大学 美術学部 総合芸術学科在学。つよくてやさしい言葉が好き。休日は窓のない部屋で本を読んでいます。
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