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ソキュウ『顔皮-ganpi-』

ART 2019.11.06 Written By 児玉 泰地

ソキュウは「人間の愚かさに着目した作品を展開する」ことを標榜して、京都で活動する劇団。脚本・演出・音楽を担当する主宰の美女丸、照明担当の羊毛、宣伝美術・広報担当の天知ひまりの3名で構成され、役者は公演ごとに集めている。

そんなソキュウが2019年11月8日(金)〜10日(日)に、人間座スタジオにて新作『顔皮-ganpi-』を上演する。コンセプトは下記の通りだ。

劇場の中央にアクティングエリア。私たち観客はその周囲360度で、
自由に歩き回ってよい
いつでも外に出てよい
ドリンクを飲んでよい
誰かとお喋りしてよい
上演中に撮影してよい

通常、上演時間中は椅子に座って飲食撮影もできず、ステージを見るしかない演劇公演において、演劇の公演というより、美術の展示に近い印象を受ける。

 

さらにフライヤーには本作について、このように表現されている。

私たちが笑ったり、泣いたり、怒ったりすると、表情それは顔、に変化があらわれます。 表情によって変形する顔、を私たちは搭載済みです。
ただし過程は秘匿されてきました。
心と体の繋がりを、他人の私が感じられないのならせめて、
皮膚
だけでも知りたいと思いました。
それはおもしろい。他人はおもしろい。あなたは、ーー私は面白い。
あなたもしらないあなたの

これはあくまで仮説だが、今作は役者の顔に注目してもらうために、どこからでも役者を見られるようにしたのではないだろうか。思えば、相手の視線を気にせずに他人の顔を注視できる機会はそうそうない。役者の顔をあらゆる角度からじっくり観たときに、あなたは何を考えるだろうか?既存の公演形態にとらわれないソキュウの提示する空間を、銘々の解釈で体験していただきたい。

ソキュウ『顔皮-ganpi-』チラシ裏面
公演

ソキュウ『顔皮-ganpi-』

出演

阿僧祇(演劇集団Q)、イサナヤコウ(第三劇場)、夏井菜月、松田善希(パートナーズプロ)

スタッフ

劇作・演出・音楽:美女丸

舞台監督:釈迦谷悟

照明:羊毛

音響:岩谷紗希

制作・舞台監督:新原 伶(劇団なかゆび)

広報・宣伝美術:美女丸

制作補佐・広報補佐:天知 ひまり

会場

人間座スタジオ

( 〒606-0865 京都府京都市左京区下鴨東高木町11−10 )

Google Map

日時

2019年11月8日(金)〜10日(日) 全4ステージ

8日(金)19:00〜

9日(土)14:00〜 / 19:00〜

10日(日)14:00〜

※開場は開演と同時

料金

前売 一般:1,500円 学生:1,200円

当日 一般:1,800円 学生:1,500円

お問い合わせ

Mail:sokyu.is.sokyu@gmail.com

Twitter:sxq_qxc_exj

助成等

京都芸術センター制作支援事業

主催

ソキュウ

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