言葉は今どのように更新され、機能しているのだろう?

言葉は常に変容したり、新たに生まれたり、シンボルとなって時代を表し、潮流をつくってきた。しかし今、言葉が軽んじられてきている気がする。都合のよい新語が知らないうちに生活に組み込まれたり、倫理観を失った文章が日々誤解を招いてはすぐに撤回されていく。その度に柳美里の対談集のタイトルを思い浮かべる、「沈黙より軽い言葉を発するなかれ」。

 

ANTENNA Vol.2で掲げる特集テーマは「言葉の力」にした。
私たちが扱うカルチャーの中で言葉は今どのように更新され、機能しているのだろう?そしてそれが社会やコミュニティ、ライフスタイルの中でどのような意義をもたらしているのだろう?言葉を手段としている私たちだからこそ、改めて向き合い、学んでいきたい。

#創る翻訳
翻訳家は表現者なのか?
作家の言葉を読者へ繋げる翻訳には、どこか機械的な作業のようなイメージがある。でもそこから生まれる言葉は、時に作者になり、時に作品の登場人物になり、そして時には読者にもなりながら、最適な表現を選びとっているはず。翻訳・通訳には表現の創造性と可能性がまだまだあるはずだ。
#食とことば
食とことばの関係性
食べることは誰もが行う普遍的な行為である一方、とても個人的な行為だ。同じものを食べても、感じ方は人それぞれ。だから食べものについての表現も、それぞれに違ったものになるはずだろう。言葉を発することのない食べものに言葉を託す人々に、その想いを聞いた。
#魔法の言葉と呪いの言葉
その言葉は「魔法」か?「呪い」か?
意図的にかどうかに関わらず、言葉がチカラを持つことがある。そのチカラが、魔法のようにプラスに働き、モチベーションを上げることもあれば、呪いのようにマイナスに作用し、身動きがとれなくなることもある。思い返せば、誰しもがそんなチカラのある言葉に翻弄された経験があるのではないだろうか。あなたにとって「魔法の言葉」、「呪いの言葉」ってなんですか?