PATERSON パターソン
毎日まいにち、くり返しの日々。目の前には処理しなければならないことが積もっている。生きるためにそれらと戦っているうちに、すり減っている自分に気づく。仕方のないことだろうか?
『ナイト・オン・ザ・プラネット』や『コーヒー&シガレッツ』など、彼らしい世界観で映画を撮り続けてきた巨匠、ジム・ジャームッシュ。前作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』は、京都みなみ会館とアンテナの共同オールナイト上映イベント「思わず誰かと話したくなるナイト」でも上映され、3本立ての3本目として緩やかに朝へと導いてくれた。
そんな前作から約3年ぶりの新作『PATERSON パターソン』が、9月23日から四条烏丸にある京都シネマにて公開される。
舞台はアメリカ、ニュージャージー州パターソン。そこに暮らすバス運転手、町と同じパターソンという名を持つ男の一週間の日々がスクリーンに映し出される。彼は詩をこよなく愛し、彼自身もまた毎日詩を書きながら暮らしている。朝、勤務前のバスの中で。昼、休憩中の公園で。彼の書く詩とともに、物語は進んでいく。
『パターソン』予告
丁寧に、丁寧にくり返される彼の日常風景の描写を眺めるうち、僕は自分の中のすり減った部分に触れる。目の前のことに囚われ過ぎて、ひとつひとつのことを味わって生活することを忘れてしまっている。どういう気持ちで、どういうことを感じながら生きていきたいか。大切なことを大切にできていないかもしれない。
個人の生活はそれぞれまったく違う呼吸を持っている。けれど、『パターソン』を見ると、「普遍性」のようなものを感じる。生活はいつも、そのままで美しい。
上映期間 | 9月23日(土)〜10月27日(金) |
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場所 | 京都シネマ |
WRITER
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1997年生まれの大学生ライター。
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ブログ「九六フィートの高さから」では、かっこわるいことをかっこつけて書いておりますが、別にかっこついてないです。