REVIEW
24K Magic
Bruno Mars
MUSIC 2018.03.07 Written By 小川 あかね

スターたちのルーツと土台

先だっての第60回グラミー賞にて、主要3部門を含む6部門を受賞したブルーノ・マーズ。年間最優秀アルバム受賞時のスピーチでは、10代の頃、故郷のハワイで観光客を楽しませるためにショウで歌っていたこと、当時好んで披露していた曲の多くが、ベイビー・フェイスやジャム&ルイス、テディ・ライリーなど、80年代から90年代に活躍したR&Bアーティストたちが作った曲であったこと、そして、そこに自分なりの味付けをしたのが『24K Magic』だと語り、「僕の礎を作ったヒーローたちにこの賞を捧げる」と繰り返していた。

 

『Man of the Woods』を、メンフィス生まれのジャスティン・ティンバーレイクの出自を見つめた作品と捉えるなら、『24K Magic』もまた、ハワイの地でエンタティナーとしての才能を開花させたブルーノ・マーズの、ルーツに根ざした作品と捉えることができる。それにこの二人は、ショウビズの世界に身を置く男性ソロシンガーとして、スターという役割を請け負っている面でも共通している。また、先日のスーパーボウルのハーフタイムショーで、ジャスティン・ティンバーレイクはプリンスの「I Would Die 4 You」をカバーしたが、昨年グラミー賞の舞台で、プリンストリビュートのステージを任されたのがブルーノ・マーズだったことも記憶に新しい。

第一回 :Justin Timberlake - Man Of The Woods

選定者:ki-ft

The Velvet Rope「Got 'til It's Gone」 - Janet Jackson
Purple Rain - Prince
24K Magic - Bruno Mars
Musical Massage - Leon Ware
Justin Timberlake - Man Of The Woods
Down To Earth Soundtrack (SNOOP DOGG「Gin and juice」) - Various
Traveller - Chris Stapleton
Hidden Figures Soundtrack - Various
Wanderlust - Little Big Town

その他のレビューを見る

WRITER

LATEST POSTS

INTERVIEW
黒沼英之がEP『Lonely together』で描いた、寂しさの本質。旧友・小橋陽介のアトリエにて

10年間の音楽活動休止を経て、復帰後初のEP『Lonely together』を11月26日(水)に…

REVIEW
曖昧さを受け入れながら考え続けることのすゝめ – 櫻木勇人『余白』

曖昧さを受け入れながら考え続けることのすゝめ 曖…

COLUMN
【2025年11月】今、西日本のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「各地域のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」このコラムでは、西日本エリ…

REPORT
ボロフェスタ2025 Day3(11/3) – 街の底に流れるドン・キホーテの精神

「私たちがいつでも帰れる居場所」。昨年の『ボロフェスタ2024』のライブレポートでそう書いた。これは…

REPORT
ボロフェスタ2025 Day2(11/2) – 音楽と生きていく。孤独が解けたこの場所で

2025年11月1日(土)から3日間にわたり『ボロフェスタ2025』が開催された。今年は、『ナノボロ…