REVIEW
The Melbourne Divide
Various Artist
MUSIC 2018.05.23 Written By 杉山 慧

このレビューは、計8枚のアルバムから、中心に配置した1枚のアルバムのバックグラウンドを紐解く、ki-ft・アンテナ共同企画【3×3 DISCS】のレビューのひとつです。

 

企画詳細はこちらをご確認ください。

ナードマグネットと繋がりを感じさせるメルボルンのレーベルコンピ

オーストラリアはメルボルンに拠点を置くパワーポップバンドのウェリントンズ。ナードマグネットとは、『エンド・オブ・ザ・サマー』(2017年)の日本盤ライナーノーツを須田亮太(Vo/Gt)が執筆し、同年のジャパンツアーの内5公演でも共演。またどちらも一聴すればウィーザーなどに代表されるパワーポップバンドから影響を受けているのは一目瞭然で、相思相愛の関係であると言い切っていいだろう。上記のアルバムの核となるタイトルトラックは、アコースティックギターとハーモニーを基調としたポップソング。ギターのアルペジオはナードマグネット『MISS YOU』収録の「グッバイ」と示し合わせたようであり、どちらかがワザと寄せていったのではないかと思わせる。

 

この曲は元々、Zac Anthony(Vo/Gt)の前身バンドSarah Sarahからのレーベル元でもある地元メルボルンに拠点を置く《Popboomerang Records》のショーケース用に作られたコンピレーション『The Melbourne Divide』(2016年)に収録された楽曲である。この曲以外にも、Bryan Estepa & The Tempe Twoは「グッバイ」に、Michael Carpenterは「海辺のルーシー」に通じる所があるなど、ウェリントンズ以外にもナードマグネットとの音楽的な繋がりを感じさせる、面白いアルバムだ。

第二回【3×3 DISCS】:ナードマグネット『MISS YOU』を中心とした9枚のアルバム

選定:ki-ft・アンテナ

Guppy - Charly Bliss
真夏の目撃者 - GOING UNDER GROUND
Welcome Interstate Managers - Fountains Of Wayne
HO17 - HOLIDAYS OF SEVENTEEN
MISS YOU - ナードマグネット
The Melbourne Divide - Various Artist
Siamese Dream - The Smashing Pumpkins
CAMERA TALK - FLIPPER'S GUITAR
Make Believe - Weezer

これまでの【3×3 DISCS】

WRITER

RECENT POST

REVIEW
Musical Massage – Leon Ware

LATEST POSTS

COLUMN
【2024年7月】今、大阪のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「大阪のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シーンを追…

REVIEW
東京であぐねる一人の社会人による暮向の記録-砂の壁『都市漂流のために』

何かを期待して上京したある若者。数年過ぎて、東京での生活は慣れたもんだし、仕事に追われる毎日にすら何…

COLUMN
『まちの映画館 踊るマサラシネマ』 – 人生が上手く行かないあなたに贈る、映画館の奮闘記

〈塚口サンサン劇場〉はテーマパークのような映画館だ。スタッフや観客がステージで踊る。ゾンビメイクをし…

COLUMN
【2024年7月】今、東京のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「東京のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」京都、大阪の音楽シーンを追っ…

COLUMN
【2024年7月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シー…