EVENT

映画『ウエスト・サイド物語』(午前十時の映画祭)

MOVIE 2019.12.12 Written By 児玉 泰地

映画『ウエスト・サイド物語』が12月13日(金)~26日(木)まで、TOHOシネマズ 二条ほかで上映される。

 

特に素晴らしい傑作娯楽映画を選び、全国の映画館で1年間にわたって連続上映する『午前十時の映画祭』の一作。ニューヨークの下町を舞台に、不良グループ同士の抗争、その渦中で芽生える、トニーとマリア、グループの垣根を超えた許されない恋を描いたミュージカル大作。劇団四季が上演している舞台も有名だ。

 

現在、スティーヴン・スピルバーグが監督を手掛けるリメイク版が製作されている。ファーストルックも公開された。

リメイク版『ウエスト・サイド物語』ファーストルック

中央で手を繋いでいるのが、主役のトニーとマリア。映画『ベイビー・ドライバー』や『クリミナル・タウン』に出演したアンセル・エルゴートがトニーを演じる。マリア役として抜擢されたのは、3万人のオーディションから選ばれたレイチェル・ゼグラー。以前からYouTubeやSNSで名曲のカバーを歌う動画を公開している。映画やテレビドラマなどへの出演経験はないものの、下の動画を見るだけでも歌唱力は素晴らしい。ミュージカル映画である本作でも、その歌声を発揮してくれるだろう。

 

リメイク版が公開される前のこのタイミングで、ぜひオリジナル版を観に行ってもらいたい。

 

オリジナル版で私が印象的なのは、高架下での決闘のシーンだ。真新しく、鮮やかな朱色に塗装された高速道路の下、灰色の汚れた空き地に集まる不良グループの若者たち。経済的な成長から取り残された彼らが、仲間との馬鹿騒ぎや敵対するグループとの喧嘩にしか日々の楽しさを見いだせないことを示唆しているように思えた。鮮烈な赤と汚れたグレーのコントラストも、高架がのしかかるように覆いかぶさる構図もとてもうつくしい。映画館という暗闇でこそ、その美しさに圧倒されることだろう。

タイトル

ウエスト・サイド物語

上映期間

2019年12月13日(金)~26日(木)

毎朝午前10時より上映

上映館

TOHOシネマズ 二条
TOHOシネマズ なんば
TOHOシネマズ くずはモール
ほか

料金

1作品につき、一般 ¥1,100 / 学生 ¥500(税込み)

※特別興行につき、各種サービス・割引なし。
※劇場判断により、料金変更の場合あり。
(劇場判断とは、特別な音響での上映、トークショー付き上映または、映画の日などのサービスデイ)

上映館など詳細

午前十時の映画祭公式サイト

WRITER

RECENT POST

COLUMN
【Dig! Dug! Asia!】Vol.6 後編:ジャンルを融合させるパキスタンアーティストたち
COLUMN
【Dig! Dug! Asia!】Vol.6 前編:パキスタンの「文化の床」Coke Studio …
REVIEW
FNCTR – five
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -児玉泰地 ③大和郡山 編-
REVIEW
谷澤ウッドストック – folknia
INTERVIEW
京都みなみ会館
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -児玉泰地 ②役者でない 編-
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -児玉泰地 ①靴屋のゴジラ 編-
REVIEW
谷澤ウッドストック – 無料の音楽

LATEST POSTS

REPORT
退屈の先へ。逆境を打ち破る『不時奏』のこれから【きょうもどこかで音楽が Vol.3】

ライブハウスに集まる人がイベントを育て、それがライブハウスの一つの顔になる。数あるライブハウスの中で…

COLUMN
【2025年3月】今、西日本のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「各地域のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」このコラムでは、西日本エリ…

COLUMN
【2025年3月】今、東日本のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「東日本のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」今聴いておきたい注目のアー…

INTERVIEW
マリンビスト松本律子が採集する会話・民話・自然音-福島県川俣町でのアルバム制作に至る、彼女の生きる道

マリンバ奏者の松本律子が、2025年2月7日にアルバム『Dear KAWAMATA』を発表。福島県川…

INTERVIEW
音楽が好きな人の気持ちを後押しする 町の小さなレコード屋〈cuune〉

cuune 住所 〒910-0018福井県…