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來來尸來 003便『ブレイス』

ART PR 2021.01.31 Written By 児玉 泰地

2021年2月27日 (土)~28日(日)、京都・左京区の〈恵文社COTTAGE〉にて、來來尸來(らいらいしーらい)による演劇作品『ブレイス』が上演される。

フライヤー裏面

來來尸來(らいらいしーらい)は2018年8月に結成し、京都を拠点に活動している若手劇団。テキストを二層三層に扱うことで、一つの物語に様々な情景をみせるという作風を貫いてきた。

過去公演『スパイア』舞台写真

3度目の本公演であるこの作品では、とある古本屋を舞台に物語が展開される。身体、声、転換、音、光、距 離、物、時間。さまざまな制約を受けた舞台で、平凡な会話の積み重ねと役者の振る舞い、そして常識のフィルターによって生まれる虚構をぜひ楽しんでほしい。

ご挨拶

 

通りの構造上あたりまえではあるのですが、京都というまちにいると、方向さえ合っていればたいてい目的地に辿り着けます。迷ってもたいてい左折を繰り返せば(右折でもいいけど)元にいた場所に戻って来れるこの地で過ごすことに安心していました。一方で「京都に」なのか「舞台上に」なのか、それとも「日本に」なのか「世界に」なのかはわかりませんが、多様性はあれどどことなく窮屈な環境には、多少なりとも苛立ちみたいなものがありました。

 

そんななか、來來尸來の美術担当であるいのまちあーみから「ブレイス」と名付けられた脚本が送られてきました。

 

「これはぜんぶ、{わたし}のはなし。」

 

というコピーが添えられて。いのまちとは基本的な思想や感覚がわりかし真逆でして、劇団員としてぶつかっては妥協し合っての繰り返しです。今作の根本にあるテーマも理解するのに時間がかかり、役者としてはそれが面白く、プロデューサーとしては致命的な状態です。それでも、しなやかで頑固なこのテキストを立体化した先に〈価値〉を見出せると確信しています。

 

このたびはありがたいことに京都の名店・恵文社さんのCOTTAGEをお借りすることができました。劇団としては3度目の本公演です。 表現することがゆるされる場のあることに感謝しながら、巣づくりに繋がる旅をしてまいります。

 

しき(來來尸來 プロデューサー)

あらすじ

壺と仮面と剥製が並ぶ古本屋に、夢も希望も将来もない大学生が来る。週4で。ただそれだけの物語だけれど異なるのは「女言葉」が「男らしさ」を表すということ。

 

旅に出なくて済んでいるのははるか大昔に旅に出た人間がいたからで。
彼らが本当に人間だったのかは誰にもわかりません。

 

棲み分けと痛み分け。

 

目の前に巣食いはなくても、振り返った先に未知が少しあれば。

日時

2021年2月27日(土)
start 13:00, 15:00, 17:00
2月28日(日)
start 13:00, 15:00

※上演時間は約60分を予定。

※受付開始は start の30分前。

会場

恵文社COTTAGE
京都市左京区一乗寺払殿町10 恵文社一乗寺店 南側

出演

しき(來來尸來) , タヌ(第三劇場), 横山蓮

スタッフ

脚本・演出:いのまちあーみ(來來尸來)
舞台監督:蒼樹知之(劇団抜きにくい釘)
音響:坂井美紀(トイネスト・パーク)
制作:はったみさと/越山侑季

料金

¥2,000(完全予約制)

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企画・製作

來來尸來

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