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MEMEME COFFEE HOUSE

FOOD 2020.10.19 Written By 肥川 紫乃

「等身大の自分で、楽しく働く」これは、河原町丸太町に2017年に渋谷区神山町から移転オープンしたカフェ〈MEMEME COFFEE HOUSE〉の店主・晴航平(はれる こうへい)さんが大切にしているマインドだ。その原点は、学生時代に留学したポートランドの〈Ace Hotel〉や〈Sweedeedee〉で受けた最高のサービス体験にある。その中で何よりも晴さんの心を捉えたのは、等身大で楽しそうに働くポートランダー(ポートランドに住む人たちの愛称)の姿だった。帰国後、アパレルやエンターテインメント業界、店舗立ち上げの経験を経て、彼らのように、自分が楽しく働ける場所としてお店をオープンさせた。

 

〈MEMEME COFFEE HOUSE〉を訪れると、京町家を改装した店内にはアメリカで買い付けたお気に入りのビンテージ雑貨をはじめ、京都の蚤の市で見つけたというちょうちんや赤い鯉のぼりなどが並んでいる。「好きなものを置いたら、こうなっちゃいました」という店内が、一見無秩序のように見えて調和が取れていると感じるのは、その一点一点にブレない「好き」の筋が通っているからなのだろう。好きなものに囲まれて働く晴さんに、お店をするうえで大切にしているマインドについてお話を伺うと、楽しく働くために手放したものもあったという。

 

コロナ禍でこれからの働き方を案じていたタイミングでの取材で、「本当に好きなこと、やりたいことをできている人は不安にはならないよ」という晴さんの言葉にハッとしたと同時に、その強さを羨ましいと思った。私にとって〈MEMEME COFFEE HOUSE〉は、何かに迷ったり気付きたい時に行きたい大切なお店になった。

住所

京都市上京区上生洲町210番地

営業時間

8:30〜15:00

お問い合わせ

TEL:075-211-5880

Instagram

https://www.instagram.com/mememecoffeehouse/

等身大の自分でいられるから、楽しく働ける

15年住んだ東京を離れ、京都に移り住むということは、これまで築いてきたキャリアや人のつながりを一度手放すことになる。リスクのように感じるが、晴さんにとっては、新しいことにチャレンジできる身軽さを手に入れることだった。一からお店づくりをするにあたって、どんなことにこだわったかを尋ねると「好きなことを楽しむ余裕を持つために、苦手なことは得意な人に任せるようにしたんです」と心境の変化を語ってくれた。

 

2011年に渋谷区神山町に自分の好きを詰め込んだカフェ&バー〈MEMEME〉をオープンさせた時は、自分にもお店にも、そしてお客さんにも完璧を求めてしまい、好きではじめたはずのカフェの仕事を楽しめなくなっていったと言う。人に任せる部分を作った結果、自分が好きなことだけに集中できるようになり、等身大の自分で楽しく働くことができるようになった。また、人の手が入ることで予定調和ではない新たな発見があることも楽しんでいるそうで、「いつまでも新鮮に感じるし、他のカフェが閉まってたら自分のお店に来ちゃいますね」と、3年経つ今もこの場所が一番好きなお店であることは変わらないのだという。

朝はその日一日を決める大切な時間

〈MEMEME COFFEE HOUSE〉のオープン時間は8:30〜15:00と、朝が中心だ。「ポートランドは朝から活発で、みんな朝ごはんを外でゆっくり食べながら過ごすんですよ。僕もそうしていたんですが、そうすると一日中気分がいいんですよね」そんな体験から、〈MEMEME COFFEE HOUSE〉では朝ごはんのメニューが充実している。〈ミート&デリ かわきた屋〉のソーセージグリルが乗ったサラダプレートや、〈LAND〉のバゲットを使った食べごたえのあるサンドウィッチに、東京・月島の〈BROWN’S〉のコーヒー豆を使った美味しいコーヒー。晴さんが本当に美味しいと思う食材を使ったボリュームたっぷりの体が目覚めるようなメニューが味わえる。そしてゆっくり朝を過ごしたい人のために、11:00までは好きなマグカップを選んでコーヒーをおかわりできるサービスも用意されている。

時代を捉えて変わり続けるお店

ルーツでもあるポートランドには年に一度、ビンテージ雑貨や古着の買い付けに行っていたが、10年前から通っている大好きなお店〈Sweedeedee〉が閉店したことをきっかけに、新しいカルチャーを作っていかなければいけないと思った、と晴さんは語る。その一つとして計画しているのは、お店のサロン化。「今はモノよりも人に興味があって、人の才能を発見したいなと思っています」詳しく伺うと、お店の奥のスペースを改装予定で、数人でお茶を飲みながら語らうサロンのような場所を作るそうだ。カフェに花屋や本屋がある状態が当たり前になってきている今、学びを提供できる場所があっても面白いんじゃないかと晴さんは考える。

 

最後にカフェの今後の構想を伺ったが、ゴールはあえて明確に決めていないという。「決めてしまうと、それ以上のものが出来ない気がするんです。今では発想が及ばないようなことにも可能性を持っていたいので」と晴さん。これからも、このお店は時代を捉えてどんどん変わり続けるのだろう。

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