あごうさとし『ペンテジレーア』
2020年10月17日(土) から10月26日(月)まで、京都市南区にある劇場〈THEATRE E9 KYOTO〉にて、あごうさとしが演出する『ペンテジレーア』が上演中だ。18~19世紀 のドイツ人劇作家 ハインリッヒ・フォン・クライストが書いた戯曲を、哲学者の仲正昌樹が翻訳した50年ぶりの新訳をもとに上演する。
この作品の興味深い点の一つは、俳優とともに、声楽家や打楽器奏者、美術家など様々な形態で活動する表現者がともに舞台に立つところにある。それによる稽古プロセスの面白さや難しさは、〈THEATRE E9 KYOTO〉が公開している動画でも見ることができる。
最終的にどのような作品が立ち上がったのかは、是非劇場で確かめてほしい。原作戯曲付きチケットも発売中だ。
ギリシヤ軍とトロイ軍の戦に突如として乱入する
女だけの国の女王ペンテジレーア。
次代の女子を残すために女王とその軍は、男を狩りに戦場に赴く。
ペンテジレーアはそこで、ギリシヤの英雄アキレスと出会い、戦い、愛に身を焦がす。
その愛は、アキレスの心臓を犬と共に噛み付き食い破る。
この表現について初演当時、ゲーテからは強い批判を浴びたそうだ。
男との生殖の儀礼を薔薇祭とよんでいる。作中では具体的に表現されていないこの「薔薇祭」に着目し、本作品を俳優と音楽家とダンサーと美術家の異なった言語で儀礼的な演劇作品を試みる。
予想をしていなかったペンテジレーアの登場とその猛威は、私たちの身体に宿る病の在り方にもにているようだ。
予想はできなくとも、常に立ち現れる現実でもあり、新たな円環を生み出す私たちの別の声とも考えられるのではないだろうか。
あごうさとし
作品には一部、裸体表現が含まれます。予めご了承ください。
日時 | 2020年 10月17日(土) 19:30* 10月19日(月) 19:30 ※チケットはいずれの回も当日券をお問い合わせください。 ※受付開始は開演の45分前、開場は30分前。
※終演後、17日(土)と18日(日)はポストパフォーマンストークを開催 17日(土)ゲスト:伊左治直氏(作曲家/本作 音楽) |
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会場 | THEATRE E9 KYOTO |
出演 | 太田宏(青年団) / 太田真紀(声楽家) / 葛西友子(打楽器奏者) / 辻本佳 / マリーハーネ / 村岡優妃(劇団三毛猫座) |
スタッフ | 演出:あごうさとし |
料金 | (自由席 / 日時指定 / 税込 / 未就学児は入場不可) 一般 前売:3,500円 当日:4,000円 U-29 前売:2,000円 当日:2,500円 ペアチケット 6,000円 原作戯曲付きチケット 5,700円 ※クライスト原作の独語戯曲を、哲学者の仲正昌樹が翻訳した50年ぶりの新訳『ペンテジレーア』。 ※一般3,500円に戯曲2,200円を加えた料金。U-29、ペアチケット、支援会員が購入希望の際は備考欄に「戯曲購入希望」と記入。 |
予約 |
(ページ下部より) |
問い合わせ | TEL:075-661-2515(10:00〜18:00) |
主催 | THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都) |
助成 | 芸術文化振興基金助成事業 / 京都府文化活動継続支援補助事業 / 文化庁文化芸術活動の継続支援事業(申請中) |
あごうさとし
劇作家・演出家・THEATRE E9 KYOTO芸術監督・アーツシード京都代表理事。
「複製」「純粋言語」を主題に、有人、無人の演劇作品を創作している。新劇場「THEATRE E9 KYOTO」を設立、運営する。
森村泰昌、やなぎみわなど美術家との共作多数。2007年度若手演出家コンクール最優秀賞、2010年度京都市芸術文化特別制度奨励者、2012年度利賀演劇人コンクール奨励賞、2017年度京都市芸術新人賞受賞。2014–2017アトリエ劇研ディレクター。
太田 宏(おおた ひろし)
俳優 青年団所属
『東京ノート』『ソウル市民』『冒険王』『新冒険王』『さよならだけが人生か』ロボット演劇『働く私』など平田オリザ作品に多数出演。青年団国際交流プロジェクト日仏合同公演『別れの唄』『愛の終わり』等に出演、青年団以外でも『ヒロシマモナムール』『Larmes 』に出演するなど、フランス人演出家との仕事も多い。他に、青年団リンクRoMTでは『ここからは山がみえる』『ギャンブラーのための終活入門』で長時間の一人芝居に挑み、好評を得ている。
太田 真紀(おおた まき)
声楽家。同志社女子大学学芸学部声楽専攻卒業。大阪音楽大学大学院歌曲研究室修了。
東京混声合唱団に所属後、文化庁新進芸術家海外研修制度にてローマに滞在。
サントリーホール・サマーフェスティバル、東京オペラシティリサイタルシリーズB→C、武生国際音楽祭ほかに出演。
アンサンブル九条山のメンバーとして2019年度 音楽クリティック・クラブ賞 奨励賞、大阪文化祭賞 奨励賞を受賞。
コジマ録音より『松平頼曉声楽作品集』発売。神戸大学非常勤講師。
葛西 友子(かさい ともこ)
大阪音楽大学卒業、同大学院修了。
フリー打楽器奏者として国内外問わず室内楽を中心に活動し、これまでに武生国際音楽祭やサントリー芸術財団サマーフェスティバルなど数多くのコンサートに出演する他、関西を中心にオーケストラや吹奏楽での客演、劇伴レコーディング、ラジオやテレビ番組主催の特設バンドにも年間通し参加と、活動は多岐に渡る。大阪音楽大学特任講師として後進の指導にもあたっている。
辻本 佳(つじもと けい)
フィールドワークを行い、採集した自然物、音、写真、身体感覚から、表現方法問わず作品制作を行っている。『Field Pray』と題して『#1どうすれば美しい運動が生まれるのか。』『♯2擬態と遡行』、『泥炭地』を発表する。2016年より、やなぎみわ、あごうさとし演出作品に出演し、俳優としての活動を始める。
マリーハーネ
1993年、ドイツ・ベルリンに生まれ、同市にて舞台とコスチュームのデザインを勉強、また現代アートを勉強するために広島市立大学に留学。2018年から神奈川県に移り、フリーのアーティストとして活動中。自作の散文をパフォーマンスやインスタレーションを中心に発表。
村岡 優妃(むらおか ゆき)
1994年生まれ 京都府出身 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。
高校時代に演劇部に所属、大学ではミュージカルサークルに所属。また画家としても活動中。2016年より劇団三毛猫座に参加。
仲正 昌樹(なかまさ まさき)
金沢大学法学類教授(政治思想史・ドイツ文学)。近年、あごうさとしの作品にドラマトゥルクあるいは役者として参加。著書に『現代哲学の最前線』『悪と全体主義』(以上、NHKブックス)『ドゥルーズ+ガタリ〈アンティ・オイディプス〉入門講義』『ヴァルター・ベンヤミン』『ハンナ・アーレント〈人間の条件〉入門講義』(以上、作品社)。訳書に『ペンテジレーア』(論創社、二〇二〇年九月刊)
伊左 治直(いさじ すなお)
現代音楽系の作曲を中心に様々な活動を展開。これまで芥川作曲賞、出光音楽賞、2019年『南蛮劇場―伊左治直 個展』にて佐治敬三賞など受賞。作品集CDに『熱風サウダージ劇場』がある。
近作に、『ユメノ湯巡リ声ノ道行』(構成・作曲・出演)、鼓童とオーケストラのための『浮島神楽』、こどものための雅楽『踊れ!つくも神~童子丸てんてこ舞いの巻』(原作・脚本・作曲)、ビデオ作品『蝶の灯火』(音楽・構成)など。
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92年生。「役者でない」という名で役者してます。ダンスやパフォーマンスも。言葉でも身体でも表現できる人間でありたいです。
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