映像でつづる東九条2020-2021
2021年3月20日(土)から3月29日(月)に、京都市南区の〈京都みなみ会館〉と〈THEATRE E9 KYOTO〉にて、『映像でつづる東九条2020-2021』が開催される。〈京都みなみ会館〉では3月20日(土)と21日(日)の2日間、大阪音楽大学教員の久保田テツが中心となりご近所映画クラブが制作した短編劇映画作品と、東九条の隠れ家〈Books × Coffee Sol.〉 の店主やんそるが率いる、耕す計画の映像作品を併映する。〈THEATRE E9 KYOTO〉では2021年3月20日(土)~3月29日(月)に、映像作品を含む展覧会、Swing×成田舞×片山達貴『blue vol.1』を開催。3団体が作った映像作品すべてで『映像でつづる東九条2020-2021』として構成されている。
ご近所映画クラブ は、同じく京都市南区にある劇場〈THEATRE E9 KYOTO〉の中につくられた「リビング」の舞台美術のなかで、それぞれ異なる3つの 物語を短編映画として製作して上映する。耕す計画の作品は、やんそると学生たちとの出会いから生まれたグループ「ただいも」の活動を、メンバー自ら綴った記録映画となっている。
展覧会『blue vol.1』では、NPO法人スウィングがこれまで活動拠点である京都・上賀茂で約12年間、140回以上展開してきた活動「ゴミコロリ」に焦点を当てる。全員が青い全身タイツのゴミブルーとなってのゴミ拾いを、2021年2月現在までに東九条では11回行ってきた。そのなかで住人たちにも認知され、「よく見知った当たり前の存在」に変わっていく様を、写真家・成田舞がつぶさに撮影し、その写真をスウィングメンバーが絵画へと生まれ変わらせる。更にプロジェクト全体を映像作家・片山達貴が自らの視点で捉え、映像化した。ゴミブルーと成田のアクション、そして東九条の「今しか見ることのできない景色」をより立体的、多層的に映し出す。劇場を舞台にした写真、絵画、そして映像の複合的な展示だ。
3つのグループがそれぞれの手法で目指すのは、「健やかであること、小さくあること、市民と共にあること」。東九条に暮らす人々と芸術家や学生との交流の中で制作された作品は、日常や街について改めて考えるきっかけになるはずだ。
映像作品は新型コロナウイルス感染症の拡⼤やバリアフリー等の状況に鑑み、すべて動画配信サイト Vimeo でも配信される。詳細はこちら
ご近所映画クラブ
「ご近所映画クラブ」は、映像作家ミシェル・ゴンドリーが始めたワークショップ「ホームムービー・ファクトリー」が基となっているプログラムです。ミシェル・ゴンドリーは、フランス生まれの映像作家で、ビョークやケミカル・ブラザーズなどのMVや、映画『エターナル・サンシャイン』や『ムード・インディゴ うたかたの日々』などの監督としても有名です。「ご近所映画クラブ」は、そんな彼の映画『僕らのミライへ逆回転』(原題「The Be Kind Rewind」)の中で “手作りの映画”が描かれたことから始まりました。そして、その手作り映画のプロセスを、NPO remo[記録と表現とメディアのための組織]がミシェル・ゴンドリー本人の許可を得て、日本向けに「ご近所映画クラブ」と名付け、ワークショップとして再編集しました。
いま私たちは、映画を巨大な(資本)システムの中でしか考えることができなくなっています。そして残念なことに、私たちの多くは、映画を“受け手として楽しむ”ものとして捉えています。でも、私たちのポケットにはスマホのように、ハイビジョンを撮影できる小さな装置がありますし、ほんの少人数で映画を撮影することは可能です。録画編集ソフトだって無料でインストールできますし、タイトルもエンドロールも、衣装も音楽も手作りすることができます。本当は “送り手として映画を楽しむ”ことができるのです。そして、自分たちの友達や親兄弟といった身近なコミュニティで上映したり、YouTubeに載せて見ず知らずの人に観てもらうことだってできるのです。
プロフィール
久保田テツ(くぼた・てつ) |⼤阪⾳楽⼤学教員。⼤阪⼤学コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)を経て現職。主にメディアデザインとコミュニケーションに関する教育研究、アートを軸とした社 学連携事業などに取り組む。京阪電車なにわ橋駅「アートエリアB1」企画運営メンバー、NPO remo[特定⾮営 利活動法⼈記録と表現とメディアのための組織]メンバー。
耕す計画
2020年春、コロナ禍でゴーストと化した文化都市・京都の片隅で、東九条というまちを耕そうと動き出した人たち。都市の真ん中で、街路樹や空き地が野菜で埋めつくされたらどんなにステキだろうと、ちょっとした違法や脱法をしてみたいと考える困った人たちだが、できないことは空想し、どんどん膨らませ、夢を語り、いつしか世界(ほんの小さな世界かもしれないけど)を変えてしまうような、そんな人たちが「芋だ芋だ、ぷっ・プッ、ぷぅ~」っと笑いあう。
「私にとってはラスコーだったのかも。」そう語るのは耕す計画発起人。非常事態宣言の中、ただただ壁に絵を描き続ける若者たちがいた。生きるということの意味をつかみたいと、彼らに呼びかけ、彼らと動き出した耕す計画。耕すこと、遊ぶこと、表現すること、対話すること、育てること、発信すること、食べることetc… 彼らの日常の彩りと豊かさが伝わる作品。
プロフィール
やんそる|東九条の隠れ家、Books × Coffee Sol. の店主。1993 年から続く地域に根づいたまつり「東九条マダン」に長くかかわる。東九条マダンでは事務局の仕事とともに、主に韓国の民衆劇であるマダン劇づくりを担う。残りの人生を、あこがれのムーダン(朝鮮半島の女祈祷師)か、岡本太郎愛をこじらせて東九条の「太陽の塔」になれないかと、まじめに思案中。
ご近所映画クラブ×耕す計画 上映会
日時 | 3月20日(土) 10:00 ※本プログラムは耕す計画 / ご近所映画クラブの2作品同時上映です。 |
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会場 | |
クレジット | (耕す計画)
(ご近所映画クラブ)
企画制作:一般社団法人アーツシード京都 |
料金 | 無料(要予約) |
予約・お問い合わせ | THEATRE E9 KYOTO / 一般社団法人アーツシード京都 TEL:075-661-2515(10時~18時) |
主催 | 京都市 |
Swing×成田舞×片山達貴『blue vol.1』
日時 | 2021年3月20日(土)~3月29日(月) |
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会場 | |
クレジット | ゴミブルーと絵:NPO法人スウィング 写真:成田舞 / 堀井ヒロツグ 映像:片山達貴 舞台監督:浜村修司 照明:渡辺佳奈 音響:森永恭代 絵:NPO法人スウィング 広報デザイン:鯵坂兼充(iTohen)
提携:THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都) 企画:木ノ戸昌幸(NPO法人スウィング) / 成田舞 / 片山達貴 企画協力:堀井ヒロツグ 映像協力:中谷利明 協力:京都市地域・多文化交流ネットワークサロン / コミュニティカフェ ほっこり / 社会福祉法人カトリック教徒司教区カリタス会 希望の家カトリック保育園 / 認定特定非営利活動法人 京都ダルク 助成:公益財団法人京都市芸術文化協会 主催:NPO法人スウィング
※映像作品は、「映像でつづる東九条2020-2021」のプログラムとして製作・展示されます
(以下、映像作品のみ) 企画制作:一般社団法人アーツシード京都 主催:京都市 |
料金 | 入場無料 |
お問い合わせ | NPO法人スウィング 京都市北区上賀茂南大路町19番地
THEATRE E9 KYOTO TEL:075-661-2515(10:00〜18:00) |
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WRITER
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92年生。「役者でない」という名で役者してます。ダンスやパフォーマンスも。言葉でも身体でも表現できる人間でありたいです。
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