INTERVIEW

ボロフェスタ15周年記念特集・『ボロフェスタってなんなんだ?』 – ニーハオ!編 –

MUSIC 2016.10.19 Written By 小倉 陽子

シリーズ『ボロフェスタってなんなんだ?』。15周年を迎えるボロフェスタの節目節目に出演したアーティストや、ボロフェスタには欠かせない“重要人物”を招いてのインタビュー企画シリーズです。フェスティバル内側からは見えてこない、外から見たボロフェスタとは一体どんなものなのか?そんなことを紐解いていければと思い、この企画を始めました。

 

今回は2006年、2010年、2015年と過去に3度出演しているガールズバンド・ニーハオ!のARIKOに話を聞いてきました。彼女とボロフェスタを繋ぐキーワードは“米”?!

 

(インタビュー:小倉陽子 / 写真:岡安いつ美)

https://kyoto-antenna.com/column/boro2015-matome/

ニーハオ!

 

関西出身、ガールズ”チアパンク”バンド、ニーハオ!。 ギター・ベース・左ドラム・右ドラム+サンプラー・声・声・声・声という世界でたぶん唯一の変則4人編成。 ライブイベントの賑やかし屋。 人格分裂的はちゃめちゃ”チアパンク”ここに極めり! 2016年10月、2枚組アルバム「PAYDIRT」リリース。 豪華ゲストも交えた周囲巻き込みチアパンク進化系音源が話題を呼ぶ。

(オフィシャルサイト:http://www.ni-hao-ni-hao.com/)

ARIKO

米が要るイベントとしてボロフェスタは家族にも認識されてます。

──

ボロフェスタにこれまで3度出演してきたニーハオ!ですが、過去にARIKOさんはスタッフもされていたと伺いました。ボロフェスタと関わるようになったきっかけを教えてもらってもよいでしょうか?

私は飯田さん (ボロフェスタ主催 / Limited Express (has gone?)) のサークルの後輩なんですよ。なので初年度から手伝って、って声をかけられて。きっかけはそんなもんなんです。今でこそボランティアスタッフの方とか沢山いますけど、当時は身近な人が集まってボロフェスタを作っている印象でしたね。スタッフしてたのは最初の2、3年だけですけど。

──

スタッフとして関わられた初年度は、どんな感じでしたか?

力仕事が出来ないから、いわゆるまかない班を任されて。みんなめっちゃ食べに来はるし、そんな大人数料理のノウハウないし、ひたすら米を炊く!みたいな。とにかく米が途切れないようにするのが大変やったかな。

──

米ですか (笑)

しかも初年度からほぼ毎年、うちの実家から米を提供しているんですよ。母親からもこの季節が来ると「今年は米要るんか?」って聞かれる。何か分からんけど米が要るイベントとしてボロフェスタは家族にも認識されてます。

──

ボロフェスタはご実家にとってもなくてはならないイベントになってるんですね。お米に関して印象的なエピソードはありますか?

ボロフェスタの会場じゃなくてnanoにお米を持っていかないといけない年があって。夜中に軽トラでお米運びながらちょっとハイになって「もぐりん (ボロフェスタ主催 / nano店長、土龍さん) 米持ってきたで!!」って高いテンションでバンッ!ってnanoに入ったら、ボロフェスタのスタッフさんたちが真剣に会議しているところで。一気にしゅん、ってなったことですかね。

 

あと母親が、実家まで米取りに来たゆーきゃん (同じくボロフェスタ主催) のこと「ちょっとあんた!」とか言ったりして「お母さんやめて!その人先輩やから!あんた呼ばわりしないで!」ってなったりとか (笑)

2015年出演時

関わってる人たちがみんなキラキラしてて眩しい!

──

5年目にあたる2006年にはニーハオ!として出演されますが、出演者としてのボロフェスタで印象的な出来事はありますか?

うーん……ボロフェスタに出演してるアーティストさん皆さん素晴らしいし、自分達も出演する年は「どうも、出演者です」みたいに楽しむのかと思いきや、そうでもなかったと、去年出演したときに気付いたんです。

 

何ていうか……関わってる人たちがみんなキラキラしてて眩しい!みたいな。私には、みんながリア充過ぎて疎外感っていうか。

──

ええ!?そうなんですか?

やっぱり私の場合関わり方が微妙で、主催の身内のようでもあり、スタッフもしたことあるし、毎年米も提供してるし、出演も何回かさせてもらって。でも出演してても何となくザワザワするような、なんとなく居心地悪いような気持ちになるんです。なまじかスタッフでもない『米の人』として毎年関わるだけに、客観的にもなれないし。

──

みんなのお腹を満たしているのに、コミットしきれていない感じなのでしょうかね……。何かと近しいARIKOさん特有の感覚かもしれませんね。その疎外感ってもう一度スタッフとしてがっつり中に入らったら解消されるのではないですか?

そうなのかな?でもまかない班、足引っ張ると思うけど (笑)

──

ご飯よそう係とか (笑)

それやったら出来るかな!(笑)。初期の頃にまかない食べた人は悲惨やと思いますよ。私、全く料理出来ないので (笑)。近年はまかないのご飯がほんまに美味しい。でもいつやったか「米べちゃべちゃじゃない!?」って小姑のように怒った年があって (笑)。初めて新米提供したぐらいの年は水加減上手くいってなかったんでしょうね。途中から実家でもボロフェスタ用に新米を提供させてもらっています。ここ最近まかない仕切ってくれてるスタッフの子はその辺すごい分かってくれてるから「新米やしな」って言っておくと上手に炊いてくれるんです。

──

ボロフェスタの歴史をここまで米事情の視点から語れるのはARIKOさんしかいらっしゃらないですね (笑)

ARIKOにとってボロフェスタ=米ですからね。もぐりんからはボロフェスタ恒例の米騒動、って言われてます。毎年エンドロールに名前も出るんですよ。

──

今年もエンドロールは要チェックですね。では最後に、これからのボロフェスタに期待することをお伺いしてもよいでしょうか。

うん…また出演したいな!やっぱりライブは凄く楽しいので!

──

次回の出演も楽しみにしております!ありがとうございました!

2015年出演時

ボロフェスタ2016

 

日時:2016年10月28日(金)、29日(土)、30日(日)

28日(金) 大前夜祭@京都KBSホール OPEN 18:00 / START 18:55

29日(土)・30日(日)@京都KBSホール OPEN 11:00 / START 11:55

29日(土) vol.夜露死苦@京都METRO OPEN / START 21:30

 

(オフィシャルサイト:http://borofesta.jp/)

ニーハオ!リリース情報

 

 

関西出身、ガールズ”チアパンク”バンド、ニーハオ!新メンバーでの初音源!!!! 山本精一主宰UMMO RECORDSからデビューし、編成を変えつつ2枚のアルバムをNYの奇才ジョン・ゾーンのレーベルTZADIKからリリースし、世界中を魅了する。 LA在住メキシコ系アメリカ人の双子が加入し、ギター・ベース・左ドラム・右ドラム+サンプラーという変則4人編成でのアルバムを2015年3月、NATURE DANGER GANG、Have a Nice Day!なども手掛けるomochi recordsからリリース。 その後、日本人メンバー、PINK MIKO (ALL OK、UnU) 、PURPLE ELENA (るるる菌) を代わりに迎え、新布陣での初音源となる。 前作よりメンバー同士の距離が物理的に縮まったこともあり (前作は日本←→LA、本作は東京←→京都!) 、パンキッシュさに磨きがかかると共に、グルービー。 かと思ったらどこかサイケデリックでもあり、 凸凹ローファイさも健在。 自身を越え続けるものしか生み出せない確信犯的な混沌のサウンド。

 

[DISC A]はニーハオ!オリジナル音源。 女子特有の揺れ、ニーハオ!初期からの武器でもあるボーカルワーク等、ガールズバンドフリークにはもちろんストライク、 本作は、レペゼンアジア、ニーハオ!によるプライドとマナーを兼ね備えた最先端のオルタナティヴ・パンクが詰まっている。 “チアパンク”とはこのことだ!

[DISC B]は、ジャンルレスなゲストボーカルがニーハオ!の代わりに歌うという豪華盤。 DEATHRO、CAMISAMA、SHIGE (WRENCH) 、プンクボイ、Y.I.M、UG KAWANAMI、碧衣スイミング が、それぞれ歌詞やメロディを書き下ろしたり、書き直したり、はちゃめちゃに大暴れ。 ZERO (Co/ss/gZ) もギターで参加している。

 

発売日 / 2016年10月12日(水)

アーティスト名 / ニーハオ!

タイトル名 / PAYDIRT 品番 / NHO-001

税抜価格 / 1500円+税

仕様 / 12cm 2枚組CD

収録曲数 / 7曲×2

発売元 / NI-HAO IS HERE 取扱店舗 ・タワーレコード ・ディスクユニオン

 

レコ発イベント

11/27(日)12:00〜デイイベント 下北沢THREE ニーハオ!

WRENCH PUNKUBOI ゲストボーカルで本作に参加した、 オルタナティブでエレクトロ、ラウド、ダンスミュージックの雄 “WRENCH” との2マンに こちらもゲストボーカル参加の、 スカム、パンク、の王者 “プンクボイ” がOAを飾る。 本作参加のアーティストとのコラボ演奏も!

WRITER

RECENT POST

COLUMN
編集部員が選ぶ2022年ベスト記事
REVIEW
Curve『till the end(10th Anniversary Edition)』 R…
INTERVIEW
流れる日々の中で生まれる、渚のベートーベンズの音楽
COLUMN
Indies New Encounters Playlist 2022.01
COLUMN
編集部員が選ぶ2021年ベスト記事
COLUMN
Indies New Encounters Playlist 2021.11
COLUMN
たなからルーツ Shelf_02 - ナルコレプシン 坂田直樹 –
REVIEW
CIFIKA – HANA
INTERVIEW
みんなの劇場が無い‼ 私たちが自分の言葉で語るための場所づくりを〈THEATRE E9 KYOTO〉…
ART
COLUMN
たなからルーツ Shelf_01 - TheStoneThatBurns アベヒロキ –…
COLUMN
【SXSW2020私ならこれを見る:小倉 陽子】CIFIKA,TENGGER:K-POPを拡張してい…
INTERVIEW
確かさの揺らぐ現代における、孤独と共存の媒介者-烏丸ストロークロック『まほろばの景2020』インタビ…
ART
REPORT
小倉陽子が見たボロフェスタ2019 2日目
REPORT
小倉陽子が見たボロフェスタ2019 1日目
INTERVIEW
ZOOZ始動インタビュー -2002年の音楽が繋ぐ、これまでのバンド活動と現在。-
INTERVIEW
諦めにも似た音楽への深い愛 – NYAI『HAO』リリースインタビュー –
REPORT
【小倉陽子の見たボロフェスタ2018 / Day3】MONO NO AWARE / 清竜人 / 在日…
REPORT
【小倉陽子の見たボロフェスタ2018 Day2】ハンブレッダーズ / Dos Monos / tri…
REVIEW
NYAI – OUT PITCH
REVIEW
HO17 – HOLIDAYS OF SEVENTEEN
INTERVIEW
1+1+1+1に成ったthe coopeezの無限大~京都ワンマンライブ直前インタビュー
INTERVIEW
Post Modern Team 3rdアルバム『COME ON OVER NOW』リリースインタビ…
REPORT
【小倉陽子の見たボロフェスタ2017 / Day3】東狂アルゴリズム / OGRE YOU ASSH…
REPORT
【小倉陽子の見たボロフェスタ2017 / Day2】接近!UFOズ / シンガロンパレード / H …
REPORT
今を生々しく鳴らす3組の、美しい物語の途中~『in-phase KYOTO』 @ 京都GROWLY …
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -小倉陽子 ③続ける人たち-
INTERVIEW
my letter×スーパーノアリリース対談「バンドって、辞めるほどのことじゃない」- 京都で活動を…
REPORT
ジャンルという言葉を簡単に越境するWhy?という体験 WHY? Japan Tour @UrBANG…
INTERVIEW
【実は知らないお仕事図鑑】P2:謎クリエイター 吉村さおり(SCRAP)
SPOT
こころ
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -小倉陽子 ②舞台に立つ-
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -小倉陽子 ①家ガール-
REPORT
企画屋UTAGEが冬の京都にぶち込む「遅れてきた夏フェス」ことパニックバカンスとは?イベントメンバー…
REPORT
【小倉陽子の見たボロフェスタ2016 / Day2】Limited Express (has gon…
REPORT
【小倉陽子の見たボロフェスタ2016 / Day1】台風クラブ / あっこゴリラ / CHAI / …
REPORT
『ウサギバニーボーイさん』祝賀会 @ 京都GROWLY ライブレポート

LATEST POSTS

REPORT
これまでの軌跡をつなぎ、次なる序曲へ – 『京都音楽博覧会2024』Day2ライブレポート

晴天の霹靂とはこのことだろう。オープニングのアナウンスで『京都音博』の司会を務めるFM COCOLO…

REPORT
壁も境目もない音楽の旅へ‐『京都音楽博覧会2024』Day1ライブレポート

10月12日(土)13日(日)、晴れわたる青空が広がる〈梅小路公園〉にて、昨年に引き続き2日間にわた…

REPORT
自由のために、自由に踊れ!日常を生きるために生まれた祭り – 京都学生狂奏祭2024

寮生の想いから生まれたイベント『京都学生狂奏祭』 …

COLUMN
【2024年10月】今、大阪のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「大阪のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シーンを追…

COLUMN
【2024年10月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シー…