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來來尸來 002便『スパイア』

ART PR 2019.07.29 Written By 肥川 紫乃

9月29日(日)に、京都の劇団・來來尸來(らいらいしーらい)による第2回目の公演『來來尸來 002便 「スパイア」』が、京都市左京区・the SITEのレンタルギャラリーにて上演される。

 

異国への旅をモチーフにした作品を上演する彼らの2回目の舞台は、アイルランドの首都、ダブリン。1966年に爆破されたネルソン提督の柱の代わりに建てられた鉄塔・スパイアをモチーフに、無くなってほしいものと無くなってほしくないもの、あったはずのものを思い出す場面を描いた作品となっている。作品作りは言葉の音韻と身体の多面性を認識していくところから始まり、「複合」「副音声」「追想」そして観客に委ねる「余白」の四層から構成される。

 

遠い街で実際に起こったこの出来事から、主宰・脚本・演出の出町平次は本作を通して、何を伝えるだろう。

ダブリンの中心に聳え立つ、スパイア。
街のどこからでも見えるこの塔。

 

その前にあったものがなんだったのか、
〈わたし〉は知りません。
でも父達はそのヒトの事を、
よく、知っていたようです。

 

あのとき崩れていくものを、ここから見上げる多層劇(クアッド)。

 

「嫌いなものなら、なくなったっていい。」

來來尸來とは
來來尸來(らいらいしーらい/Lái-Lái-Shī-Lái)。2018年8月に結成。構成員は出町平次(主宰兼脚本・演出)、しき(制作・広報)、いのまちあーみ(美術)。2019年2月に京都三条のライト商會にて、「ログ」を上演する。団体コンセプトとして、<観劇を旅に組み込むこと>と<芸術のあるまちづくり>を掲げて活動している。

何気ない会話のテキストをベースに、言葉に複数の意味を持たせ、二層三層もの情景を重ねるといった技法を用いている。日常の隙間に異常を差し挟むような感覚を観客に与え、時には「実験演劇」「不条理劇」と評される。異国への旅をモチーフにした作品を扱い、環境から生じる嫉妬心や劣等感、自分自身へのやるせなさ、誰かがいながら抱える虚無感を表現していく。

公演

來來尸來 002便「スパイア」

日時

2019年9月29日(日) 開場 13:30 開演 14:00

料金

投げ銭制

会場

the SITE レンタルギャラリー(西棟4階)

(京都市左京区田中東春菜町30番地3)

※会場には椅子が無く、コンクリート床に着座しての観劇となります。

アクセス

叡山電鉄「元田中」駅・「茶山」駅より徒歩6分

お問い合わせ

メール info@lailai.main.jp
Twitter https://twitter.com/lailaishilai

HP

http://lailai.main.jp/002/

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