COLUMN

アンテナ的! ベストムービー2017 (byマグナム本田・川合裕之)

今年も沢山の出来事がありました。それ以上に沢山の映画がありました。見ていない映画も数知れず……。皆さんのお気に入りの映画はありましたでしょうか?

来る新年を迎える前にこのページではアンテナ映画担当の川合とマグナム本田が今年の映画を振り返りたいと思います。

◇川合裕之の2017年ベストムービー

1. ナイスガイズ!
2. メッセージ
3. ラ・ラ・ランド
4. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス
5. SING/ シング

 

◇マグナム本田の2017年ベストムービー

 

1. エンドレス・ポエトリー
2. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス
3. HiGH&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY
4. ELLE
5. アトミック・ブロンド

マグナム本田(以下、マグ本)

あんまりかぶらなかったね。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(以下、GotG)くらいだね。

川合

僕はちょっと事情があって今年後半の大事な映画軒並み見てないんですけど……

マグ本

まあ俺も『ラ・ラ・ランド』見てないし。

川合

こうして見ると我ながらミーハーなランキングですね。まあ、さておき早速いきましょう!

『ナイスガイズ!』

川合

あれ?『ナイスガイズ!』見ました?

 

マグ本

見たよ。

川合

なんで入らないんですか?!めっちゃ良かったじゃないですか!!

マグ本

面白かったけど、ベスト5には入らないかな~。

川合

そうか〜。『探偵はBARにいる』とかふんわり流行ってますけど、それの遥かな上位互換だと思います。

マグ本

殺し屋の人は良かったね。あの一番強い殺し屋の人。誰だっけ?ジョン・ボーイ?

川合

クセのある良いキャラしてましたね。

マグ本

シェーン・ブラック監督は好きなんだけどね。俺ら世代だと『プレデター』の通信兵やってた人でお馴染みの。

川合

いや全然知らないです、ごめんなさい。

マグ本

脚本のリライト要因で呼ばれたけど、とくにすることがなくて出演したでお馴染みの。

川合

へ〜。いや全然知らなかったですけど。それはともかく、『ナイスガイズ!』はライアン・ゴズリングすごく頑張ってたじゃないですか!『ラ・ラ・ランド』含めその頑張りを評価してあげたいなと。

マグ本

『ブレードランナー 2049』は?俺も入れてないけど(笑)

 

川合

これ以上入れるとライアン・ゴズリングが好きなだけの人になっちゃうので。まあドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作としては『メッセージ』もありますし。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』

川合

GotGは冷静に考えたらvol2だけにこの順位をあげてないような気もしてきましたけれど、これはやっぱり外せないですね。あとマーベル映画の「結局ね」みたいな安心感を裏切られた。音楽も良かったですね。最初の10分とか泣きそうでした。いや泣いてましたけど。

 

マグ本

ジェームズ・ガンがあそこまで王道でウェットな話をつくるというのがよかったね。

川合

7合めくらいでドラゴンボールみたいなアホな戦いしてたのはちょっと残念でしたけど。

マグ本

俺は主人公と同年代なのよ。設定年齢がたぶん同い年。引用されているポップカルチャーが全部ハマるのよ。デビッド・ハッセルホフのいじり方とか(笑)『サウスパーク』とかでもよくいじられてるんだけど、GotG vol.2 のいじりかたは愛があるよね。『ナイトライダー』世代としてはたまらないものがあったね。

『エンドレス・ポエトリー』

マグ本

『エル・トポ』とか撮ってた監督の自伝的な映画としての2作めです。監督のホドロフスキーは最初詩人からスタートしてアングラ演劇とか経由して映画にいった人なんだよね。全部で5部作あるらしいけど、2作目でもう88歳になってるから(笑)。この作品はもう死を意識してるのかなと。演出技法でも自分の経歴をなぞってるような気がして、最初の場面でアングラ演劇みたいなところあって冒頭5分くらいで泣けてきた。

 

川合

いつものコラムとか読んで察するに、マグ本さん結構泣いてますよね。

マグ本

そうやね、ジャンル関係なく。

川合

HiGH&LOWも?

マグ本

泣いてた!

 

『HiGH&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY』『アトミック・ブロンド』

マグ本

HiGH&LOWは日本でここまでのアクションが……!と。そこでぐっと来ちゃう。脚本とかほんと酷いけど。3作目でそれまでのことがまるまる無駄になる、ということがわかるんやけど、それでもよかったね。タイの『マッハ!!!!!!!!』とかインドネシアの『ザ・レイド』とか命を安売りしちゃうようなアクション。あれの日本版って感じ。めちゃくちゃ体を張ったアクション + ハリウッド的な演出が良かったね。『ジョン・ウィック』的なリアルなアクションと演出の足し算が◯。

川合

『ジョン・ウィック:チャプター2』も今年でしたよね。

 

 

マグ本

これは『アトミック・ブロンド』に代表させたかな。最高だよ(笑)

 

川合

楽しそうですね~。

『SING / シング』

マグ本

川合くんの5位の『SING』見てないんだよね。

 

川合

イルミネーションの軽いノリ「だけ」に終始しない骨太のアニメでした。ポップな話に見せかけてーーまあこれはファミリーアニメとしての必須条件ですけどーー裏テーマがしっかりしてて。主人公のエンタメに対する狂気的な姿勢。借金してまで劇場を興そうという刹那的な生き方みたいなのにゾッとしながら見てました。

マグ本

『ズートピア』的な「多様性が〜」みたいなのはあったの?

川合

それが怖かったんですけど、なかったので安心しました(笑)。なので『ズートピア』の焼き直しでは全然ないです。

『メッセージ』

マグ本

ユニバースものが増えてるけど、中規模でも良いのたくさんあったよね。『ELLE』、『ベイビー・ドライバー』。

川合

『ベイビー・ドライバー』は良かったですね~。

川・マ

「「入れてないけど!」」

マグ本

川合くんの3位の『パッセンジャー』、クリス・プラットがね~。

川合

クリス・プラット?

マグ本

クリス・プラットが主演でしょ?

川合

は?クリス・プラット?あ!ごめんなさい違う!タイトル間違えて送ってました!『メッセージ』だ!

 

マグ本

(苦笑)

川合

てか『メッセージ』って原題じゃないでしょ?あれの原題は?

マグ本

『Arrival』だね。

川合

もう邦題つけるのやめませんか?こういうことにもなるので(笑)GotGの「Vol. 2」も「リミックス」って最悪の邦題つけて相当揉めたじゃないですか。

マグ本

あったね、そんなことも。

川合

まあクリス・プラットのも良かったですけど、アイツ出てきたら「クリス・プラットやん!」としか思えないのが問題ですね。

マグ本

『パッセンジャー』はクリス・プラットじゃなかったら厳しいような気もするけどね。『メッセージ』、見れてないな。あの時期は劇場でGotGめっちゃ見てたから(笑)

川合

どんだけ好きなんですか……

マグ本

でも『メッセージ』、原作は良かったよね。

『ラ・ラ・ランド』『ELLE』

川合

 

『ラ・ラ・ランド』に関しては1月とか2月の上映だったので、こういう年末の企画では忘れられがちかな、と思って入れときました。あと、うちのアリトさんとかはめちゃくちゃ嫌いなんですね。「その引用、本当に意味ある?」みたいな。映画好きな人ほどアレルギーを起こしているような印象です。

マグ本

そうなんだ。

川合

なので「せめて僕が」という謎の義務感でランクインしているのかも。とまあ、ランキングはこんな感じですかね~。来年もアンテナでゆるりと好き勝手書かせてもらうことができれば良いですね〜。良いお年を!

マグ本

いやちょっと待って、『ELLE』の話はしないの?

川合

ごめんなさい。見れてないので触らないでおこうと思って……

マグ本

だめだよ。

川合

すみません。この映画はマグ本さんどこで泣いたんですか?

マグ本

これに関してはあんまり泣かなかったね。共感じゃないのよ。「簡単には共感させないぞ」というのがこの映画なので。ユニバースものだとキャラわけをカチッとするでしょ。でも『ELLE』にはそういうのなくて。実際の人ってそんなに単純じゃないじゃない。その普遍性みたいなところがすごく良かったなと。

 

川合

確かにその辺のキャラの機微がある作品は少なくとも僕のベスト5にはなかったですね。

マグ本

まあどちらが良いとかは難しいけどね。『ELLE』だって賛否両論だから。

というわけでキリがないので今回はここでお別れです。

来年も期待作が肩を回して控えています。期待していないダークホースに打ちのめされることだってきっとあるはず。素敵な映画との出会いがあることでしょう。それではみなさま良いお年を。

WRITER

Recent Posts

COLUMN
【脇役で見る映画】親の心もこの心も僕たちだけが知ってる『イップマン 完結』
COLUMN
【脇役で見る映画】ニール、かしゆか、天沢聖司『TENET』
COLUMN
【脇役で見る映画】 頼むから決めてくれ!『ショーシャンクの空に』
COLUMN
【脇役で見る映画】 役割をひとに頼らず生きていく『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
COLUMN
【脇役で見る映画】「エピローグ」:ローディーは部活をやめる
COLUMN
【脇役で見る映画】『ウルフ・オブ・ウォールストリート』 せめて浮気でおってよね
REPORT
意味が溶解する水槽 SPEKTRA主催 『INTER+』 レポート
COLUMN
【脇役で見る映画】『トイ・ストーリー3』 バズよりもウッディよりも何よりも、アンディ母の育児の終わり
REPORT
集めて、分解して、理解する。デザイナーの後藤多美さんに聞くデザインの第一歩 言志の学校第2期レポート…
COLUMN
【脇役で見る映画】『アイアンマン』シリーズ スタークに寄り添うポッツ、ふしめのひ! 今日はにげきれ…
REPORT
「見つけてもらうために!」大垣書店の大垣 守可さんに聞く、流通視点の本の魅力 言志の学校第2期レポー…
REPORT
紙とインキも表現のうち!修美社の山下昌毅さんに聞く印刷の奥深さと面白さ 言志の学校第2期レポート② …
REPORT
超絶技巧は必要ない!物件ファンの森岡友樹さんに聞く心を打つ文章を書くための思考のステップ 言志の学校…
COLUMN
【脇役で見る映画】『愛がなんだ』 テルコより大切なのは仲原くん。赤いメガネのボスによろしく
SPOT
第七藝術劇場 / シアターセブン
SPOT
修美社
COLUMN
【脇役で見る映画】『イット・フォローズ』 あの娘にはお願いだからセックスを他の誰かとしてほしくない
REPORT
言志の学校 第1期 まとめ
COLUMN
アンテナ的!ベストムービー 2018
COLUMN
【まとめ】編集部員が選ぶ2018年ベスト記事
REPORT
『言志の学校』第四回レポート ~発表! こんな本作りました!~
REPORT
『言志の学校』第三回レポート -デザインとは? 印刷って何? –
REPORT
『言志の学校』第二回レポート – 書くって?編集するって?文鳥社の2人に聞く –
COLUMN
もうダッシュできないオトナへ。映画『高崎グラフィティ。』が切り取った大人と子供のグラデーション。
REPORT
こんなフリペのアイディア出揃いました!TAKE OUT!! vol.2 レポート
INTERVIEW
『きみの鳥はうたえる』三宅唱監督インタビュー 映画の仕事は「見つめること」
REPORT
『ガザの美容室』特別トーク付上映。ガザ地区の今って?
COLUMN
『軽い男じゃないのよ』がレコメンド!『ズートピア』『ファインディング・ドリー』の後はコレ!「差別と戦…
COLUMN
千早の進路間違ってない?!組織運営ってそういうことか? 映画『ちはやふる 結び』を考察 面白かったけ…
COLUMN
アンテナ川合が選ぶ!4月に観ときたい映画!
REPORT
関西の映画シーンの今後は?「地域から次世代映画を考える」レポート
REPORT
「モテるフリーペーパー」大盛況で終宴。結局どうだった? All About TAKE OUT!!
COLUMN
誰だってマチルダは好きだ、僕だってレオンになりたい(『レオン』再上映へ寄せて)
REPORT
【川合裕之の見たボロフェスタ2017 /Day2 】 〜ステージの上も下も中も外も、全部ぜんぶお祭り…
REPORT
第五回 文学フリマ 大阪に行ってきました
INTERVIEW
「この作品のあるべき姿」映画『望郷』大東駿介・菊地健夫監督へインタビュー
REPORT
映画『獣道– Love & Other Cults』京都みなみ会館 舞台挨拶
INTERVIEW
学生映画って何?! 京都国際学生映画祭×関西学生映画祭 関係者に聞く!

LATEST POSTS

INTERVIEW
2020年をポジティブに転化するために - 中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)が語る新作『ハビタブル・ゾーン』

その音楽と行動でもって常に時代と格闘してきたバンド、ソウル・フラワー・ユニオン。前身であるニューエス…

INTERVIEW
“心が動く”を追い求める旅。カフェ・モンタージュ 高田伸也さんが考える感性のありかとは。

スマートフォンをしまって、一人音楽に耳を澄ませる。最後にそんな時間を過ごしたのはいつだろう。「カフェ…

COLUMN
【2021年1月】今、大阪のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「大阪のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シーンを追…

INTERVIEW
肩書にこだわらない異色の大工、建築集団「々」の野崎将太はあなたの中に眠る「おもしろい!」を掘り起こす。

人が集まる場所には文化が生まれる。特集『文化の床(とこ)』の企画「#最高の集い方」では、今の時代にど…

COLUMN
書評企画『365日の書架』1月のテーマ:時間が経つのも忘れて

1月のテーマ:時間が経つのも忘れて 1月のテーマ…