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こんなフリペのアイディア出揃いました!TAKE OUT!! vol.2 レポート

BOOKS OTHER 2018.09.11 Written By 川合 裕之

フリーペーパー、自分で作ってみませんか?そんな私たちの問いかけに賛同して30人余りの人がMTRL KYOTOに足を運んでくれました。

 

先月、7月8日にMTRL KYOTOでフリーペーパーのイベント『TAKE OUT!! vol.2 – フリーペーパー つくろやないか。とりあえず –』が行われました。只本屋とアンテナが共同主催するこのイベントはフリーペーパー制作に興味のある人達同士の交流と、実際に0からモノを作ってみるというワークショップの2つの軸を持っています。

 

筆者は後者である <ワークショップ的な側面> に重心を置いてイベントを準備したつもりでしたが、意外にも前者の <交流会的側面> での盛り上がりも大きかったのが印象的。思わぬ嬉しい誤算でした。というのも、「フリーペーパー」「ライター」「イラストレーター」「編集」というような、肩書的な共通項とはまったく別の接点で盛り上がる人たちを数多く見かけることができたのです。雑談レベルから、「今度一緒に何かやろうよ」というような大きなスケールの計画がそこかしこで湧き上がっていました。前に立ってその盛り上がりを鳥瞰することで、無数の温泉を掘り当てたような達成感を得ることができました。反面、そこにしっかり入り込めない寂しさも。

 

イベント当日は30人余りがそれぞれ2-5人程度が組んで、9つのチームを形成。「こんなフリーペーパーがあったらきっと面白いんじゃないか」という案をみんなで育てて、アイディアの種をつぼみくらいまでには大きくするのがミッションです。ふと手に取られてテイク・アウトされるようなフリーペーパーを実際に企画してみようというもの。今年の1月に行われたvol.1 では4つのアイディアが生まれましたが、今回のvol.2 ではその数を大きく上回りなんと9つも生まれました。

 

本ページでは当日の様子とその場で生まれたすべてのフリーペーパーをご紹介いたします。

PAPER PAPER

プレイヤーとして参加した只本屋代表・山田さんの立ちあげたチーム。第一回のアイディアの生き残りをかけた投票では当落線上にいたために「危なかった」と笑いながら安堵の声を漏らす山田さんですが、そんな彼が中心になって企画したのが「フリーペーパーのフリーペーパー」。平成最後の夏というワードをトリガーに様々な仕掛けで古今東西のフリーペーパーとコラボレーションするというのが創刊号の特集だそう。

PONSHU MAGAZINE

日本酒が好きな女子が集まって企画したのは “PONSHU MAGAZINE”. 20代~30代の女性にもっと日本酒を楽しんでもらおうという思いで立ちあがった企画です。第一号の特集は「ポンカレ。」味や香りから日本酒を擬人化した彼氏を想像する企画。日本酒のことが分からなくとも男性の好みから、自分に合う日本酒を探し当てることのできるというユーザビリティが発揮されています。他にも同様に、日本酒に詳しくなくても楽しめるギミックが詰め込まれる予定だとか。「好き」が出発点のコンテンツは何であれ強いですね。簡単には真似できないし、普通の人がやりたくない面倒だってその人にとっては魅力的な挑戦になります。この「好き」を見つけることが出来たのがこのチームの勝因だと思います。

『ら』

「裸のコミュニケーションを」がモットーのフリーペーパー。タイトルは言わずもがな裸の音読みとしての「ら」です。再燃ブーム真っ只中の銭湯にフォーカスした雑誌。特筆すべきは企画や特集はもとより、その他のコンテンツもかなり細かいレベルで設定されていたというところ。1週間もすれば入稿まで行けるのでは?というレベル。短時間の中でここまでの密度に仕上げたのがこのチームの特徴です。

FOOD LAB

食べ物の実験室、と題されて企画されたのがこの “FOOD LAB” . 食をアートするというコンセプトの本紙。これだけ聞けばよくある形だなと思うかもしれませんが、それだけじゃありません。ここに実証科学的なアプローチが加わることでFOOD LABの面白さがぐっと底上げされます。料理の配色を数値化する、食感をグラフ化するなどの切り口で客観的な視座を持ち込むのが特徴的。実現すればポップでハイカラなフリペになりそうです。

PLAY BIRD

「巻頭グラビア 名古屋コーチン(袋とじ)」「全鶏肉に告ぐ 切られてからが勝負」――。何を言っているかお分りいただけないかもしれないが、あなたは自らの読解力を疑う必要はありません。今回のイベントきっての”変”なコンビによるPLAY BIRD。鶏肉のためのフリーペーパーという簡単には理解できない世界観で他紙と一線を画します。わかるようでワカラナイ、ワカラナイようでやっぱりわかる。この不思議な空気感の”尖り”が会場の人気を獲得しました。

 

鶏グラビアが撮りたい!という要望に惹かれ、アンテナからは当日はカメラマンとして参加していた岡安も参戦。その企画案の突飛さとは裏腹に、今すぐにでも制作に走れるバランスのとれたチームとなりました。

ステレナイノ

「タイポグラフィが好き」というアイディアに集まった面々が膨らませたアイディアがこの『ステレナイノ』です。レシートや美術館の半券、映画のチケットなどが「なぜだかわからないけど捨てられない」というニッチなあるあるに気付いた本チームはこの心理を利用して、この「捨てられない小さな紙」のフォーマットを活かせないかと考えました。紙面はもとよりイベントなどのマネタイズまで考えられており、意外にも非常に戦略的なチームでした。その「紙」や「モノ」への愛情が通じてMTRL賞を受賞。

ろーかるpedia

「ろーかる」を愛するフリーペーパー。一見すると地域情報誌のようだが、その本質は「どこ」ではなく、「誰」が重要となってくる雑誌。お役立ち情報ではなく、その土地にいかに個人的な郷愁や思い入れがこもっているかがテキストの決め手となります。

 

「ここの名は。」「ふらり、愛に行く。」など感傷を刺激する特集企画が盛りだくさん。筆者もライターとして是非寄稿してみたいものだが、人生に一度しか立てないバッターボックスのような気がして緊張するのもまた事実。 “PLAY BIRD”と同じく2人のみのチームでしたが他に引けを取ることは一切無く、むしろ歯車の小ささが風呂敷を大きく広げることに繋がりました。

道端

ウクレレのKUROさんの演奏とともにプレゼン――という異色のチームが届けてくれたのが『道端』。草を愛でない野郎どもへ、と題された本紙のテーマは雑草。雑草といえば岡本信人よろしく「食べる」という面のみでのフィーチャーのされかたが最も一般的ですが、踏みつぶす、投げる、雑草の目線になるなどなど様々な切り口が用意されているところが魅力的なポイント。見事にアンテナ・只本屋賞を受賞し、実際の制作に動きだすことになりました。

JTR

タイトルのJTRはJapan Travel Ryugaku. の略称。海外留学ではなく、「国内の留学」をもっと身近にしようというコンセプトのもとに集まったチームです。関西と関東の大学の両方に通ったギャップ。ファッションスナップやあるあるネタのようなポップで楽しい企画から、本旨である国内留学に関するお悩み相談や対談記事まで、読みごたえのありそうなボリューミーな紙面の構想を発表しました。

 

JTRチームには同志社大学から早稲田大学へ国内留学をした経験のあるアンテナライターの宮ノ原も参加。若いチームの真摯な熱意を会場に伝えました。

結果発表

観客賞 “PLAY BIRD”

会場内で最も人気を博したのがこの “PLAY BIRD”. そのサイコパスとも言えかねない独自性とクオリティに「読んでみたい!」「もっと読みたい!」と読む前から中毒症状になる人が続出。参加者同士の人気投票で見事1位を勝ち取りました。

MTRL賞 『ステレナイノ』

会場のMTRL KYOTOからも当日急遽賞を頂くことに。レーザープリンターで判子を作る権利を『ステレナイノ』へ贈呈。

アンテナ・只本屋賞『道端』

アンテナと只本屋が「これは本当に読みたい!」と感じたものをセレクト。『道端』がグランプリに選ばれました。実際に手を動かすのは勿論『道端』のチームのみなさんですが、資金やスキル、流通はアンテナと只本屋が全面的にバックアップ。

 

既に制作は進んでおり、雑草を探し歩く取材ツアーが予定されているとのこと。いつか皆様のお手元にもきちんとお届けできる日がくるでしょう。

次はあなたも!

いかがでしたでしょうか。写真と共にTAKE OUT!!当日に挙がったフリペの案を全てお届けしてまいりました。この冬にはvol.3 の開催も予定しておりますので、是非ともご参加ください。皆勤賞からリピーター、初参戦までどなたでも大歓迎です。

 

知らない人とでも、同じ志を持って「湧き上がる」ことのできる感覚を是非一度体験してみてください。そして私たちはこのコミュニティの熱い源泉は「探す」ものではなく、自分たちで「作り上げる」ことができるものだと強く確信しています。素敵な場所と時間を必ず用意してみせます。ここで得られる価値のある体験は簡単には手に入れられません。というのも、自らアクションを起こす必要があるからです。しかしながらそのハードルを越えた先には必ず素晴らしいパノラマの展望風景があります。次回開催時にはあなたもプレイヤーとして、是非とも足をお運び頂ければ幸いです。

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