烏丸ストロークロックと祭『祝・祝日』
京都の劇団、烏丸ストロークロックが、2020年12月11日(金)から13日(日)に〈THEATRE E9 KYOTO〉にて神楽を創作のモチーフにした『祝・祝日』を上演する。1999年の旗揚げ以来評価されてきた会話劇を封印し、俳優がひたすら舞を舞う形式で、神楽と祭りを今に呼び起こすことを試みる作品だ。
2018年より仙台・広島・城崎と上演する地域と出演者によってその形を変化させてきた本作。今回の劇団本拠地である京都での上演後、来年には沖縄での上演と三重での関連公演が決定しており、少しずつ形を変えながら歳月をかけて、一つの祭りの形態を醸成させるための上演が今後も続いていく予定だ。
今回は入場料を無料とし、参加者や遠方からの支持者に会場を飾りつける “のぼり” や “天蓋かざり” を購入してもらうことでその収益を運営資金とする。コロナ禍によって舞台芸術を含む文化芸術業界全体の入場料収入が激減している中、作品の対価をチケット料とするシステムを見直す一つの試みとしている。
©igaki photo studio 写真提供:城崎国際アートセンター
また、2020 年 11 月 25 日(水)にはプレイベントとして、イラストレーターとしてメインビジュアルを担当した、東北出羽三山を拠点に活動する山伏の坂本大三郎と、烏丸ストロークロック代表で作・演出の柳沼昭徳によるオンライントークも配信される。
2015年以降、劇団の作品にも度々登場してきた神楽。ひたすら舞うことを「寄る辺」とした俳優の姿は、ショービジネスではない “芸能” が本来担ってきた役割を、価値観の揺らぐ現代人に示すだろう。
日時 | 2020 年 |
---|---|
会場 | |
料金 | 無料 |
予約 | 特設Webサイトより、予約制 |
テキスト・構成・演出 | 柳沼昭徳 |
音楽・チェロ演奏 | 中川裕貴 |
出演 | 澤雅展 / 坂田光平 / 小菅紘史(第七劇場) / 崎田ゆかり(ゲッコーパレード) / 諏訪七海 |
スタッフ | 衣裳:堂本教子 宣伝美術作品製作:坂本大三郎(山伏・イラストレーター) 制作:富田明日香(quinada) |
協力 | 第七劇場 / ゲッコーパレード / (一社)舞台芸術制作室無色透明 / quinada |
主催 | 烏丸ストロークロック |
助成 | 芸術文化振興基金助成事業 / 公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団 / 京都府文化力チャレンジ補助金 / 京都芸術センター制作支援事業 |
企画・製作 | オフィスバックヤード |
オンラインプレトークイベント
坂本大三郎×柳沼昭徳
“面白い”のはじまり~日本の芸能あれこれ~
2020 年の『祝・祝日』のメインビジュアルを担当したのは、東北出羽三山を拠点に活動する山伏の坂本大三郎氏。日本各地の山をめぐり祭を訪ね歩いてきた豊富な見識が、今回の作品の中にもちりばめられています。作品の紹介から、祭りや芸能のおどろきの起源や、日本の先人たちがそこに込めてきた本質に迫ります。
2020 年 11 月 25 日(水)19:00
YouTube ライブ配信
出演:坂本大三郎(山伏・イラストレーター) / 柳沼昭徳(烏丸ストロークロック代表)
※視聴用リンクは下記特設Webサイトに当日掲載
烏丸ストロークロック
1999 年設立。京都を拠点に国内各地で演劇活動を行う。作品のモチーフとなる地域での取材やフィールドワークをもとに短編作品を重ね、数年かけて長編作品へと昇華させていく創作スタイルが評価されている。
近年では地域に伝わる神楽や祭、山伏文化と精神性に触れ、『まほろばの景』(2018)は日本古来の感覚を呼び覚ます作品として反響を得る。
また、俳優・スタッフには関西外からも多く人材を起用。ワークショップや市民参加型の創作も多数手がけ、団体や地域の垣根を越えた活動の中で、地方都市での持続可能な創作の形を追求している。
柳沼昭徳
1976年京都市生まれ。劇作家・演出家。近畿大学在学中の1999年に「烏丸ストロー クロック」を旗揚げ、京都を拠点に国内各地で演劇活動を行う。作品のモチーフとなる地域での取材やフィールドワークを元に短編作品を重ね、数年かけて長編作品へと昇華させていく創作スタイルが評価されている。ワークショップや市民参加型の創作も多数手がけ、団体や地域の垣根を越えた活動の中で、地方都市での持続可能な創作の形を追求している。
NPO法人ひゅーるぽん主催による「広場に集まった仲間たちによる演劇公演・ウタとナンタの人助け」(厚生労働省平成 29 年度障害者芸術文化活動普及支援事業)の脚本執筆を手掛け、大きな反響を呼んだ。
第60回岸田國士戯曲賞ノミネート / OMS戯曲賞ノミネート多数 / 平成28年度京都市芸術新人賞受賞
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WRITER
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滋賀生まれ。西日本と韓国のインディーズ音楽を好んで追う。文章を書くことは世界をよく知り深く愛するための営みです。夏はジンジャーエール、冬はマサラチャイを嗜む下戸。セカンド俗名は“家ガール“。
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