『ムード・ホール』一夜限りの先行上映
33分33秒の芸術が、京都に凱旋する。映画『ムード・ホール』が12月27日、出町座で上映される。
予告編をご覧いただいただろうか。きっと「なにか」がある。
アジアやヨーロッパ、北米、南米などの数々の映画祭に参加し、大きな評価を得てきたカワイオカムラ監督(川合匠、岡村寛生の2人組)の最新作であり、第14回アニマトウ国際アニメーション映画祭 エクスペリメンタルフィルム部門最優秀作品賞(「スイス・ジュネーヴ近現代美術館-MAMCO-賞」)を受賞した作品だ。滅びかけた地球。生き残った人々が興じる不思議な遊び、「ムード・ホール」をめぐる、高密度の迷宮世界。言葉を排し、見ること、聴くことだけの世界へといざなう、傑作映画。音楽には、坂本龍一やダムタイプ、野田秀樹らともコラボレーションを展開する気鋭の音楽家、原摩利彦が参加している。
「一夜限りの先行上映」と題して12月27日に出町座で上映され、上映後にはカワイオカムラ監督の登壇するアフタートークも。監督のみならず北小路隆志(映画評論家 / 京都造形芸術大学教授)、石橋義正(映像作家 / 京都市立芸術大学教授)も登壇する。
カワイオカムラ監督は3年前に同名の個展を開いていたのだが、その時のカタログ刊行記念イベントのときから「映画版を誠意制作中」と伝えらえている。3年越しに、ようやくその全貌を見通すことができる。これはまたとない機会なのだ。さて、ひとつ参考までに当時の個展のプレスリリースを引用しよう。
「これを見逃してはならない。(見逃したらきっと次は2025年www)」(原文ママ)
飄々とした彼らのこの姿勢を鑑みるに「一夜限りの先行上映」という売り文句は、本当に文字通り「一夜限り」なのだろうと確信せざるをえない。
なお、併映作は『コロンボス』(2012)。『ムード・ホール』と同じくカワイオカムラが監督し、今作同様に原摩利彦が音楽を担当した。こちらも国内外で高い評価を修めており、第65回ロカルノ映画祭公式出品、アルスエレクトロニカ2014コンピューターアニメーション / FILM / VFX部門公式出品、第53回クラクフ映画祭国際短編映画部門最優秀アニメーション作品賞受賞作品だ。
場所 | 出町座 |
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日時 | 2019年12月27日(金) 19:25(~21:00終) ※上映&トークを含めた時間です。 |
料金 | ¥1,500 |
WRITER
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95年生。映画ライター。最近大人になって手土産をおぼえました。
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「フラスコ飯店」というwebの店長をしています。