ピーター・エマニュエル・ゴールドマン監督作品の特別上映
2020年11月28日(土)、60年代の若者たちの孤独や不安、そして衝動を描いた映画作家ピーター・エマニュエル・ゴールドマン監督の特別上映が京都みなみ会館で開催される。9月6日(日)に東京・渋谷ユーロライブで行われた同特別上映は即日完売と大きな反響を呼び、今回京都でも初公開されることとなった。
上映される『Echoes of Silence』(邦題:沈黙のこだま)、『Wheel of Ashes』(邦題:灰の車輪)はゴールドマン監督の現存する作品中、生涯で2本の長篇劇映画。ジョナス・メカスやジャン=リュック・ゴダールが絶賛し、ジャン・ユスターシュやストローブ=ユイレにも衝撃を与えた。『Wheel of Ashes』上映後にはミュージシャン・作家の中原昌也によるトークも開催される。
1日限りの機会に、京都みなみ会館で鑑賞する体験ごと堪能して欲しい。
ゴールドマンは近年で最もエキサイティングな新人映画作家だ。
この処女作は驚くほど素晴らしい作品である。
ースーザン・ソンタグ
アンダーグラウンド映画とゴダール映画の長所をもって、友人たちの生活や感覚をシンプルな物語として紡いだ。……『Echoes of Silence』は非常に美しいテーマと形式をそなえた映画だ。
ージョナス・メカス
我々が敬愛するアメリカ映画作家は皆早熟だった。ホークスのキャリアもゴールドマンと同じ年頃に始まった。ゴールドマンは、すべて1人でやってのけた…偉大なアメリカ映画作家は増えてゆくだろう。すでにゴールドマンにクラーク、カサヴェテスがいるのだ。
ージャン=リュック・ゴダール
ピーター・エマニュエル・ゴールドマン
1939年NY生まれ。1964年にアメリカで処女作『Echoes of Silence』を監督し、イタリア・ペサロ映画祭で特別監督賞を受賞。メカスやソンタグらより国内で高く評価されただけでなく、ビエットやゴダールらフランスの映画人たちからも絶賛された。
65年に短編『Pestilent City』を監督。66年にパリに渡り、『Wheel of Ashes』(68年)を制作。だが、その後ゴールドマンは映画製作から離れ、ユダヤ人としてのアイデンティティに傾倒してゆく。
60年代に前衛映画作家として世界各国の映画祭で賞賛を浴びながら、NYとパリで撮られた2本の強烈な作品を残して映画界から離れていった、稀代な監督である。
上映作品
『Echoes of Silence』沈黙のこだま(1964年 / アメリカ / 74分 / スタンダード)
NYをさまよう20代の若者たちを記録した、ニュー・アメリカン・シネマの記念碑的作品。街をぶらつく若者たちのやりきれなさや衝動を、手書きのインサートタイトルとさまざまなレコードに乗せて描き出す。
『Wheel of Ashes』灰の車輪(1968年 / フランス / 95分 / スタンダード)
混沌とした世俗的な欲望と、心の平穏を神に求めるはざまで苦悩する青年の姿を描く。愛や真理を求めて68年のパリを彷徨う主人公をピエール・クレマンティが演じた。
上演スケジュール
日時 | 2020年11月28日(土) 13:30 『Echoes of Silence』沈黙のこだま |
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会場 | |
料金 | 各1,500円 |
チケット | 京都みなみ会館Webサイト:https://kyoto-minamikaikan.jp/movie/8361/ |
主催 | PigeonFilms |
ゲストプロフィール
中原昌也
ソロユニット Hair Stylisticsとして活動するミュージシャン。
小説家・映画評論家・画家など活動は多岐にわたる。
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WRITER
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滋賀生まれ。西日本と韓国のインディーズ音楽を好んで追う。文章を書くことは世界をよく知り深く愛するための営みです。夏はジンジャーエール、冬はマサラチャイを嗜む下戸。セカンド俗名は“家ガール“。
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