
ラリー・クラーク監督の映画『BULLY ブリー4K』が再上映。若者の暴力性と危うい人間模様を生々しく描き出す
2026年9月11日(金)より、映画『BULLY ブリー4K』が〈シネマート新宿〉ほか全国で順次公開される。1990年代のストリートカルチャー、ユースカルチャーを象徴するフォトグラファー、映画監督のラリー・クラークが監督を務め、2001年に公開された本作。25年の時を経て、4Kの高解像度版で再上映が決定した。
舞台は、南フロリダの郊外。ボビーとマーティは、親友で幼馴染のティーンエイジャー。若さを持て余しながら、刺激を求めては満たされぬ空虚な日常を送っている。要領がよく、支配的な性格のボビーは典型的ないじめっ子で、マーティは常にやられ役。この歪な共依存がアリとリサという二人の同世代の女の子との出会いをきっかけに、制御不能なおぞましい暴力へと姿を変えていく。
ラリー・クラークと言えば、1995年公開の『KIDS』があまりに有名だ。NYのマンハッタン、ダウンタウンを舞台にドラッグとセックス、暴力に溺れていくティーンエイジャーの24時間を収められている。スリリングでショッキングな描写の数々もさることながら、息苦しい排気ガスと息遣い、積み重なった有象無象の欲望の残骸が画面を超えて見る者に強烈な不快感を与える。
本作『BULLY』は、実際に起きた殺人事件をもとにしており、アメリカ郊外における若者たちの抱える絶望感や刺激への渇望、終わりの見えない暴力への発散を生々しく描いている。ビーチと亜熱帯の太陽、そして片田舎の閉鎖的な人間関係が舞台装置となる本作は、都会の息も詰まるような狭苦しさと、目まぐるしく入れ替わる人間関係を背景にした『KIDS』と好対照だ。
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公式プレイリストからもわかるように、Thurston MooreやTricky、Fat Boy Slimなど、90年代末から00年代初頭の音楽シーンを賑わせたアーティストの楽曲が数多く登場する。国籍やシーンを問わず集められたラインナップからは、当時の若者たちが車の中やベッドルームで聴いていたイメージが浮かび上がる。この音楽を聴いていたのは、裏社会の極悪人でも、映画の中だけに存在する不良でもない。そんな音楽は、どこにでもいる普通の若者が何も特別ではない郊外の街で起こす、取り返しのつかない過ちを描く映画と痛々しくリンクする。上映館や日程はWebサイトを確認してほしい。
BULLY ブリー4K
制作年:2001 年 / アメリカ、フランス、イギリス / 112 分
監督:ラリー・クラーク
原作:ジム・シュッツ
脚本:ザカリー・ロング、ロジャー・プリス
撮影:スティーヴ・ゲイナー
編集:アンドリュー・ハフィッツ
音楽監修:ハワード・パー
出演:ブラッド・レンフロ、ビジュー・フィリップス、レイチェル・マイナー、ニック・スタール、マイケル・ピット、レオ・フィッツパトリック、ケリ・ガーナー、ダニエル・フランゼーゼ
提供:JAIHO
配給:グッチーズ・フリースクール
Webサイト:https://www.bully4k.com/
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