LIVE KILAUEA 2014 -day.1-@京都GROWLY ライブレポート
京都西院に店を構え、京都のバンドマンに愛され続けて今年10周年を迎えるmusicstudio hanamauii(スタジオハナマウイ)。そのスタジオが主催するイベント「LIVE KILAUEA」が今年も開催された。
昨年は二条にあるGROWLY BLDG.を3日間貸し切って行われ、eastern youthやtofubeatsなどのメジャーのアーティストも出演、京都の夏を盛り上げた。そして今年はGROWLY BLDG.で2日間、最終日は京都METROで開催。昨年同様に熱狂の3日感が繰り広げられた。 京都GROWLYで行われた初日には、現在京都ライブハウスシーンで精力的に活動をするバンドが揃った。
イベントの幕開けを勢いづける熱いステージを見せつけたのはTHE天国カーやTHEロック大臣ズといった京都の若手バンドだ。THEロック大臣ズのステージではねじ梅タッシと思い出ナンセンスが飛び入りで参加し、スタジオの熱量は急上昇。振り絞るようにロックンロールを叫ぶ彼らに呼応し、多くの観客の拳が上がった。 その後も若手注目株のベランダや、異彩を放つ22歳のシンガーソングライター中村佳穂といった若手アーティストが立て続けに登場。どのステージにも多くの観客が詰めかけていたのがとても印象的だ。京都には若手が不作な時期もあるのだが、今は精力的な活動をしている20代前半の若手バンドが多い。まさにそれを象徴するようなラインナップに心が躍る。
京都を基盤に長く活動を続けるバンドたちはキャリアに裏付けされたステージを見せつけてくれた。 ザ・シックスブリッツのステージでは終始シンガロングが巻き起こっていた。その場にいる全員を巻き込むステージングをするバンドは京都ではとても稀有な存在だ。 イベントの中盤、ヒールにレトロなワンピース姿でステージに現れたのは来年結成20周年を迎えるドクロズだ。キュートな風貌とは裏腹に、芯の太いサウンドと艶のある歌声で観客を魅了した。
個人的にはこの日、星の王子さまたちがいちばん輝いていたと思う。盟友・マイマイズの東を迎えて奏でられたのは爆音、轟音のロックンロール。それはとても泥臭く、どこまでもまっすぐだ。自分たちの素の部分を余すことなくさらけ出す彼らのうたはロマンチックで、ぎゅっと胸をわしづかみにされた。スタジオに入りきらないほどのお客さんがいかに良いライブだったかを証明している。
そして一番脳裏に焼き付いてやまないのは私の思い出のアクト。噂はかねがね耳にしていたのだが、そのインパクトは想像をはるかに超えるものだった。「現存する唯一のアドベンチャー・ロック・バンドです!」と勢い良くライブは始まり、「ここGROWLYをキャンプ場に変えにきました!」なんて設定もとても愉快。初見でもすぐに乗れる強力なリズムでフロアを踊らせ、疾走感のあるチューンが続く。終盤は愉快なリズムから一変、ハードロックバンドに変貌したりと目で追いかけるのも忙しく、嵐のように時間はあっという間にすぎていった。
この日のトリを飾ったのは新メンバーを迎え昨年活動を再開させた片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ。真っ赤なスーツに身を包んでステージに現れた片山(Vo.)の姿はとても凛々しく、フロアのオーディエンスの視線を一身に集めていた。イベント主催のスタジオハナマウイへ「生まれ変わってもハナマウイで音を鳴らそうぜ!」とエールを送る。突き刺さるようなギターに力強い歌声を乗せて、瞬時に会場をダンスフロアへと変貌させるサウンドは脳裏から離れない。圧倒的なステージであった。
会場内は手書きの看板や手作りのオーナメントが下げられ、さながら文化祭のような雰囲気が漂っていた。そんなビルの中を満足げな表情を浮かべながら周遊する人を多く見かけた。楽しみ方は自分次第、そんな自由な場所と時間を提供したキラウエア初日は、多くの観客の笑顔からも成功だったに違いない。
(photo : kentaro fujisaki / 岡安いつ美 )
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昭和最後の大晦日生まれのAB型。大学卒業後に茨城から上洛、京都在住。フォトグラファーをメインに、ライター、編集等アンテナではいろんなことをしています。いつかオースティンに住みたい。
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