【2020年5月】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」
「かっこいいバンドはいるの?」
「今」の京都の音楽シーンを追う、この連載!
今月も今聴いておきたい注目のアーティストを紹介していただきます。
紹介者は以下の方々です(五十音順)。
- 京都GROWLY 店長:安齋智輝
- Live House nano 店長:土龍
※今月LIVE HOUSE DEWEYのレコメンドはお休みとさせていただきます。ご了承くださいませ。
LIVE HOUSE DEWEYでは無観客配信ライブを実施中。詳細はスケジュールにてご確認ください。
※これまでご寄稿いただいていた、VOX HALLは2020年4月末での閉店が決定いたしました。これまでの感謝を申し上げるとともに、新天地での再開を待ち望みながら、この連載を続けてまいります。現在VOX HALLでは再出発を目指しグッズ販売を実施中です。こちらもぜひご覧ください。→VOX HALL WEB SHOP
京都GROWLY 店長:安齋智輝の注目アーティスト
ZOOZ
最近結成の4人組ポストパンクリヴァイバルリヴァイバルバンド。ご存知、TheStoneThatBurns、biens、ミスタニスタ、Emu-sickSのメンバーから成るオールスター的なチーム。
逆輸入の逆輸出ばりの海外インディーロックの全粒粉といった本格的な純度の高いサウンドで結成間もなく各所で絶賛の嵐。かくゆう僕も初見にしてイギリス地下の薄暗いべニューで、瓶ビールを呷りながら湿度のたかーいフロアで漂ってる気にさせられた。(行ったことないけど)
文字通りポストパンクの要素はもちろんのこと、「踊れる」というカテゴリーだけに留まらないアシッドでスケールの大きいオルタナティヴマインドにあふれた楽曲が並ぶ。The KillersとLed Zeppelinがコラボしたような、ラディカルな音楽性にも関わらずあくまでも大衆を味方にできるアウトプットを携えた、本当にロックの歴史を余すことなくリヴァイバルできる可能性を秘めたバンドではないか。
裏話になりますがもう1つの特筆すべきポイントが、何よりもすべてが早い。速すぎる。制作も段取りもプレイも提案への返答も。
結成1年満たずで楽曲は20曲以上、映像作品も6本以上ある。機動力とインテリジェンスにおいても他と一線を画すバンドなので、正直話が早すぎていつも助けられてます。
求ム、海外進出。
安齋智輝
京都GROWLYの店長です。
元和菓子職人です。
お菓子も音楽も手間暇と愛が必要、がモットーです。
京都GROWLYは2020年5月31日まで営業自粛することが決定しております。各支援情報は下記のページにてご確認ください。
Live House nano 店長:土龍の注目アーティスト
青の時代
京都のシンガーソングライター梶本ヒロシ率いる5人組ロックバンド。過去に数多のキャリを持つ、梶本との付き合いが随分長くなってきたメンバーが集い去年の秋に初ライブ。
基本的には梶本の歌に沿ったギターロックバンド。
「基本的には」。
そう。飽くまで基本的な情報でしかない、ギターロックというカテゴライズが。ギターの歪んだサウンド、力強いリズムとビート、その隙間を彩るオルガン、そして梶本の声とメロディと詩は、ギターロックというには間違いのないタイプの音楽だ。しかし、そのライブを観れば「そんなありきたりの言葉」では片づけたくないほどの存在感。
先ず音が大きい。全員大きい。でも耳に全くうるさくない。帯域のすみ分けやタイトなアンサンブル故の音圧が為されているのは為されているが、少しでも自分の音が楽曲にとって邪魔なものになろうとするならばすぐさま手元のアタックで反応、そのレスポンスのスピードはメンバー全員がかなり高度なテクニックの持ち主であることと、自分たちの演奏する曲への理解度の深さ故だろう。それくらい演奏ができるからといってクールでコントローラブルなステージを想像するならば、それは大間違い。めちゃくちゃに熱い。抑えるべきところで抑えるのはそういう演奏の表現方法の一つに過ぎず、基本的にめちゃくちゃ鳴らず。鳴らしきる。
音楽を演奏するということは、つまるところどこに行きつくのか。
歌を聴かせる?上手なプレイ?聴き手の心に刺さる言葉?パフォーマンスの派手さ?
違うだろ、どれも途中経過、演奏(ライブ)を構成する一部分だろう?
音楽の出来では勝負しない、それが良いのは当然、その延長線上にあるそのアーティストの存在証明を鳴らすこと。それが音楽を演奏するということ。
それができるバンドが京都にまた現れたというニュースだよ、このテキストは。
土龍
こんにちは。
土龍(もぐら)です。
京都生まれの京都育ち。
受験戦争の申し子を経て、めでたく京都大学入学。
でも何を間違ったか8年間在籍。
大学生活のほぼ全ては、大学構内より焼き鳥「どん」かライブハウスで過ごす。
やってきたチャンスに上手いこと乗っかって現在は、京都市中京区は二条城の近くの「livehouse nano」(http://livehouse-nano.com/)の店長。
自身の音楽活動としてはライブハウスの経営以外にも、京都の秋のロックフェスティバル「ボロフェスタ」主催チームの1人であったり、仲間のバンドにひょこっと参加してアルトサックスをご機嫌にブロウしたり。
またライブイベントの司会を務めることも多く、京都のライブイベントで司会者といえば「土龍」だろうと勝手に思ってたり。主催している「ボロフェスタ」でももちろん名物司会者として名を馳せてたりそうでもなかったり。
派手好きの単純思考。
関西屈指のパーティピープル。
土龍のいるフロアは華やぐとかそうでもないとか。
あ、あと2人の娘の父親。
Live House nanoではドネーショングッズをオンラインストアにて販売中。新グッズも日々入荷中!
Youtubeチャンネルでは無観客ライブも日々開催しています。ぜひチャンネル登録を!
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WRITER
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昭和最後の大晦日生まれのAB型。大学卒業後に茨城から上洛、京都在住。フォトグラファーをメインに、ライター、編集等アンテナではいろんなことをしています。いつかオースティンに住みたい。
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