SICF17 グランプリアーティスト 「江頭誠」 展
東京・青山の複合文化施設、スパイラルで行われているアートフェスティバル『SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)』。そんなSICF出展作家作品展がワコールスタディーホール京都にて開催中だ。
今回はSICF17(第17回スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)グランプリの江頭誠を紹介。日本人なら一度は使ったことがあろう、ロココ調の花柄の毛布を用いて立体やインスタレーション作品を制作する彼は、戦後日本が長らく抱いていた西洋文化へのコンプレックスや憧れ、また日本独自の文化への問いかけを巧みに表現します。本展では花柄の毛布で覆われた作品の中に鑑賞者自身が毛布のスーツを来て入り、集合写真を撮ることによって自己の思い出や記憶を蘇らせます。
日本人なら一度は使ったことがあろう、家庭臭漂うロココ調の花柄の毛布で覆われた人、物、背景を使って集合写真をとる。
我々が無意識のうちに取り込んでいるロココ調のド派手な柄の毛布。 スーツのように皆、型が同じで、持ち主の好みに関係なく日常的に使われている。
そんな毛布の柄から日本が長らく抱いていた西洋文化へのコンプレックスや憧れ、またそれを受け入れざり得なかった歴史の背景が見えてくる。 我々の日常は自分以外のものによって作られ、無意識のうちに受け入れている。
というより受け入れさせられているのではないか。
今回、毛布のスーツを着て作品の中に入り、写真を撮ることによって、その中の一員になることができる。
時に我々は作られた日常を客観視し、自分にとって必要なものを取捨選択しなければいけない。
会期 | 2017年12月13日(水)〜2018年1月20日(土) |
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時間 | 火曜~金曜 10:00~20:00 / 土曜10:00~17:30まで (休廊日:日・月・祝日 ※2017年12月28日(木)~2018年1月8日(月) 冬期休館) |
料金 | 入場無料 |
主催 | ワコールスタディホール京都 企画協力: スパイラル/株式会社ワコールアートセンター |
WRITER
- 岡安 いつ美
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昭和最後の大晦日生まれのAB型。大学卒業後に茨城から上洛、京都在住。フォトグラファーをメインに、ライター、編集等アンテナではいろんなことをしています。いつかオースティンに住みたい。
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