ソノノチ 2020 『たちまちの流(ながれ)』
京都を拠点に活動する劇団・ソノノチが5年ぶりとなる劇場スペースでの公演『たちまちの流(ながれ)』を2020年1月16日(木)〜19日(日)に、京都芸術センター フリースペースで行う。
ソノノチはこれまで彼女たちの描きたい物語が最大限に活きる10~20席程度の小空間で上演を重ねてきた。人々の心のうつろいを繊細に表現する物語や、俳優との距離が近いからこそ体感できる臨場感や没入感が魅力的な劇団である。
2018年より続けてきた滞在制作や視察を通じ、より広い空間にするからこそ表現できることを求めて、遠景を眺めるように見ることのできる舞台作品『風景の演劇シリーズ』の制作に取り組んできた。そのシリーズ第一弾となる作品が、今回上演される『たちまちの流(ながれ)』である。
本シリーズでソノノチが新たに紡ぎ出すのは、風景の中を旅する演劇作品。『たちまちの流(ながれ)』では、風、川、星など、自然環境の様々な景色やそこに残る記憶、風景そのものを舞台空間に混ぜ込み、自然の持つ壮大な歴史から、人間の存在の儚さを見つめる。
今回はインスタレーションも用いて壮大な自然を京都芸術センターの舞台上に作り上げる。これまでの作品でも物語と空間の作り込みへの情熱を目にしてきているからこそ、このアプローチへの期待も高まる。その空間で観客は「主体」として佇み、自分自身もまるで自然の風景の一部であることを受容されるような感覚が想起されるであろう。忙しない現代社会の中でも一人一人が自分自身の生きる場所や時間のことを顧みたり、立ち止まって物事を見つめ直すことが、この作品を通してできるのではないだろうか。
小さな空間から、大きな舞台空間へ。ソノノチの新たな挑戦をお見逃しなく。
作品に寄せて 演出家コメント
「景」という文字には、光と影、という意味があるそうです。つまり「風景」という言葉は、風と、光と影
で成り立っていたのです。
この数年、私たちは離島や山間部の集落、湖岸、川辺、などに出かけ様々な場所を取材しました。中でも
人の手の入れられていない、数少ないまさにありのままの自然を眺めるうちに、それらは当然ですが一定の
法則と性質を持ち、互いが関連しあい、独自のリズム、流れを持っていることに気が付きました。また、そ
れを見る主体(ここで言う私たち自身)が、その場所を訪れ、つかの間関わり、その場を離れる、その繰り
返し。振り返ると、まるで風のように旅をしているようでした。
そこで本作品では、風たちが、光と影の織りなす世界を旅する、という様子を描くことにしました。この旅が一体どこに行き着くのか、誰にもわかりません。いつかこういう作品をつくりたい、という想い。創作する者としての希望であり、あこがれのような気持ちを抱えたまま、時にその場にたゆたい、時に駆け巡るように、旅を続ける最中です。目指すものは確かにある、という強い気持ちで、今ここに立ち、共にまだ見ぬ風景に手を伸ばし続ける日々です。
ソノノチ 中谷和代
日時 | 2020年 1月17日(金)14:00 / 19:30 1月18日(土)13:00 / 18:30 1月19日(日)14:00 |
---|---|
会場 | 京都芸術センター フリースペース (京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町 546-2) |
料金 | 一般 2,800円 学生 2,300円 初めて割 2,500円 ※前売のみ 初めてペア 5,000円 ※前売のみ 高校生以下 1,000 円 グッズ付きチケット 5,000 円 ※前売のみ・数量限定
※日時指定入場券 ※受付開始は開演の30分前 ※当日券は500円増(高校生以下を除く) ※「グッズ付きチケット」のグッズは、公演物販では販売しないハンドメイドの限定商品です。 |
チケット |
|
構成・演出 | 中谷和代 |
出演 | 藤原美保(ソノノチ)、芦谷康介(サファリ・P)、香川由依、黒木正浩(ヨーロッパ企画)、呉 光倩、筒井茄奈子、仲谷 萌(ニットキャップシアター) 、葛井よう子 |
スタッフ | 演出部:外谷美沙子(ソノノチ)、ひなたみかん(劇団 FUKKEN)、たかつかな(何色何番) 楽曲製作:いちろー(廃墟文藝部) 舞台監督:北方こだち 照明:河口琢磨(劇団飛び道具) 音響:道野友希菜 舞台美術:竹内良亮 衣装:たかつかな(何色何番) 宣伝美術 ほっかいゆ r ゐこ イラスト:森岡りえ子 スチル:脇田友 制作:渡邉裕史、小川裕夏、柿原律、吉岡ちひろ(劇団なかゆび) 物販:ソノノチノチ |
主催・企画・製作 | ソノノチ |
共催 | 京都芸術センター / 一般社団法人フリンジシアターアソシエーション |
後援 | NPO 法人京都舞台芸術協会 芸術文化振興基金助成事業 Co-program 2019 カテゴリー D「KAC セレクション」採択企画 made in KAIKA |
問い合わせ | 電話:050-5318-7717(制作) メール:info@sononochi.com |
HP |
You May Also Like
WRITER
- 岡安 いつ美
-
昭和最後の大晦日生まれのAB型。大学卒業後に茨城から上洛、京都在住。フォトグラファーをメインに、ライター、編集等アンテナではいろんなことをしています。いつかオースティンに住みたい。
OTHER POSTS