
野良の滞在トークイベント「都市と、自然と、生活と。〜観察のレッスン〜」
9月2日(火)、京都・亀岡の〈A HAMLET〉で、滞在制作プログラム『野良の滞在』第一回参加アーティストの進士三紗さんと、「高瀬川モニタリング部」をゲストに迎えたトークイベントを開催します。テーマは「都市と、自然と、生活と〜観察のレッスン〜」。
日常の中で見落としがちな風景や現象を、独自の視点で捉えるヒントをお届けします。都会の喧騒を離れ、焚き火のゆらぎに耳を傾けるひとときは、心を解きほぐし、感覚を研ぎ澄ませてくれるでしょう。
『野良の滞在』とは
『野良の滞在』とは京都・亀岡の〈A HAMLET〉を拠点に、「なにもない場所なんてない」を合言葉に、その土地の人・もの・ことを新たな視点で掘り起こす滞在制作プログラムです。
第一回目となる今回は、ペインター/フォトグラファーの進士三紗さんが2025年8月に滞在制作を実施。石や水といった自然物から着想を広げ、かつて亀岡盆地を覆っていた湖の伝承や、「地形」「土」がもつ“覆う”というキーワードをもとに、サイアノタイプを使用した作品やペイント作品を制作しました。
緑や花で彩られる現在の〈A HAMLET〉の庭も、かつてはアスファルトで覆われていた場所。都市と自然が交差し変化してきた舞台で、独自の観察眼を生かした表現が生まれました。
焚き火を囲みながら、都市と自然、そして日常を“観察”する
制作作品は8月26日(火)〜9月7日(日)の間、〈A HAMLET〉で展示予定。その中日となる9月2日(火)19:00〜、展示に合わせたトークイベントを開催します。
ゲストは、京都市中心部を流れる高瀬川の生態系を観察してきた高瀬川モニタリング部。3年間のフィールドワークで培った観察手法を通して、街と川、そこに暮らす生き物たちの関係性を紐解きます。
進士さんと高瀬川モニタリング部、異なるフィールドで活動する二者の視点から、「観察する」という営みの奥深さを探ります。
都市的な暮らしに慣れきった私たちですが、今こそ人間の営みを見直すタイミングかもしれません。焚き火の温もりに包まれながら交わされる言葉は、あなたの日常に新しい視点をもたらすはずです。
「観察の力」を取り戻したい人へ。この夜は、あなたの感覚を少しだけ変えるかもしれません。
登壇者
進士 三紗 | MISA SHINSHI

1998年 京都府出身
2021年 京都市立芸術大学美術学部 油画専攻 卒業
自身と他者(他の人間と人間以外の生物、無生物)との関わり合いの中で生まれる関係性の本質に関心を持ち、石や植物、動物を通して顕在化される自身の輪郭を追うために、絵画と写真を使った作品作りを研究している。 主な個展に2025,4月”Umwelt-営みのかたちを巡る旅-“,kivi(Kyoto)/2023,7月”立ち現れる輪郭” chignitta space (Osaka)、主なグループ展に2024, “SILENT RESONANCE”, Galerie Lulla (Los Angeles)/2023, “汽水域”,バイソンギャラリー(Hyogo)/2022,”IN THE FLOW”, 松栄堂 薫習館 (Kyoto)/2021, “the sight of the stars makes me dream”, SCÈNE (Tokyo)/ 2020,9月『Tourbillon 18』,Oギャラリーeyes(Osaka)など。
▼アーティストステートメント 〜『野良の滞在』への参加にあたり〜
文化人類学者ティム・インゴルドは、著書『Life of Lines』の中で、「地面は大地(物質)と大気(媒質)の狭間で、絶えず動き続けている」と述べ、地面の本質的な性質に注目しており、この考えは私自身の制作とも深く結びついています。 しかし、都市生活においては、このように絶えず動いている様子を見せる地面はほとんど見られません。むしろ、アスファルトによって大部分が覆われ、その動きや気配は封じ込められているように感じています。 今回の滞在先である亀岡盆地には、「かつて亀岡は湖だった」という伝承が残されていることを知り、この地形と土が内包する過去の痕跡に私は強く惹かれました。野良の滞在の2週間を通して、アスファルトという硬い覆いを頭の中から取り除き、水がかたちづくった地形、そして植物や人の営みをリサーチすることで、亀岡の地面に宿る記憶を手繰り寄せたいと考えています。
高瀬川モニタリング部

京都の街を北から南に走る人口河川の高瀬川。約400年の歴史を持ち、かつて高瀬船が通った元運河は今も京都の街を流れている。そんな高瀬川に集まる「いきもの」たちの世界を多様な視点で観察するのが「高瀬川モニタリング部」である。2022年よりアーティスト前田耕平により活動を開始し、高瀬川のフィールドワークを起点に様々な人々と部活動を行う。近年では「高瀬川モニタリング部のつくりかた」(NEUTRAL 京都、2025)など展示企画を行いながら、図鑑の発表を目指している。
https://www.instagram.com/takasegawa_monitoring?igsh=MTR2YzNybWh6dXh4bA==
| 日時 | 2025年9月2日(火) 開場18:30 / 開演19:00 / 終演20:00 |
|---|---|
| 参加費 | ¥1,000(税込) |
| 会場 | A HAMLET(Google Map) |
| チケット予約 |
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WRITER

- フォトグラファー
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昭和最後の大晦日生まれのAB型。大学卒業後に茨城から上洛、京都在住。フォトグラファーをメインに、ライター、編集等アンテナではいろんなことをしています。いつかオースティンに住みたい。
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