【ナノボロフェスタ2015 / DAY1】花泥棒 / my letter / never young beach
花泥棒
今ここにいる誰よりも、待ちきれない表情まるだしで1曲目“デイドリーム”の一番を歌いあげたGt.Vo.稲本。間奏で「サイコーです!!」の声を思わず発していたが、その言葉、こっちはずっと大事にとっていたんだから!先に言うなよ!先走るなよ!少しストレンジなリフから、爽快(かつ痛快!)なサビへ抜けて行く2曲目ではBa.ソロから間髪をいれずにGt.ソロ×2人分をブチ込んでくる、これでもかと言うほど全部盛りの展開。そのくせコンパクトな感じでたたみ掛けてくるのがかっこいい!ポップで甘酸っぱいだけじゃなくて、ちゃんとかっこいいのだ、花泥棒は。
終始フロアからはVo.稲本に対する野次が飛び交っており、本人も「野次なのか声援なのか分からない…」と困惑気味。いやいやその野次はお帰りってことだよ!ボロフェスタへおかえりなさい!夏のしめくくりはもちろん“渚”。みるみるフロアがハッピー感に包まれて、観客の両手が宙へと開かれていく。切っても切れないな、ナノボロと花泥棒は!本祭への出演も決定しているので、花泥棒のせいでもう少しだけ夏休み延長です。
my letter
長い長いイントロが永遠に続くことで空間はじわじわと支配されていく。ボヤーっとした空気の中で絶妙に音飾とドラムのフィルインだけで展開されていく“夜は遠くから”。ささやかに広がってささやかに上がっていく。少しずつ時間の間隔を握りつぶされていく感じ。何分あるんだこの曲、歌詞パートに入るまでほぼ4分かかるらしいが、それが長いのか短いのかが全くわからない。ただそこにアンサンブルが広がっていくだけのこの感覚、不思議な気持ちである。
「秋フェスだと思っていたら予想以上に暑くて。夏フェスですね」と漏らすGt.Vo.キヌガサ。いや、こっちは秋フェス感じてたよ、my letter聞いた瞬間から。なんて涼しくて凛々しくて穏やかな音楽なんだろう!なーんて思ってたら始まった“もうひとつの10月に”。やられた!見透かされてた!と一人で笑ってしまった。とびきりのキラーチューン“アメリカ”でも、気がつかないうちにグングンと変化して盛り上がっていく展開に胸を熱くする。終わらないで!と思わざるを得ないアウトロに胸をキューンと締めつけられる。あれだけの長尺を飽きるどころか、その展開の先を期待させ続けるのがmy letter。ずっとワクワクして待ちわびている、終始そんな気持ちにさせられるライブであった。本祭では25日(日)に出演が決定している。ナノボロでもの足りなかった方は是非足をお運びください。
never young beach
ステージにはトリプルギター!それだけで否が応でもテンションがあがってしまう!ナノボロフェスタ1日目のトリはnever young beach。セッティング中からフロアには人がひしめいていて、リバーブとトレモロのきいたギターが鳴り始めると観客は思い思いに体を揺らす。その名の通り、beach感溢れる中にchillな雰囲気が漂っていて、懐かしさを感じるメロディと声を聞かせてくれる。なんてことはない日常の風景を歌っているのだが、そのあまりの心地よさにハッとさせられる。
曲の入りを間違ったり、機材の調子が悪かったり、セットリストを覚えていなかったり…その度にGt.Vo.安部が「なんでいっつもそうなんだよー!」などとぼやきながらも、あいかわらずゆるゆるとステージは続いていく。ラストソング“どうでもいいけど”でまさかの安部のシャウトが聞こえた瞬間、観客は跳ねるしフロアは揺れるしで最高にハッピーな空間に仕上がっていました。観客の声援がオケと同じくらい聞こえ続けていたよ。狭いnanoのステージの中で全員が肩を寄せ合って演奏する姿、エンディングへと向かっていく様は見ているこちらも快感そのものであった。ボロフェスタ本祭へは24日(土)の夜よりスタートのVOL.夜露死苦に出演。間違いなく贅沢な空間になるはず。
ナノボロフェスタ2015特集
ナノボロフェスタ2015 DAY.1
カトキット / Spacetime And Streams / ゆーきゃん
https://antenna-mag.com/column/nanoboro2015_day1-1/
ナノボロフェスタ2015 DAY.1
Baa Baa Blacksheeps / ONIGAWARA / 岡崎体育
https://antenna-mag.com/column/nanoboro2015_day1-2/
ナノボロフェスタ2015 DAY.1
渚のベートーベンズ / ナードマグネット / Seuss / ゆーきゃん
https://antenna-mag.com/column/nanoboro2015_day1-3/
ナノボロフェスタ2015 DAY.1
花泥棒 / my letter / never young beach
https://antenna-mag.com/column/nanoboro2015_day1-4/
ナノボロフェスタ2015 DAY.2 前編
THEロック大臣ズ / 私の思い出 / 山本隆弘(KBSホール) / she said / T.V.not January / 中村佳穂 / THE FULL TEENZ / おとぼけビ〜バ〜
https://antenna-mag.com/column/nanoboro2015_day2-1/
ナノボロフェスタ2015 DAY.2 後編
せのしすたぁ / ムーズムズ / メシアと人人 / 長谷川健一 / Have a Nice Day! / Homecomings
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地域に根ざした世界中のインディペンデントな「人・もの・こと・場所」をおもしろがり、文化が持つ可能性を模索するためのメディアANTENNAです。
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