【ボロフェスタ2015 Day2 / Underground stage】eastern youth / ワンダフルボーイズ
■eastern youth
「我々eastern youthという駆け出しのバンドでございます。結成して2回目のライブです。」などとのたまうGt./Vo.吉野寿の最高のMCからスタート!「おれたちeastern youth。おもしれぇことはいつだって地下からはじまる。」完全に名言いただきました!!!!もう死んじゃうんじゃないかなと思うほどすでに周りの空気は暑かったが1曲目”街の底”が始まると同時に汗が吹き出し初めて、サビに入るともう息もできない。まるで地下ステージが熱をもって呼吸をしている大きな生き物のように感じる。でっかい生命力をもった生き物の中に私たちは飲み込まれていく!新体制となって二度目のライブと言っていたが、男くさくて最高に泥くさい姿は何も変わっていないし観客も相変わらずすぎる!「吉野ぉぉぉ!!!」という雄叫びがこの先もやむことはない。
“沸点36℃”ではしっかりと、はっきりと、泣くように絞り出すように吠えるように慈しむように諭すように歌う吉野の姿はいつ見ても血をたぎらせるものがある。そりゃ汗も噴き出すよ、まさに沸点寸前!去年よりステージに段差がついて少し高くなった地下ステージを食い入るように仰ぎ見る観客たち。eastern youthがいる場所がぼくらにとっていつだって最前線であることを痛感した。涙が出るほど素晴らしい。吉野のやかましいけど響きまくるギターがグッとくる”何処へ”では泣きだしそうな顔でギターを掻き鳴らす吉野を見て思わず、観客からは力の有り余った拳が突きあげられる。演奏が終わると静かにフロアを見渡す吉野。「絶望の虜になってしまうことはよくあるんですけれども、まだまだ世界は素晴らしいと思っております。」そう力強く呟くとともに繰り広げられる”素晴らしい世界”。新メンバーのBa.村岡ゆかがRCブースターをぶち抜いた瞬間に沸き上がる興奮と歌声!!絶叫する吉野への敬意と勲章の証である拳・拍手・喝采は鳴りやまない。どれだけ男なんだ、吉野!毎回言うけど一生ついていくぜ。
■ワンダフルボーイズ
地下ステージのトリを務めるのは、底抜けにハッピーでポップな関西の六人組ワンダフルボーイズだ。二日間癖の強いバンドが怒涛のように出てきていたが、その中でも強烈な個性を輝かせている。「ちょっとね…ジャンプするにはね……今年はステージができたから(去年はステージはなく返しのスピーカーでステージとフロアを区切っていた)…ちょっとだけ僕ジャンプ力を抑えてやってるから…!」と天井に手をつきながら困ったように言うボーカルのSundayカミデ。「みんなは全然飛んでよ!」と前置きをし12月に発売される新作からリード曲にもなっている『MUSICレボリューション』。6人を収めるには狭いステージを隙間なくはしゃぎ回るメンバーとそれに決して振り落とされずついていくフロア。鳴り響くサックスは聞いてるファンの心を掴んで離さない。
『平和 to the people』では曲間に「いまメインステージでくるりやってるから…ここまでで十分です」という自虐もはさみ、ついついファンも笑ってしまう、本当に笑顔が耐えないアクトだ、と思えばSundayカミデは「これができたら絶対モテる」というアクロバティックヨガを行っていた。なんなんだこれ?!と混乱する暇も与えず、他メンバーは笑いながら音を止めることをやめない。6人もいると音がごちゃごちゃしてしまうかと思うが、全員が全員の足りない音を埋めるように演奏していく。「おれがいかにアンチエイジングしてるか…見といたほうがええんちゃうか?!」とSundayカミデがにっと笑って言い、ベースのニーハオからベースを借りてスラップを披露、「Sundayさん越えてみろよ!」とニーハオに返すと負けじと軽快に演奏。始まった最後の曲は気ままな青春ポップ『Joy To The World!』。CD音源とはまた異なったアレンジを施し、サックスとハーモニカの音色が綺麗に混ざり合うなかでメンバー全員が満面の笑みを浮かべた。
掃けることもなく行ったアンコールでは曲をする前に「ゆーきゃんとドライブにいった」というボロフェスタらしいMCをし「fire fly」、「君が誰かの彼女になりくさっても」を演奏。自由奔放な地下ステージを締めくくるにふさわしく、ボロフェスタに対して、ファンに対して、そして自分たちに対しての愛にあふれたアクトだった。
(Text:山田和季)
(Photo:fujimari(eastern youth)、岡安いつ美(ワンダフルボーイズ))
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地域に根ざした世界中のインディペンデントな「人・もの・こと・場所」をおもしろがり、文化が持つ可能性を模索するためのメディアANTENNAです。
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