ボロフェスタ2014 大前夜祭-Underground Stage,Bee-low stage編- ライブレポート
ボロフェスタ大前夜祭の地下ステージ。トップバッターとして登場したGALs the PUNKからフジロッ久(仮)が終わるまで、本祭は明日であることを忘れさせるほどの熱気に満ちていた。その模様を全アーティストの写真とハイライトテキストで振り返ろうと思う。
東京からひとりで京都に殴り込みにきた。彼女の人気は凄まじく、転換中からフロアは人でびっしりと埋まっていた。ライブがスタートした途端、最前列のオーディエンスの頭を次々と掴みにし大胆に迫る。「嫌なことは歌にして発散させる」らしく彼女の歌の世界は実体験を元にした歌詞で構成される。『あなたと対バンしたいの』と歌う“恋のブッキング”や下着を大量に盗まれた悔しい思いから出来た“下着返せ”など軽やかなステップに合わせて歌い上げる。合いの手のタイミングもばっちり決まり、彼女の人気ぶりを見せつけられたステージであった。最近では地上波のテレビ番組にも出演、勢力を拡大中の彼女をぜひとも来年は地上のステージで拝みたいものだ。
京都のWOW WAR TONIGHTSは『J-POP を使ったDJ+コント+演劇+モノマネ+ライブ = 究極のエンターテインメント茶番劇の最高峰!いつまでも会えるアイドル』として京都の音楽イベントには欠かせない存在になりつつある。ステージに現れてすぐにコントでオーディエンスの心をわしづかみに、全員に同じダンスを仕込んでフロアを一体化させる瞬発力はもはや職人技。懐かしの90年代J-POPを矢継ぎ早に繰り出されたら休む暇なんて一瞬たりともない。いい歳したおっさんたちのキレのよいダンスに魅了される日がくるなんて思いもしなかった……。綿密に練られた彼らのショーは小さな子どもから大人まで誰もが楽しめる全方位対応型だ。アイドルという定義を覆して、独自の道を歩む彼らのショーを体感したことのない人はぜひとも一度味わって欲しい。
ラストに登場したのはフジロッ久(仮)。ライブが始まる前にMC土龍が「ミラクルを見せてくれ!!」と放った言葉にふさわしく、地下ステージで奇跡のようなライブを見た。ナノボロフェスタの時には骨折した足を引きずっていたVo.藤原も全快、2ヶ月前のライブを軽く凌駕する熱狂のライブをしっかりとぶちかましてくれた。“シュプレヒコール”では伸びやかな歌声に聞き入り、日本語ポップスにブラックミュージックのテイストを加え、さらには日本人なら誰もが知っているであろう曲を大胆にオマージュした“働くおっさん”ではお祭り騒ぎが起こる。ヴォーカルのマイクをオーディエンスが奪ったり、熱気と汗でびしゃびしゃのフロアにメンバーが突進しオーディエンスを巻き込んで全員で大合唱する場面など、この日のライブのハイライトがありすぎて語り尽くせない。自由で、奔放で、強い生命力に溢れる彼らの無敵さを確認した最高のステージであった。
まさに地下ステージはライブハウス・ボロフェスタだ。普段は会議室として使用されている地下ステージのフロアは空調もまともに効かないし、照明もなく、ライブをする環境として良いとは言えない。けれどもボロフェスタの手にかかれば写真でわかるように、とても豪華な空間演出だってできる。(今年は名古屋のイラストレーター・YUMIMPOワールド全開のステージ装飾)そんな場所で今年もどんな奇跡の瞬間が生まれるのか、本祭への期待が一気に高まる前夜祭であった。
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地域に根ざした世界中のインディペンデントな「人・もの・こと・場所」をおもしろがり、文化が持つ可能性を模索するためのメディアANTENNAです。
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