ボロフェスタ2014 大前夜祭-9m stage編- ライブレポート
ボールズ
この一年、全国各地の様々な大舞台を経験し脇目も振らずまっすぐに歌を届けてきた彼ら、音楽業界の強力プッシュを受け果たした7月の華々しいメジャーデビューを経てもその姿勢は全く変わらない。冒頭で「一番かっこいいライブするんで!」とVo.山本剛義の高らかな宣言。そう、ボールズはいつだって私たちに最高を約束してくれる。”SING A SONG GIRL”、”通り雨”など最新アルバムからの楽曲を中心に、”ひみつ”、”ギター”と新曲も披露。ポップス、フォーク、オルタナティヴロックの美味しいところを貪欲に吸収したメロディーに心突かれっぱなしだ。両サイドに構えたギタリスト二人のアグレッシヴな掛け合いも印象的で、ステージ狭しと楽しさいっぱいに跳ね踊るメンバーたちの演奏には本当に隙がない。12月に再び京都で開催する3マン企画ライブへの期待度をぐいぐい高めたところで、ラストは”メルトサマー”、関西インディーズ時代から愛されてきた一曲だ。久しぶりに訪れたファンも思わず胸を熱くする、彼らの勢いがそのまま表れたようなライブだった。(text:高石瑞希)
メシアと人人
京都の男女混合2ピースバンド・メシアと人人。怪獣のように荒々しく演奏するのGt./Vo.の北山と、キュートはハイトーンボイスが特徴のDr./Vo.福田の2人は、関西圏はもちろんのこと全国から引っ張りだこのバンドだ。この日はメシアに一目惚れしたという名古屋のイラストレーター・YUMIMPOのライブペインティングとコラボレーションしたスペシャルセット。メシアのポップなリズムに合わせて跳ねるように描いた絵は、メシアの織りなす音色のようにポップだけど少し毒気を感じる色彩で描かれていた。パンクやシューゲイザーなど自分の好きな音楽を思い切り食べ尽して消化されたメロディは、一周回って多くの人から愛されるポップさを打ち出している。最後は人をかき分けフロアに降り立ち、ステージに向かって思いっきりギターを投げる場面も。轟音と熱気に包まれるメシアのライブは、観客の歓声と共に終了。レコーディングを終えたらしい彼らの今後の動向から目が離せない。(text:岡安いつ美)
Homecomings
1stフルアルバム『Somehow, Somewhere』のリリースを控え、発売日であるクリスマスを先取りしたかのようなステージのイルミネーションに勝るとも劣らない輝きをまとって登場した、SecondRoyalの秘蔵っ子Homecomings。ホール全体にすうっと清風を吹き込むようなVo.畳野彩加の歌声が響く。肩の力が抜けた甘酸っぱいギターポップが、集まった少年少女たちを踊らせる。ただあどけないとかいとけないといった言葉では表現しきれない彼らの存在感こそ、’10年代の気分そのものなのだ。「クリトリック・リスの裏がいちばん修羅場ですね」と曲間でgui.福富優樹のひとこと。そのあとも何度かMCを挟み、”Home”など軽妙なコーラスワークが光る楽曲をラストの”I Want You Back”まで次々と披露。終始ハッピーなムードで9mステージトリを務めあげた。(text:高石瑞希)
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地域に根ざした世界中のインディペンデントな「人・もの・こと・場所」をおもしろがり、文化が持つ可能性を模索するためのメディアANTENNAです。
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