1枚のアルバムを中心に、影響を受けてきた・もしくは与えたアルバムを周りに並べることで、そのアルバムが内包する音楽の体系的な理解を目指す企画【3×3 DISCS】。
今回中心に置いたアルバムはイハラカンタロウ『C』。本記事は本作のバックグラウンドにあたるアルバム8作品をイハラカンタロウ本人が選定・解説したレビューの一つです。
僕の勝手なイメージですが、大貫妙子さんの曲には懐かしい風が吹いている気がします。哀しみや諦めのような、黄昏や孤独、全て飲み込んで未来に目を向けているかのような、まるで夏の終わりの風に吹かれているような気持ちになります。どうしてこんなに美しくノスタルジーを表現できるのでしょう。
“湯舟”(M-4)の作曲当時、“横顔”という曲をいくら聴いたか分かりません。こういった目まぐるしくコードが変わる曲を書こうと思い立ち、この曲以上にコードチェンジを増やしてしまい、結果バッキングがとても難しい曲となってしまいました。
それにしても『MIGNONNE』は本当に素晴らしいアルバムです。“グッド・バイ グッド・デイズ”(M-3)のリードギターは、同アルバム収録の“突然の贈りもの”の松木恒秀さんのプレイを大変参考にさせていただきました。
寄稿者:イハラカンタロウ
1992年7月9日生まれ。埼玉県川越市出身。
2016年よりアコースティックギターでの弾き語りを中心とした音楽活動をはじめる。ソロ名義の他”イハラカンタロウ楽団”名義のバンド編成でもライブを行っている。自身が多大な影響を受けた「オールディーズ・バット・グッディーズ」なポップスに倣い、これから先も、いつになっても聴ける楽曲づくりを理念としている。
Webサイト:https://cantaro-ihara.tumblr.com/
Twitter:@cantaro_ihara
【3×3 DISCS】:イハラカンタロウが語る『C』を中心とした9枚のアルバム
WRITER
-
地域に根ざした世界中のインディペンデントな「人・もの・こと・場所」をおもしろがり、文化が持つ可能性を模索するためのメディアANTENNAです。
OTHER POSTS