human nature Dai Fujiwara 人の中にしかない自然 藤原大
デザイナー・藤原大の初公開作品を含む個展が、9月5日(日)まで神奈川の〈茅ヶ崎市美術館〉で開催されている。国内の美術館で初の個展となる本展では、デザイナーとしての知られている側面だけでなく、アーティストとしての側面に光をあて、時代の先を見据え制作された作品を展観していく。
藤原大は多摩美術大学デザイン学科を卒業後、ファッションデザイナーの三宅一生とはじめた「A-POC プロジェクト」でコンピューター制御の編機、織機を使った画期的な服作りを発表し多くの注目を集めた。その後も良品計画MUJI to GOディレクターや、資生堂 LlNK OF LlFE プロジェク卜展覧会ディレクターなどをつとめ、現在では日本を代表するクリエイティブディレクターとなった。
また自然界に存在するものを始点として創作されたデザインやアート作品も、世界的に高い評価を受けている。モンゴルの草原やニューヨークの地下鉄で掃除機で収集したものからテキスタイルを作りゴミの概念の変換を試みる作品や、自然界の色を採取し色見本をつくる独自の手法“カラーハンティング”による「湘南の色」をもとにデザインした江ノ電の車両なども本展では紹介される。さらに、本展のために茅ヶ崎で集めた素材で作られたセーターも公開されるとのことだ。
「自然と人が対峙するものではなく、また自然と人が一体となる考えでもない。自然は人の中にしか存在しないものであり、人の周りや外にあるものではないと考えてきた」と藤原は言う。未来を見据えた作品を通して、変化し続ける社会における人間と自然の関係を新たな視点から見つめる機会になるだろう。
藤原大 Dai Fujiwara
1992年、中央美術学院国画系山水画科(北京)留学後、1994年、多摩美術大学卒業。2008年、(株)DAIFUJIWARAを設立し、湘南に事務所をかまえる。コーポレイト(企業)、アカデミック(教育)、リージョナル(地域)の3つのエリアをフィールドに、現代社会に向けた多岐にわたる創作活動は世界から高い評価を受けている。また、独自の視点を活かし、Google、資生堂、日立製作所など企業のオープンイノベーションにおける牽引役としても活動し、国内外での講演やプロジェクトなど数多く実施。その他、東京大学生産技術研究所研究員、多摩美術大学教授、金沢美術工芸大学名誉客員教授等を務める。
INFORMATION
日時 | 2021年7月17日(土)〜2021年9月5日(日) |
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会場 | 茅ヶ崎市美術館 |
料金 | 一般 ¥800(¥700) |
イベントページ | |
主催 | 公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団 |
お問い合わせ | 茅ヶ崎市美術館 |
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