【2018年10月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」
「かっこいいバンドはいるの?」
「今」の京都の音楽シーンを追う、この連載!
今月も今聴いておきたい注目のアーティストを紹介していただきます。
紹介者は以下の方々です(五十音順)。
・京都GROWLY 店長:安齋智輝
・VOX hall ブッカー:小野満
・LIVE HOUSE DEWEY 店長:牧野大志
・Live House nano 店長:土龍
京都GROWLY 店長:安齋智輝の注目アーティスト
the McFaddin
見た目のチャラさとは裏腹に、今一番に音楽に真摯で楽しんでる若手バンドではなかろうか!
元々はグランジやヘヴィロックを感じるサウンドだったが、じりじりと湧き上がる己の中の炎によって
醗酵したパンのようにその生地は膨張を続けている。
The 1975やPale Wavesといった Dirty Hit周辺とリンクする現在マンチェスター感。
foalsやFriendly Firesといったインディーロックとダンスを融合したインテリクラブ感。
トッピングによって風味も旨味も深く、バラエティに富んだ進化が見える。
めちゃくちゃうまいパンじゃないか。
焼きたての香りに誘われて、一度試しに触れてみて欲しいです。
洋楽か邦楽か、そういう話を良く聞く昨今、好きなものは好き精神で突き進むパン、いや the McFaddin、好きだぜ。
安齋智輝
京都GROWLYの店長です。
元和菓子職人です。
お菓子も音楽も手間暇と愛が必要、がモットーです。
VOX hall ブッカー:小野満の注目アーティスト
than
大阪より孤高の極み高い音楽集団thanを今回はレコメンドです。
出会いは、この一年程ですが、猛烈に好みなバンドであり、心持ち、すぐに意気投合。
年間200本以上のペースにてライブ活動を行うフロントマン『キタ』の異様なまでの存在感とともに、その時折のさまざまな編成にて変化を見せる演奏ステージには、特出した中毒性が詰められている。激しくも轟音のバンドサウンドンかと思いきや、誠に繊細な歌世界。個人的には、思春期の折に耳にしたCoccoを彷彿とさせるオルタナティブ歌世界。
周知の通り、この夏には、エマージェンザジャパン2018ファイナル優勝者として、ドイツ国際大会にもその足を進めた、進化、そして極みに向かう要注意な存在。
小野満
京都VOXhall勤務7年目くらい、ブッキングマネージャー小野です。
通称:おのまん(小野満という本名です)。京都に来て8年ほど、その前は東京生活でした。
東京時代によく出入りしていたハコが2005〜2010年くらいの新宿モーション、新宿JAM、下北沢ベースメントバー、下北沢スリー、渋谷ネストなど。その時代の東京インディー界隈に縁が深いです。
LIVE HOUSE DEWEY 店長:牧野大志の注目アーティスト
カトキット
2013年結成。ポップミュージックの可能性を追求し続ける3ピースエレクトロバンド。
パッと聞きVoあっけの書く性的な部分までさらけ出す生々し過ぎる歌詞や、キラキラしたサウンドに目が行くが、2nd ミニアルバム収録「喪失」を初めて聞いた時「最後にえらいもんぶっこんできたな」という印象を受けた。
だれもが味わったことがあるであろう、人生で大切な物が無くなる瞬間。
生きていく上での優先順位を相当な覚悟を持って変える、変えざるを得ない瞬間。
と、その後について。
それは本人にとって、音楽活動の終焉についての曲に他ならなかったから。それをほぼ展開のないメロディーで綴っていく。強烈に重い。が、ファンもこの曲をフェイバリットにあげる人が多い。
私が心配することなどない。ちゃんと伝わっている。個人的にメンバーが高校生の頃から10年のつきあいになるが早く売れてほしい(笑)
牧野大志
DEWEYの代表。
ブッキング、PAを一人でこなすようになりもうすぐ2年。
年中スタッフ募集中。
Live House nano 店長:土龍の注目アーティスト
RIDDIMATES
東京中心に活動するブラスロッカーズバンド。
「吹きすぎくらいがちょうどいい」とは過去のコピーだが、まさにホーン隊が、テナーサックスでバンマスの黒須遊中心に吹きまくる。それぞれのブラススキルも大したもんで、そのブロウ(息遣い)に毎回ヤられまくってる。
元々は裏打ちのジャマイカンビートが主だったが、最近はそれに捕らわれることもなく、アフリカン、ラテンなど様々なワールドビートでその音楽を打ち鳴らす。それができるのは、演奏の核になるのが決してブラスだけではなく、ベーシックを成す楽器陣もまたそのスキルが相当高いからだ。
もちろん上手いだけじゃない。メンバーのそもそものキャラクター故か、そのライブ中の空気はハッピーそのもの。それぞれが鉄壁のアンサンブルの上で自由に跳ねまわり遊び心満載のステージングに。それをフロアはもろに受け止めそれぞれのステップでこちらもまた自由に踊る。こんなプリミティブにダンスさせてくれるバンドも、そういない。
音楽は、生きてきた人々の生活と、その歴史に基づく。過去からある哲学、知恵、文化を受け止め、それを誇る。マインド的にレぺゼン地球。それがRIDDIMATES。
土龍
こんにちは。
土龍(もぐら)です。
京都生まれの京都育ち。
受験戦争の申し子を経て、めでたく京都大学入学。
でも何を間違ったか8年間在籍。
大学生活のほぼ全ては、大学構内より焼き鳥「どん」かライブハウスで過ごす。
やってきたチャンスに上手いこと乗っかって現在は、京都市中京区は二条城の近くの「livehouse nano」(http://livehouse-nano.com/)の店長。
自身の音楽活動としてはライブハウスの経営以外にも、京都の秋のロックフェスティバル「ボロフェスタ」主催チームの1人であったり、仲間のバンドにひょこっと参加してアルトサックスをご機嫌にブロウしたり。
またライブイベントの司会を務めることも多く、京都のライブイベントで司会者といえば「土龍」だろうと勝手に思ってたり。主催している「ボロフェスタ」でももちろん名物司会者として名を馳せてたりそうでもなかったり。
派手好きの単純思考。
関西屈指のパーティピープル。
土龍のいるフロアは華やぐとかそうでもないとか。
あ、あと2人の娘の父親。
You May Also Like
WRITER
-
26歳で自我が芽生え、とうとう10歳に。「関西にこんなメディアがあればいいのに」でANTENNAをスタート。2021年からはPORTLA/OUT OF SIGHT!!!の編集長を務める。最近ようやく自分が持てる荷物の量を自覚した。自身のバンドAmia CalvaではGt/Voを担当。
OTHER POSTS