COLUMN

【2018年11月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」

「かっこいいバンドはいるの?」

 

「今」の京都の音楽シーンを追う、この連載!

今月も今聴いておきたい注目のアーティストを紹介していただきます。

 

紹介者は以下の方々です(五十音順)。

・京都GROWLY 店長:安齋智輝

・VOX hall ブッカー:小野満

・LIVE HOUSE DEWEY 店長:牧野大志

・Live House nano 店長:土龍

京都GROWLY 店長:安齋智輝の注目アーティスト

e;in

公式HPより

今回はわがGROWLYの敏腕PA、金澤が参加するインストバンドe;inを紹介します。

 

200X年京都にて結成。これまで3枚の単独作品、2枚のスプリット・オムニバス音源をリリース。そして今月、新音源『vodka e.p』をリリースしました。

 

活動は極めてマイペースでありながら、ツインギターとベース、ドラムという生楽器のバンドアンサンブルを突き詰めた活きたインストロックを展開。叙情的でゆっくりと螺旋状に昇っていくようなサウンドスケープは言うなれば「絶景」。昇天先から見下ろせば、様々な音楽的ルーツや機材への細やかなこだわりが見え、楽器を演奏する者の志すべき風景が浮き上がる。まさにバンドオブバンド。

 

あまり表に出ないのでリリースの時くらいはキャーキャー言われて欲しい!やはり歴戦突破のおっさんは強し。

安齋智輝

京都GROWLYの店長です。

元和菓子職人です。

お菓子も音楽も手間暇と愛が必要、がモットーです。

VOX hall ブッカー:小野満の注目アーティスト

Kevin

出会ってから、一年半ほど、その変化には注目しています。

 

激しくも、荒々しい轟音かと思いきや、きらめくその時を感じる息をのむようなバンド。ドラム、ギター、ボーカルの変則的なバンド構成の中、紡がれる美しいダークな部分には、興味を惹かれます。楽器陣が実の兄弟という間柄、互いのライフと音楽が濃密に絡まったサウンドを展開します。

 

以前に、レコメンドした『水車』に同じく、今後が楽しみな塊です。今月は、その『水車』と『Kevin』による共同初企画が十八番にて動き出します。濃密かつ見物な一夜が浮かび上がりました。

 

期待値も込めたレコメンド!

小野満

京都VOXhall勤務7年目くらい、ブッキングマネージャー小野です。

通称:おのまん(小野満という本名です)。京都に来て8年ほど、その前は東京生活でした。

東京時代によく出入りしていたハコが2005〜2010年くらいの新宿モーション、新宿JAM、下北沢ベースメントバー、下北沢スリー、渋谷ネストなど。その時代の東京インディー界隈に縁が深いです。

LIVE HOUSE DEWEY 店長:牧野大志の注目アーティスト

小川洋平

公式HPより

枯れたギブソンのアコギと鼻にかかった声。歌われるのは日常の小さな希望と
どん底の絶望。日々をしっかり生きようとしている人達の側にさりげなく寄り添う名曲揃い。

 

10/29 DEWEY周年月間の一日。

ほぼMCなし、物凄い集中力での演奏に私を含めスタッフが全員泣いてしまう光景があった。ガラガラの客席で、バーカウンターの男もその音を出しているPAも泣いている。非常に滑稽だ。

 

そんな事は100もわかっている、日々頑張っているスタッフの心にモロに刺さってしまった。

 

「音楽の美しさに客の多さは関係ない。」

 

なんとなく知っている気になっていた事実を実際目の前で見せられたら普通泣く。バンドサウンドで録音されたCDはDEWEYでよく流されているので耳にした事がある人も多いはず。

 

飄々として、先輩にある程度失礼な本人のキャラクターを含めて愛すべき音楽家。

牧野大志

DEWEYの代表。

ブッキング、PAを一人でこなすようになりもうすぐ2年。

年中スタッフ募集中。

Live House nano 店長:土龍の注目アーティスト

チプルソ

公式HPより

大阪のラッパー。

所謂HIP HOP MC。フリースタイルバトルのUMB大阪予選決勝にて行われたR-指定との名勝負は語り草。

 

特徴のある声で繰り出されるリリックの応酬は、韻へのインテリジェンスだけでなく、その言葉そのものの温かみにも溢れ、チプルソ自身が生きてきた自伝のような、また聴き手のバイブルになり得るような物語でもある。

 

MPCのトラックバックのMCだけでなく、ガットギターの弾き語りスタイルでのMCというのも彼のステージスタイルの特色。リリックと合わせて広がるサウンドスケープにフロアが涙することもしばしば。

 

ヒップホップカルチャーに囚われることなく、共鳴し合えるモノとは垣根を超えてリンク。クリープハイプの尾崎世界観が心酔しコラボレーション音源が発表されていることは、その証拠の1つ。

 

クラブカルチャーとバンドカルチャーの溝の話はよく耳にするノイズだが、チプルソはそのノイズキャンセラーになり得る存在。

土龍

こんにちは。

土龍(もぐら)です。

 

京都生まれの京都育ち。

受験戦争の申し子を経て、めでたく京都大学入学。

でも何を間違ったか8年間在籍。

大学生活のほぼ全ては、大学構内より焼き鳥「どん」かライブハウスで過ごす。

 

やってきたチャンスに上手いこと乗っかって現在は、京都市中京区は二条城の近くの「livehouse nano」(http://livehouse-nano.com/)の店長。

 

自身の音楽活動としてはライブハウスの経営以外にも、京都の秋のロックフェスティバル「ボロフェスタ」主催チームの1人であったり、仲間のバンドにひょこっと参加してアルトサックスをご機嫌にブロウしたり。

 

またライブイベントの司会を務めることも多く、京都のライブイベントで司会者といえば「土龍」だろうと勝手に思ってたり。主催している「ボロフェスタ」でももちろん名物司会者として名を馳せてたりそうでもなかったり。

 

派手好きの単純思考。

関西屈指のパーティピープル。

土龍のいるフロアは華やぐとかそうでもないとか。

 

あ、あと2人の娘の父親。

WRITER

RECENT POST

REPORT
【SXSW2023】移りゆくアジアの重心と、裏庭に集う名もなき音楽ラバーたち
REPORT
【SXSW2022】地元に根津いたバカ騒ぎの種火たち、3年ぶりのオースティン探訪
INTERVIEW
あの頃、部室で – 夜音車・頓宮敦がDo It Togetherにつくりあげた果実と、その界隈
INTERVIEW
25万人集まる海外フェスも、30人規模の地元のハコもやることは同じ 手探りで進み続ける、おとぼけビ~…
INTERVIEW
失われた「ジャンク」を求めて – WHOOPEE’Sというハコと、GATTACA / GROWLYの…
INTERVIEW
土龍さん、この10年どうやった? 最小で最愛な私たちのライブハウス、nanoの旅路
COLUMN
未来は僕らの手の中(か?)|テーマで読み解く現代の歌詞
INTERVIEW
“エゴ”だけじゃ形にならない。『フリースタイルな僧侶たち』初代・三代目の編集…
COLUMN
書評企画『365日の書架』4月のテーマ:はなればなれになって
COLUMN
書評企画『365日の書架』3月のテーマ:ここじゃない場所に生まれて
COLUMN
書評企画『365日の書架』1月のテーマ:時間が経つのも忘れて
INTERVIEW
バランスのいい選択肢が無い!!多様な価値観の都市で育った〈汽水空港〉店主・モリテツヤさんが人生の選択…
COLUMN
書評企画『365日の書架』12月のテーマ:もっと読むのが好きになる
COLUMN
【東日本編】ライブハウス・クラブでの思い出のエピソード
COLUMN
【西日本編】ライブハウス・クラブでの思い出のエピソード
COLUMN
【Dig! Dug! Asia!】Vol.1:Stars and Rabbit
INTERVIEW
自分たちで責任を取り続けられる企業であるために。FREITAGの創業者Markus Freitag来…
INTERVIEW
台湾インディーシーンの最前線を走り続けるSKIP SKIP BEN BENこと林以樂、初の本名名義と…
COLUMN
【2019年10月】今、大阪のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2019年09月】今、大阪のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2019年08月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
制作もライブも自然体で。京都のシンガーソングライターいちやなぎインタビュー
COLUMN
【2019年07月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2019年06月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2019年05月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2019年04月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2019年03月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2019年02月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2019年01月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2018年12月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2018年10月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2018年9月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REVIEW
Homecomings – Songbirds
INTERVIEW
ボロフェスタ主催のひとり飯田仁一郎に聞く、ナノボロフェスタでトークイベントを行う理由
INTERVIEW
出町座
INTERVIEW
【モーモールルギャバン / ゲイリー・ビッチェ】好きで好きでたまらない!スーパーノアは俺に語らせて!…
INTERVIEW
【くるり / ファンファン】好きで好きでたまらない!スーパーノアは俺に語らせて!3rd mini a…
COLUMN
【2018年7月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2018年6月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REVIEW
Siamese Dream – The Smashing Pumpkins
REVIEW
MISS YOU – ナードマグネット
COLUMN
【2018年5月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
INTERVIEW
「自分たちが面白いことが一番面白い」この二年間の活動の変化を、踊る!ディスコ室町Vo.ミキクワカドに…
COLUMN
【2018年4月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
【SXSW2018】国別に見る、良かったアーティストまとめ
REPORT
【SXSW2018】世界のミュージックフリークスに聞いた、今年のおすすめ出演者
REPORT
【SXSW2018】日本のミュージシャンの世界への接近と、各国のショーケース
COLUMN
ki-ft×アンテナ共同ディスクレビュー企画『3×3 DISCS』
REVIEW
Man Of The Woods – Justin Timberlake
COLUMN
【2018年3月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【2018年2月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
ライブハウス店長・ブッカーが振り返る、2017年ベストアクト
COLUMN
HOLIDAY! RECORDS / 植野秀章が選ぶ、2017年ベストディスク10
COLUMN
【2017年12月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
【月一更新・まとめ】今、京都のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
REPORT
映画『MOTHER FUCKER』京都みなみ会館 特別先行上映レポート
COLUMN
【2017年10月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -堤大樹 ③広島東洋カープ編-
INTERVIEW
【特別企画】ミュージシャン、好きな映画を語る – バレーボウイズ・本日休演・踊る!ディス…
REPORT
【SXSW2017】vol.0 まとめ
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -堤大樹 ②音楽編-
REPORT
終わらない孤独な旅で見つけた、彼女の”光”とは?Laura Gibson ジ…
COLUMN
俺の人生、三種の神器 -堤大樹 ①初めてのひとり旅編-
REPORT
the coopeez 『キネマBANPAKU』 @ みなみ会館 2016.05.21
SPOT
朧八瑞雲堂
SPOT
吉靴房
SPOT
BOLTS HARDWARE STORE
REPORT
ナードマグネット – 怒りのデス・ワンマン@天王寺Fireloop 2015.12.20
INTERVIEW
CARD×椎木彩子の関係について:後編
INTERVIEW
CARD×椎木彩子の関係について【前編】
INTERVIEW
鈴木実貴子ズは何故ライブバー&鑪ら場を始めたのか?
REPORT
斑斑(skip skip ben ben) “台湾から来た二人” @公○食堂 2014.11.01
REPORT
スキマ産業vol.39 @ 木屋町UrBANGUILD ライブレポート
REPORT
the coopeez newbalance tour @京都MOJO ライブレポート

LATEST POSTS

REVIEW
「キテレツで王様になる」SuperBack『Pwave』のキュートなダンディズムに震撼せよ

2017年に結成、京都に現れた異形の二人組ニューウェーブ・ダンスバンドSuperBack。1st ア…

REPORT
台湾インディーバンド3組に聞く、オリジナリティの育み方『浮現祭 Emerge Fest 2024』レポート(後編)

2019年から台湾・台中市で開催され、今年5回目を迎えた『浮現祭 Emerge Fest』。本稿では…

REPORT
観音廟の真向かいで最先端のジャズを。音楽と台中の生活が肩を寄せ合う『浮現祭 Emerge Fest 2024』レポート(前編)

2019年から台湾・台中市で開催され、今年5回目を迎えた『浮現祭 Emerge Fest』。イベント…

INTERVIEW
2024年台湾音楽シーンを揺らす、ローカルフェスとその原動力―『浮現祭 Emerge Fest』主催者・老諾さんインタビュー

2024年2月24,25日の土日に、台中〈清水鰲峰山運動公園〉で音楽フェス『浮現祭 Emerge F…

COLUMN
【2024年3月】今、大阪のライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「大阪のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」「今」の京都の音楽シーンを追…