COLUMN

【2019年01月】今、ライブハウス店長・ブッカーが注目しているアーティスト

「現在の京都のインディーシーンってどんな感じ?」

「かっこいいバンドはいるの?」

 

「今」の京都の音楽シーンを追う、この連載!

今月も今聴いておきたい注目のアーティストを紹介していただきます。

 

紹介者は以下の方々です(五十音順)。

・京都GROWLY 店長:安齋智輝

・VOX hall ブッカー:小野満

・LIVE HOUSE DEWEY 店長:牧野大志

・Live House nano 店長:土龍

京都GROWLY 店長:安齋智輝の注目アーティスト

Set Free

公式HPより

まだ産まれたての京都のポップスバンド。そもそもメンバーが2人の時からそのデモ音源のポップソングとしての軽快さ、中毒性、クオリティの高さに一聴して驚いたのを覚えています。

 

僕は普段「ポップス」という感覚で聴かないのですが、Set Freeはちょっと何かが違う。カジヒデキや松任谷由美、スピッツやaiko、日本を席巻したポップス界の帝王たちに通じる、スッと入ってきてガッとわしづかみにされる感覚。

 

曲も声も懐かしくもありスタイリッシュでもある不思議。まだまだ露出は少ないが密かにめちゃくちゃ期待しています。

 

若くしてこのようなバンドがいるのが嬉しいし「王道」のすばらしさをライブハウスから再認識できる力を秘めたアーティストなのでは……

日時

2019年01月19日(土)

OPEN 17:00 / START 17:30

会場

京都二条 GROWLY

料金

前売り ¥2,300(+1drink)

出演

POP ART TOWN / SAPPY / See Stadts / Mellow Youth(東京)/ リリリップス(東京)/ キキトラックス / Set Free

安齋智輝

京都GROWLYの店長です。

元和菓子職人です。

お菓子も音楽も手間暇と愛が必要、がモットーです。

VOX hall ブッカー:小野満の注目アーティスト

ヒビクライト

長いトンネルを抜けて、新たな幕開けを感じます。2018年4月からのメンバー動向により、その活動に足踏みを感じていた”ヒビクライト(hibiku_light)”が今回のレコメンド。

 

自分が出会ってきた、さまざまな楽曲、サウンドを規律を重んじながら、持ち前のポップバランスで昇華することに長けた不思議な感覚のバンド。フロントマンの感性に大きく左右される側面もありながら、過去、現在とミックスアップしたオリジナリティ高い楽曲群を制作し続ける。憎たらしくも、愛すべき不思議な若者たち。正直、出会ってから、ここまでは長かった!が、昨年の下半期、大きく前進した興味深い音楽集団であり、今、新たな始点を提示しようとしている。そのアンビバレンスな存在感、趣味崇高なメロディライン、そして、その、なによりナイーブなパーティチューンたちに今一度、耳を傾ける時が来た。幕開けの主題は『maybe love you…』!!!

日時

2019年02月16日(土)

OPEN 13:00 / START 13:30

会場

京都 VOXhall

料金

¥2,500 (+1drink)

出演

hibiku_light(ヒビクライト) / kailios / VANILLA.6 / グリズリーオンザプラネット(東京)/ 坂元坊主 / 脳内麻薬ズ / See Stadts / fish in water project(群馬)/ tip top nap / yoctopolis / 藤原カズキ / PRIMAL / YUKAI / work from tomorrow

小野満

京都VOXhall勤務7年目くらい、ブッキングマネージャー小野です。

通称:おのまん(小野満という本名です)。京都に来て8年ほど、その前は東京生活でした。

東京時代によく出入りしていたハコが2005〜2010年くらいの新宿モーション、新宿JAM、下北沢ベースメントバー、下北沢スリー、渋谷ネストなど。その時代の東京インディー界隈に縁が深いです。

LIVE HOUSE DEWEY 店長:牧野大志の注目アーティスト

石庭未来

公式HPより

活動歴2年半の若手弾き語り。女性ならではの切り口で情念や毒を独特の色気を持って歌にする。この娘は見るたび本当に良くなっている。

 

特にこの数ヶ月、これまでは情熱の方が勝ってしまって、表現に荒さが目立つ場面が多かったが、シンプルに歌がめちゃくちゃ上手くなり、彼女独特の世界観がより明確になった。彼女のライブを一度見た聞いた事がある方も、是非今の石庭未来を体感してほしい。

 

この一年様々な場所で趣向を凝らした自主企画を開催してきた。写真を撮る為だけにライブに来る風潮にアンチの意味を込めて、女性シンガーだけで、ステージに幕を下ろした状態で演奏するイベントや、当日に決めた男女ペアでステージに上がり一曲ずつ演奏とトークをするイベントなど、その抱負なアイデアにも脱帽する。

日時

2019年01月25日(金)

OPEN 18:30 / START 19:00

会場

LIVE HOUSE DEWEY

料金

前売 ¥2,000 / 当日¥2,500(+1drink)

出演

【おんな陣】石庭未来 / rui ogawa(kasa.)/ 万理音
【おとこ陣 】森伸吾(雨面ナラカシ)/ 前田慧(mama fu-fuh)/ tuna(fr.久留米)

備考

男女2人1組のペアが向かい合い一曲ずつの歌い合い。
10月の第一回が素敵だった為、第二回開催決定。

牧野大志

DEWEYの代表。

ブッキング、PAを一人でこなすようになりもうすぐ2年。

年中スタッフ募集中。

Live House nano 店長:土龍の注目アーティスト

atuiso

公式HPより

ストラトキャスターとジャズコーラスとファズとリバーブ。ギタリスト野田雄太の武器。

 

かつて京都で活動していた「れえんこおと」の活動停止後、野田が始めた前と同じく3ピースのインストバンド。楽に言えば所謂ポストロックにカテゴライズされる音楽だが、例えば、奴も敬愛するtoeのように完璧な美しさを見せてくれるのかというとそうじゃない。むしろ、その売りはアンサンブルの「歪(いびつ)さ」にある。

 

これは決して楽譜的に縦が合ってないわけじゃなくて、全て野田のタイム感で演奏は進む。それをベーシックにしながらリズム隊はフレーズを盛り込んでいく。結果として生まれる音圧は、ハードコアバンドのダイナミズムに匹敵するし、込められたマインドはブルースギタリストのソウルに匹敵するし、そのグルーヴは聴き手のステップを止めさせない。

 

この形だけ3ピースバンドであり、その実態がプレイによる歪な人間味(その都度変わるタイム感やフレーズ)であるところ、このリアルタイムに進化していくようなステージングは……

 

もはや、ジャズだ。過去から楽器による演奏のみで、人間の哲学や生活や宗教観、何なら未来の姿まで描こうとしてきた至高の音楽、ジャズだ。

日時

2019年01月26(土)

OPEN 17:30 /START 18:00

会場

Live House nano

料金

前売り ¥1,500 / 当日 ¥1,800 (+1drink)

出演

atuiso / 囀り峠 / Oh No Darkness!! / リリィ / goldrink

土龍

こんにちは。

土龍(もぐら)です。

 

京都生まれの京都育ち。

受験戦争の申し子を経て、めでたく京都大学入学。

でも何を間違ったか8年間在籍。

大学生活のほぼ全ては、大学構内より焼き鳥「どん」かライブハウスで過ごす。

 

やってきたチャンスに上手いこと乗っかって現在は、京都市中京区は二条城の近くの「livehouse nano」(http://livehouse-nano.com/)の店長。

 

自身の音楽活動としてはライブハウスの経営以外にも、京都の秋のロックフェスティバル「ボロフェスタ」主催チームの1人であったり、仲間のバンドにひょこっと参加してアルトサックスをご機嫌にブロウしたり。

 

またライブイベントの司会を務めることも多く、京都のライブイベントで司会者といえば「土龍」だろうと勝手に思ってたり。主催している「ボロフェスタ」でももちろん名物司会者として名を馳せてたりそうでもなかったり。

 

派手好きの単純思考。

関西屈指のパーティピープル。

土龍のいるフロアは華やぐとかそうでもないとか。

 

あ、あと2人の娘の父親。

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